ウイスキーをテーマにした名曲は数知れず…
ウイスキーの曲…と言いますとまず思い出すのが『ウイスキィ~…が、お好きでしょ』から始まるあの曲。
井川遥さんが出演されているサントリーウイスキー「角瓶」のCMでもお馴染みの一曲です。
このCM、1時間適当にテレビのチャンネルを弄っていたら必ず目にするような頻度で流れているのでほとんどの方が目にしたことがある筈。
井川遥さんの美しさもさることながら、印象的なのはバックで流れる楽曲の素晴らしさ。
「ウイスキィ~がお好きでしょ…」
夜の都会的で大人の雰囲気を醸し出している、まさにウイスキーの為に存在するような曲ですよね。
でもこの曲。何時、誰が歌った曲なのでしょう。
原曲は石川さゆりさん
この曲のタイトルは「ウイスキーが、お好きでしょ」。
歌い出しの歌詞がそのまま曲のタイトルになった分かりやすいパターンです。
…というか、それ以外タイトルはないでしょ?ってくらいインパクトのある歌い出しなので、これがタイトルになっていることでより曲がすんなり入ってきますね。
さて、この「ウイスキーが、お好きでしょ」は、最初石川さゆりさんが歌ったものでした。
これ、ちょっと意外ですよね。
石川さゆりさんといえば、バリバリの演歌歌手。
代表曲の「津軽海峡・冬景色」なんか泣く子も黙る演歌の王道、スタンダードです。
その他にも「天城越え」や「夫婦善哉」など名だたる名曲の数々を歌い上げてきた演歌界の重鎮とも言えるべき女性歌手です。
そんな石川さゆりさんが「ウイスキーが、お好きでしょ」を最初に歌った方だなんて…
演歌と比較してみると「ウイスキーが、お好きでしょ」はアレンジにジャズの要素が入り、ムード歌謡的要素がふんだんに取り入れられています。
「歌謡」という括りでは現代のポップスよりは演歌に近い位置付けになるのかもしれませんが、それでも明らかに演歌とは一線を画した楽曲という印象を受けます。
CMには石川さゆりという表記が無かった
作詞は田口俊さん、作曲は杉真理さん、編曲斎藤ネコさんという今の大御所がまだバリバリ働いていた時の勢いが溢れる作品です。
このCMがテレビで流れていたのは1990~1991年という短い期間でした。
90年代初頭ということで日本経済はバブルの真っ只中。
景気の良い時代ですから、若者もお洒落なバーでウイスキーを傾ける…そんなリッチで大人な世界に憧れた時代です。
オーセンティックなバーのカウンターで独り、ウイスキーをロックでゆっくり飲む。
そしてその背景に「ウイスキーが、お好きでしょ」が流れている…
そんなシチュエーションに当時の男性は皆憧れていたのです。
しかし、サントリークレスト12年のCMには「ウイスキーが、お好きでしょ」は流れるものの石川さゆりの名前は出ず、「SONG BY SAYURI」という文字だけが表記されていました。
これは、一種のおふざけというかフェイクのようなもの。
演歌を歌うのは石川さゆり、そして歌謡の時は「SAYURI」…といった具合に敢えて名前の部分をローマ字表記にしていたのです。
1991年にシングルがリリースされたときも一貫して「SAYURI」名義でのリリースとなっていました。
石川さゆりと言えば、当時から演歌界を代表する女性歌手でした。
ですから彼女の名前を見たり聞いたりしただけで思わず演歌を想像してしまう方が多かったはずです。
そこで石川さゆりという文字を一切出さずにリリースすることで、演歌の香りを感じさせることなく、新鮮な聴き方が出来るように仕掛けたのです。
もちろんインパクトのあるこの曲は瞬く間に大ヒットし、カラオケの定番にもなり、リリースから25年以上経った今でもウイスキーファンから愛される国民的歌謡曲となりました。
様々なアーティストにカバーされています
そんな「ウイスキーが、お好きでしょ」は時代を超えて様々なアーティストにカバーされているカバーソングでもあります。
本物の名曲はアーティストによって語り継がれる、と言いますがまさしくその通り。
「ウイスキーが、お好きでしょ」をカバーした歴代の著名アーティストを見てみましょう!
GLIM SPANKY(グリムスパンキー)
2022年4月には「GLIM SPANKY(グリムスパンキー)」がカバーしました。
グリムらしい骨太なサウンドとハスキーボイスが、曲の妖艶な魅力を引き出しています。
竹内まりや
ゴスペラーズ
ハナレグミ
田島貴男(ORIGINAL LOVE)
桃井かおり
など。ほかにもEXILE ATSUSHI、折坂悠太さんなどが名を連ねています。
サントリークレスト12年のCMが終わってからはしばらく姿を隠していましたが、2007年に小雪さんが出演したサントリー「角瓶」のCMソングとしてリバイバル的に使用されることになりました。
そこでは石川さゆりさんのオリジナル楽曲は使用せず、今をときめくシンガー達がカバーしたものを敢えて使用することで若者からお父さん世代まで、幅広い年齢層の方が楽しめるCMとなりました。
今は出演が井川遥さんに変わりましたが、「ウイスキーが、お好きでしょ」は変わらず流れています。
大人の雰囲気漂う、聴いているだけでウイスキーが飲みたくなる楽曲。
そしてウイスキーがより美味しく感じられる楽曲です。
あなたも一曲、今夜ウイスキーのお供に如何ですか?