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スーパープレミアムバーボン「ウッドフォードリザーブ」のセミナーレポート/実際の味や評価は?

スーパープレミアムバーボン「ウッドフォードリザーブ」のセミナーレポート/実際の味や評価は?

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どうもあなたの味方のウイスキーライター編集部オーツカです。

前回のジャックダニエルのイベント『JACK DANIEL’S Experience 2017 Japan』に引き続き、アメリカンウイスキー『ウッドフォードリザーブ』を学ぶセミナーに行ってまいりました。

ウッドフォードリザーブは「クラフトバーボン」や「スーパープレミアムバーボン」に格付けされているバーボンで、こだわった製法と高級感のあるビジュアルが印象的な銘柄です。

個人的にウッドフォードリザーブは「疲れた時にツルっといけるバーボン」として重宝しております。

セミナーには弊メディア以外にもたくさんの広報の方が来てました。

今回ちょっとカメラがしょぼいんでなかなかうまいこと撮影はできませんでしたが、がんばります。

父の日のプレゼントの記事にも書きましたが、ウッドフォードリザーブは贈り物にも最適なので是非読んでいってくださいませ。

クラフトバーボン、プレミアムバーボンとはなにか

クラフトバーボン、プレミアムバーボン

クラフトとはなにか

クラフトビール、クラフトジン、クラフトワインにクラフトチーズ。クラフト。。。クラフト。。。

このクラフトという枕詞が国内外で多く叫ばれるようになって久しいですね。

そもそもこのクラフトってどんな意味なのでしょうか?

辞書には“手芸品”“民芸品”などと掲載されています。

“クラフトマンシップ(職人芸)”なんて使われ方、見たことあるんじゃないでしょうか。

これは【小規模(スモールバッチ)で、高品質で、手造りにこだわり、大切に作っています】という意味です。

日本でも最近「丁寧な暮らし」「地産地消」みたいな世界観が流行っていますが、そういったお決まりの広告ワードに近いです。

バーボンの中のクラフトって?

バーボン業界でも”クラフト”の使われ方は同じです。

小規模でこだわって作ってるバーボン。

しかしそこに明確な基準はありません。(年間38万プルーフリットル以下の生産者を”クラフト”と定義する業界団体もいますが、この定義もあまり意味を持ちません。)

現在アメリカでは、バーボンのクラフト革命が起こっており、次々とバーボンの蒸溜所が立ち上がっています。大小含め600を超える蒸溜所がひしめいており、バーボンづくりにしのぎを削っているのです。

しかし新蒸溜所の中には質の悪いバーボンをこしらえる業者も多く、”クラフト”が宣伝文句として使われているだけの蒸溜所も多いと聞きます。ただの流行語、バズワードとして”クラフト”が使われているのは残念なことですね。

なので小規模蒸溜所=クオリティが高いわけではないのです。

ではスーパープレミアムバーボンウイスキーとはなんぞや

さらにこのウッドフォードリザーブには、「スーパープレミアムバーボン」という仰々しい呼称がついているのですが、その定義や基準はなんなのか?

こちらも”クラフト”と同じように明確な基準はありません。

まぁ、高城剛よろしく、ハイパーメディアクリエイターと似たようなもんでしょうか。

以下の図を見ると、”スーパープレミアムバーボン”がどんなものなのかうっすらと見えてきます。

アメリカンバーボンウイスキーの販売額

グラフを見る限り「スーパープレミアム」はめちゃくちゃ売り上げが伸びてますね。

しかし僕が知る限り”スーパープレミアム”と名乗っているバーボンの種類は数種類です(昨今は増えてきました)。

これだけの売り上げを数種類で確保できる…そう、これは単価が高いということなんですね。

“スーパープレミアムバーボン”の基準はだいたい実売価格が5,000円以上です。

他にもラベルに蔵出し日や倉庫番号が書いてあるとか、6年以上熟成されている(であろう)とか蒸溜所によって基準はまちまちなのですが、今のところは、価格で判断するのが一番わかりやすいでしょう。

ミクターズというバーボンに至っては”ウルトラプレミアムバーボン”という売り文句をつけてるくらいですから、呼び名は各社のブランディング次第でどうとでもつけられるのが現状です。

ウッドフォードリザーブの魅力とは?

