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ウシュクベを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

ウシュクベを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

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オーツカ

ざっくり覚える!

ウシュクベはスコットランドでつくられるブレンデッドウイスキー。

250年近い歴史を持ち、現存するウイスキーの中で最も古い歴史を持つブランドのひとつでもあります。

特徴的なのはそのモルト比率。通常のブレンデッドと比べ高く、60~80%という贅沢なレシピで作られています。
なお、グレーン原酒を配合しない、モルト原酒100%のブレンデッドモルトもリリースしています。

ビギナー、玄人問わず好まれるスタイルで、コストパフォーマンスが非常に高く、スタンダード品のリザーヴは4,000円を切る値段で購入できます。昨今はブームで手に入りにくくなりましたが、ウイスキーにハマりかけてる方には間違いなくおすすめの1本。

バーでもおうちでも是非飲んで頂きたいですね。

一般にはあまり知られていませんが「ウシュクベ」というブランド名はウイスキーの語源となるゲール語「Uisge-beatha(ウシュクベーハー)/命の水」からきています。

【ウイスキーの起源】とも取ることができるなんとも大胆不適なネーミングですが、その深く豊かなモルトの風味はウイスキーファンから高い評価を受けており、ブランド名に恥じぬ味わいとなっています。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

もともとシングルモルトだったウシュクベ。モルト比率が高く、加水しても腰が折れない玄人にも人気のウイスキーです。
そもそも1768年にシングルモルトとしてリリースが開始したというのだから驚きですわ。

【農場で働く麦わら帽を被った気のいいおじさんが、休憩中にウエハースをかじっている】

そんな素朴な雰囲気が漂うウイスキー。

果実感とか、フローラル感はほぼなし。だが、それがいい。

おすすめの飲み方は圧倒的ハイボール。
暖かくなってくる5月~猛暑長引く10月頃まで重宝するのがウシュクベソーダです。

早い時間からフラリと誘われたバーカウンター。一杯目に「ハイボールをください」と伝えた矢先、ウシュクベのオールドボトルなんかをバーテンダーが携えてきた日にゃ、その日眠りに落ちるまでハッピーです。

何か食べながらでもおいしくいただけますが、レモンなどは絞らないほうがよいでしょう。

しっかりとしたはちみつとシリアル、香ばしいモルト風味とアーシーなスモーキーフレーバーをお楽しみあれ。

使用されている原酒は不明なのですが、インチガワー、ベンリネス、クレイゲラキ、グレンゴイン、ダルユーイン、ブレアソール、オスロスク、タリバーディン、タムナヴーリン、ブルックラディなどの名前があがっているので、玄人の方が好みそうなハイランド中心の地味ウマ系です。

オールドボトルもしっかりモルティ。より土っぽいピートは飲みごたえも抜群です。

ただしストーンフラゴンは管理状態がよくないとヒネの出やすいタイプなので、状態管理がしっかりしているバーやリカーショップなど信頼のおける場所で飲むことをおすすめします。

ウシュクベの発祥と歴史

ウシュクベの歴史は深く現在より250年以上前まで遡ります。

1768年3月28日、ロス&キャメロン社からシングルモルトウイスキーとしてウシュクベはリリースされます。

1768年といえばアメリカ独立戦争の8年も前の話。フランス革命に至っては21年も先の話です。

ロス&キャメロン社のポスター

1890年頃のウイスキー広告:出典©ロス&キャメロン

1842年までロス&キャメロン社がシングルモルトとして製造を続けていました。

ウシュクベが正式に製品登録されたのは1876年。

それからしばらく家族経営が続きますが1926年、ウィリアムグリゴール&サンズに譲渡されました。

ここでシングルモルトから、ブレンデッドモルト(ヴァッテドモルト)ウイスキーにチェンジです。「ウシュクベ」という名前は変わらず、同じブランド名での再リリースでした。

当時はブレンデッドウイスキーが主流…というかウイスキー=ブレンデッドという考え方が常識でしたので、【シングルモルト】や【ヴァッテドモルト】といったマニアックなジャンルのウイスキーを売り込もうとした創業者はチャレンジャーですよね。