長々と書いてきましたが、何を言いたいのかというと「呼称」などはどうでもいいというこです。

バーボンを飲む際、各社のマーケティングに騙されてはなりません。大切なのは【作り手が飲み手に素晴らしい体験を与えられるかどうか】、これに尽きます。

まずはウッドフォードリザーブがどんなこだわりを持っているのか、ざっと解説です。

厳選された原材料

仕込み水にはライムストーンウォーターという天然石灰岩で濾過された湧水を使います。硬度は恐らく300以上でしょう。かなりの硬水ですね。
穀物の含有比率はコーン72%、ライ麦18%、大麦麦芽10%と一般的なバーボンと比べるとややライ麦が多いですね。キレがよくスパイシーな味わいになりやすい比率かと思います。

こだわりの製造方法

伝統的な木樽を使って発酵

昔ながらの木桶の発酵槽を使い、発酵を行います。木の発酵槽は温度の管理などが難しい反面、乳酸菌などの菌が繁殖しやすくなります。

桶の素材はフロリダ産の杉の木(糸杉・サイプレス)。発酵期間は6日。これはバーボンとしてはかなり長い期間です。

保温性に優れる木桶で菌を活性化し、長期間発酵させることで奥深いフレーバーと複雑なボディを生んでいるのだと思います。

バーボンでは珍しいポットスチル蒸溜です。恐らく大手ではここのみ。

3基のポットスチルで3回蒸溜を行います。スコッチのオーヘントッシャンやアイリッシュウイスキーの幾つかの蒸溜所で用いられている3回蒸溜。

雑味を減らし、クリアでライトな酒質になります。

熟成もユニーク

石造りの貯蔵庫

熟成する樽に約10分ほどトースト(火であぶる)をした後、45秒のチャーリング(内側を焦がす作業)を施します。

なお、チャーは天板と底板のみ。ワイルドターキーやノブクリークほど樽を焦がさないわけです。つまり樽の燻製香やバニラの香りは弱いはずです。

貯蔵庫は石造りで、ヒーターなどを使い寒暖差を人工的に作り出します。熟成期間は非公開です。

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気になる味は?

ウッドフォードリザーブ

一言で言うと

軽奥ゆかしい

です。
香りはバーボン特有のハチミツ、バニラを感じさせますが、どちらかというとフルーティーな印象。樽の焦がしが少ないからか、刺々しくない。

そしてやはり3回蒸溜の特徴は出てます。

非常にクリアで飲みやすい。キレがあり、コショウのようなスパイシーな後味があります。

驚きなのは味の層の厚さ。ボディが重いというイメージではなく、レイヤーが多いといった複雑さがあります。

薄く重なるミルフィーユのようなフレーバーが、何層にも厚みをつくっています。これ熟成何年なんでしょう、4年くらいかなぁ。驚きですね。

この軽い飲み口と、控えめですが奥ゆきのあるフレーバー。

『軽奥ゆかしい』というまるでギャルが白無垢を着ているようなアヴァンギャルドな味になるわけです。

何度も飲んでますし、BARRELでも何回かペアリングに登場していますが、クオリティは高いですね。

カクテルベースとしても優秀

ウッドフォードリザーブはアメリカのビッグイベント、『ケンタッキーダービー』のオフィシャルバーボンに認定されており、会場で販売される『ミントジュレップ』や『オールドファッションド』などのベースとしても使われています。

世界中のバーテンダーからもこの繊細でいて骨太、多彩で力強いフレーバーが気に入られ様々なバーボンカクテルに使われているみたいですね。

今回のセミナーでもウッドフォードリザーブをベースに使った二種類のカクテルを振舞っていただきました。非常になめらかでコクのあるカクテルでした。

ミントジュレップ
抹茶のオールドファッションド

料理とのフードペアリング

今回セミナーではウッドフォードリザーブに合うおつまみということで、3つの料理とのフードペアリングを披露していただきました。

飲み方はロックでいただきましたが、どれも美味しかったです。お家でも試しやすい定番のマリアージュだと思うので簡単にですがご紹介しておきます。

『ウッドフォードリザーブ』× パルミジャーノ・レッジャーノ

パルミジャーノ・レッジャーノ

うちのライターも『チーズとのマリアージュの記事』で書いてましたが、そう、パルミジャーノにはローランドモルトなどのドライでライトなウイスキーが合うんですね。

3回蒸溜を行っているウッドフォードリザーブならサラリとしたドライな飲み口でパルミジャーノの塩気と旨みを引き立ててくれます。

『ウッドフォードリザーブ』× 赤身肉

バーボンと言ったら赤身肉。脂身の少ないローストビーフなどはバーボンとの相性は最高ですね。赤ワインもよいですが、ロックでちびちび赤身肉をつまむのも悪くないです。

『ウッドフォードリザーブ』× ドライクランベリー

barに行くとよくナッツとセットで出てくるクランベリー。酸味と甘みはバーボンを引き立てます。抗酸化作用が高く、肝臓の働きを促進させる効果もあるようですね。

商品ラインナップ

ウッドフォードリザーブには更に上位ラインナップにあたる『ダブルオークド』やライ麦の比率を53%に上げた『ライ』、『ウッドフォードリザーブ マスターズコレクション セレクトアメリカンオーク』などが存在します。