当時からモルトならではの味にこだわっていたのがうかがい知れます。

時は立ち、1969年にはアメリカのトゥェルブ・ストーン・フラゴンズ社のオーナー、スタンリー・スタンキヴィッツが商標権を買収。

同年、かの有名なウシュクベ(ストーンフラゴン)がアメリカでも販売されるようになります。

1973年、商機と見たスタンキヴィッツは莫大なロイヤリティを支払いブランドは完全に掌握、その際ブレンディングはダグラス・レイン社が受け持つようになります。

その後スタンキヴィッツは小売のチェーン展開をストップさせ、1974年には米国ブランドとして登録されることとなります。

1990年代になるとウシュクベの需要は急速に拡大。

増加に対応するため、ブレンディング契約をダグラス・レイン社から大量生産が可能なホワイト&マッカイ社へと切り替えました

2001年、スタンキヴィッツが2001年に亡くなるとレシピは新しいブレンダーに引き継がれます。

この時、グローバル戦略がうまくいかず、ウシュクベは一時生産を中止しています。

2005年、ニュージャージー州のコバルトブランド社がウシュクベのレシピと商標を取得。

満を持してダグラス・レイン社と再契約し2009年にウシュクベを再発売しました。

ウシュクベの豊かな風味は世界的に高く評価されており、1969年にはニクソン元大統領の就任祝賀会で提供され、1989年には米国ブッシュ大統領の就任祝賀会でもオールドレアが提供されています。

現在はウシュクベの製造と販売はコバルトブランズ社が行なっています。

ウシュクベの製法

ウシュクベリザーブをロック

歴史ある古代ハイランド地方の伝統と職人技に基づき、そのブレンディングを行っているウシュクベ。

ウシュクベのマスターブレンダーは厳選した蒸溜所のモルトウイスキーと、高品質のグレーンウイスキーを選出し、職人技、バランス、洗練にこだわりブレンディングしています。

当時からのクラフトワーク。まさにハイランドの歴史と伝統がウシュクベの品質を造っているといっても過言ではありません。

そしてそのレシピは門外不出。

これだけ情報がオープンになっている現代社会においても、ウシュクベのキーモルトやグレーン原酒の出所は非公開となっており、極秘とされています。

なので「ウシュクベには○○蒸溜所の原酒が使われているんじゃないかな〜」とパズルのピースを探すよう風味から推察するしかありません。

それもまた「ウシュクベ」というウイスキーの楽しみ方といえるかもしれませんね。

ロックグラスとウイスキー

ただし最高級品のブルーフラゴンにはキーモルトが多少ではありますが明記されており、そのラインナップは

  • インチガワー
  • ベンリネス
  • クレイゲラキ
  • グレンゴイン
  • ダルユーイン
  • ブレアソール
  • オスロスクetc…

としています。

いにしえのハイランド(今はスペイサイドなところも多いけど)のクラフト魂を感じるラインナップですね。

リリースから200年以上、当社のマスターブレンダー達はウシュクベのブレンドの秘密を固く守り抜きながら、世代を越え知恵を受け継いできました。

そして現在もトップクラスの職人一家がブレンディングしており、その秘密はしっかりと守られています。

ブレンディングレシピは謎ですが、ブレンディング後のマリッジに使用した樽は公開しているので気になった方は以下の商品ラインナップを見てみてください。

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ウシュクベの種類/ラインナップ

ウシュクベ リザーブ

こちらは現在販売されているウシュクベのスタンダードボトルです。

正規代理店がないからか、在庫が非常に不安定で、スタンダードにしてレアという不思議な立ち位置のボトル。

構成する原酒は

  • モルトウイスキー60%
  • グレーンウイスキー40%

という高モルト率で贅沢なバランス。

シングルモルトがよく飲まれるようになった昨今、愛飲家にはたまらない割合のブレンデッド。

熟成年数も、10年~18年熟成した25種類以上の原酒を合わせ、さらにシェリー樽で最低6か月の後熟を行いました。

インヴァー・ゴードン・ディスティラーズ社と深い関係にあるため、タリバーディンやタムナヴーリン、ブルックラディ(ブルイックラディ)などのモルトが中心に仕上げられているという噂もあります。

フラッグシップボトルでありながら実に深い味わいでリッチに仕上がる内容です。

香りはシェリー由来のレーズン、アセロラ、濃厚なハチミツ、インタスタントコーヒー、若干エステリーかつスパイシー。

口当たりはスムーズなミディアム・ボデイ。

味わいは爽やかでフルーティな洋ナシとシロップの甘み、ウエハースや麦芽クッキーの香ばしさ、後半にスモーク感があり、酸味と相まって少しベリーの様相がある。スパイシーで程よい長さの余韻。

スモーキー&スパイシーのバランスの良さが癖になるボトルです。

見つけたら確保しましょう!

ウシュクベ 15年 ブレンデッドモルト

こちらはヨーロピアンオークのシェリー樽で15年〜20年熟成されたモルト原酒のみを掛け合わせて作ったヴァッテド・モルトウイスキーです。

まるでシングルモルトかのような深く複雑なハーモニーを楽しめる極上のボトルです。

香りはアプリコット、熟したリンゴ、レーズン、麦芽ウエハース。少しビターチョコ、カカオ。

味わいはドライでほろ苦い口当たり。

レーズンや焼きリンゴの甘みが始めにきて、中間はカラメル、ウエハースの香ばしさ、後半にナツメグのようなスパイシーな風味が訪れます。

実に芳醇な味わい、余韻も長く甘みとスパイシーな風味がしばらく鼻腔に居座ります。

編集部にもファンの多い、バランスに富んだおいしいボトルです。

一飲の価値あり!

ウシュクベ リザーブ カスクプルーフ

日本市場限定でリリースされた「ウシュクベ カスクプルーフ」。

50度という高いアルコール度数でウシュクベの特徴であるモルトの甘みをたっぷりと味わえる仕様になっています。

クリーミーでやわらかく、味わいはスタンダードの方向性と同じですが、厚みがありあらゆる飲み方がおすすめできます。

ややツンとしたアルコールアタックから瑞々しい洋ナシ、はちみつをかけたトースト、スコーン。

シリアルの多いフルーツグラノーラ。シロップの甘みとクッキーの芳ばしさ。

ストレートやロック、水割り、ハイボールなんでも卒なくこなします。

邪道かもしれませんが、スッパムーチョとこいつのハイボールは格別な美味さと思っております。

ウシュクベ オールドレア ストーンフラゴン

選び抜かれた最長20年熟成(一説には25年以上)のモルト原酒41種類を使用し、少量のグレーン原酒とブレンドしたボトル。

モルト比率はなんと85%!

限りなくモルトウイスキーに近い存在のボトルです。

1969年から販売されている味わい深い陶器ボトル。
【フラゴン】とは「ふた・口付きの細口瓶、大口瓶」といった意味。

このアンティーク調なボトルデザインは、世界中のウイスキー愛好家やファンから高い評価を受けコレクターも存在しています。

香りはフローラルでややスパイシー。杉の木の香りと胡椒の後、洋ナシ、バニラクリームのアロマ。

口に含むとバニラ、少し粉っぽいカカオ、コーヒービーンズやカフェオレのスイート&ビター、松脂のようなスパイス感。

余韻は長く香ばしいウエハースとバニラの風味。

甘いだけでなく、上質で複雑な風味に仕上がっています。

ウシュクベ アン・アルド・リ・カスクストレングス ブルーフラゴン

「アルド・リ 」はゲール語で「崇高な王」という意味を持ちます。

ウシュクベ最高峰の味わい、デザインも相まってまさに「王の中の王」と言えるボトルです。

キーモルトが一部明らかにされており、10〜20年熟成のインチガワー、ベンリネス、クレイゲラキ、グレンゴイン、ダルユーイン、ブレアソール、オスロスクなど18種類のモルト原酒が使われているようです。

またグレーン原酒が使われていないモルトウイスキー(ヴァッテドモルト)となります。

シェリー樽で追熟、加水なしのカスクストレングスにてボトリングされています。

ひとつひとつの樽がマスターブレンダーの手によって選ばれ、樽の熟成ピークを見極めるため幾度も個別のテイスティングを重ねて造られました。

香りはトーストしたアーモンド、浅煎りのコーヒー豆、ダークチェリー、ライ麦パン。シェリー由来の香りが強いですが、フレッシュな洋ナシのようなアロマも。

口に含むとボディの厚さがあり、最初にアプリコット、洋梨の果実感が訪れ、続いてチョコレートキャンディ、ベリージャム、ウエハース、ラムレーズン、後半にシナモンのスパイスやナッツの香ばしさが続く濃厚な味わい。

見た目も味も贅沢で、まさに崇高な王にふさわしい風味です。

 

オーツカ

ウシュクベの名称はスコットランドが産んだ天才詩人、ロバート・バーンズの作品にも出てきます。

ロバート・バーンズは『蛍の光』の作者として日本でも有名ですね。

ロバート・バーンズ
オーツカ

彼の代表作「タム・オ・シャンター」には

“Wi Usquaebach we’ll face the de’il”(ウシュクベさえあれば悪魔なんかへっちゃらさ)

という一文が記されています。

ウシュクベのバックラベルにもロバート・バーンズの肖像画とともにこの一文が明記されており、スコッチウイスキーの代名詞としてイギリスでは一般的に使われています。




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