スタンダード商品を試してみて気に入ったら是非試してみると良いでしょう。

ウッドフォードリザーブ

ウッドフォードリザーブのスタンダードボトル。

ポットスチルを使い3回蒸溜してつくられた実に風味豊かな味わいのバーボンウイスキー。

香りは蜂蜜をかけた焼きリンゴ、ダークチェリー、パン。

なめらかな口当たり。味わいはドライチェリー入りのパン、ビターチョコ、蜂蜜、カカオ。

厚みのあるボディにスムースな喉ごし。

スタンダードにして、極めて上質なでき映えのボトルです。

以前はボトルの「WOODFORD RESERVE」の文字の上に「LABROT & GRAHAM」の文字と「LG」のロゴが入っていましたが現在は「DISTILLER’S SELECT」の文字と「WR」のロゴに変更となりました。

ウッドフォードリザーブ ダブルオークド

こちらは熟成した後、通常の熟成樽よりも約4倍時間をかけてトーストさせ、5秒間だけチャーを施した専用の新樽に移し替えて1年間熟成させて造られたボトル。

香りはスタンダードものに比べやや木質感、チャーによる香ばしさが加わり、バーボンらしいパワフルな風味に変化しています。

香りは熟したメロン、焼きリンゴ、接着剤、ミルクチョコ。

味わいは濃厚な塩キャラメル、ダークフルーツの豊かな香り、ヘーゼルナッツ、ハニートースト。

ウッドフォードリザーブの個性はそのままに、パワフルな風味が備わった深く太い味わいのボトル。

ウッドフォードリザーブ マスターズコレクション セレクトアメリカンオーク

熟成樽の樽材の産地にこだわった数量限定のプレミアム商品。

アメリカンオークの中でも特に生育が早く、良質な材質が得られる「ミズーリ州オザーク地方」でとれた木材のみで造られた樽で熟成させたウッドフォードリザーブです。

香りはまさにフィナンシェ。あまい焼き菓子です。

他にもマーマレード、蜂蜜、レモングラス、シナモン。

味わいはできたてのフィナンシェ、ローストアーモンド、紅茶の茶葉、蜂蜜、トフィ。

テロワールにこだわった特別なウッドフォードリザーブ。

甘みと香ばしさが同居したバランスの良い味わいのラインナップです。

ウッドフォードリザーブ ライ

こちらは原料にライ53%、モルト14%、コーン33%という高いライ麦率でつくられた「ライウイスキー」です。

香りはブラックペッパー、ヒノキの皮、シナモン。少しのセメダイン。乾いた木材。

口に含むとトフィ、熟れたリンゴ、ハニーアーモンドなどの濃厚な甘みとピリッとくるスパイシーさとママレードマフィンのような若干の酸味を伴う複雑な風味のボトルです。

甘みとスパシーさのバランスがよく取れたボトル。

余韻には紅茶のタンニンのようなグリップ感があります。

ライウイスキーが苦手な方でもこちらならすんなり受け入れられるかもしれません。

父の日の贈り物にも

父の日のプレゼントにウッドフォードリザーブ

ウッドフォードリザーブが父の日の贈り物に最適なのは、その美味しさはもちろん、”ウイスキーを飲みなれていない人も楽しめる”ことです。

つまりはプレゼントを渡す息子さん、娘さんがウイスキーに慣れていなくても、一緒に楽しめる方法があるということですね。

角砂糖(もしくはシロップ)とミントさえあれば、自宅でも簡単に『ミントジュレップ』が作れますから、お父さんと一緒に語り合う時間もプレゼントできるというわけです。

父の日におすすめのウイスキーはこちらからどうぞ↓

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2023年6月12日
ソーダストリームの体験記事

最新鋭のバーボンの明日はどっちだ

ウッドフォードリザーブ蒸溜所

現在のバーボン業界は工程の合理化が進み、画一的な手法が導入され、技術は集約されつつあります。特に大手は顕著です。

さらに、新蒸溜所が数多く立ち上がり、最高のバーボンなど出荷せずともマーケティングさえうまければ売れるという事実さえあります。

しかし、ウッドフォードリザーブの手間のかかる製造方法は、そんな時代に逆行しているようにも見えます。

“クラフト”だから良い。
“プレミアム”だからすごい。

ではないのです。

重要なのはそんな時代の中でふとするとこぼれ落ちていってしまう”情熱”を拾い上げるようなウイスキーだと僕は信じています。

それは確実に飲み手に伝わり、大きな宣伝効果を呼ぶでしょう。




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