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ザ・グレンリベットを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

ザ・グレンリベットを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

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オーツカ

ざっくり覚える!

発祥はなんと1774年。「すべてのシングルモルトはここから始まった」という謳い文句でも知られ、日本のスーパーでもよく見かけるウイスキーです。スコッチの聖地であるスペイサイド地方でつくられるウイスキーで、グレンフィディックに継ぎ、世界で2番目に売れているシングルモルトです。

グレンリベット蒸溜所はフランスのペルノ・リカール社が所有しており、熟成された原酒はシングルモルトの「ザ・グレンリベット」として出荷されるほか、シーバス・リーガルやロイヤル・サルートなどブレンデッドウイスキーのキーモルトとして使用されています。

12年はシングルモルト入門用にぴったりな品質と価格で、15年、18年と飲むことで「熟成とは何か」がわかると思います。その後カスクストレングス仕様のナデューラシリーズや限定シリーズのコードやイリシット・スティルを体験してみるとよいでしょう。

まとめて試飲できる!オリジナルのグレンリベットンセット

オーツカ
まずはオリジナルセットの紹介させてください!

グレンリベット3種をまとめて試飲

グレンリベットセット

グレンリベットを少しずつ楽しみたい!と思った方に朗報!

30mlセットと100mlセットをつくりました。少しずつ飲み比べて、グレンリベットのボトルの違いを確かめてください。

  • ザ・グレンリベット 12年 (40度)
  • ザ・グレンリベット ナデューラ オロロソ (約61度)
  • ザ・グレンリベット 18年 (43度)

かなり差を感じられるセットにしましたので、この機会にぜひスコットランド最古の蒸溜所の奥深さを感じてください。

 

グレンリベットの発祥と製造場所、歴史の紹介

スコットランド北部、50を超える蒸溜所がひしめきあう聖地スペイサイドエリア。
その南部、スペイ川の上流方面へと進んだところにザ・グレンリベット蒸溜所は位置します。

その発祥は1774年までさかのぼります。

当時、スコットランドはお酒の販売に関して、非常に重い税金が課せられていました。
ただでさえ多いウイスキー密造業者が増加し、政府はその取り締まりに手を焼いていました。

スペイサイドの上流側、グレンリベット(ゲール語で「静かな谷」)と呼ばれる人里離れたエリアは、良質な水と豊富なピート、涼やかな気温に恵まれており、数百の密造所があるといわれる密造酒づくりの一大拠点でした。

農夫であったアンドリュー・スミスもこのエリアの、アッパー・ドラミン農場内で、農家の傍ら蒸溜業を開始します。

1817年にアンドリューの息子ジョージ・スミスは、父の跡を継ぎ、傑出したウイスキーづくりの才能を開花させます。

1822年には、その評判を聞きつけた当時の国王ジョージ四世が、法律的には密造酒であったにも関わらず、そのウイスキーの味わいを絶賛。

ジョージは「国の認定を受ければ、堂々とウイスキーづくりを生業にできるのではないか」と思い始めます。

そして翌年、1823年には酒税法が改正され、新蒸溜所法が施行されると、これをチャンスと見たジョージは密造業からいち早く脱却し、国が設けた様々な基準をクリアし、ライセンスを取得。

1824年、ついに政府公認の蒸溜所を作り上げたのです。

政府公認の証書

スペイサイドはもちろん、スコットランドで新法下における認可第1号の蒸溜所ということになったのです。

しかしいち早く政府の公認を受けたということで、他の密造業者からは「裏切者」と冷ややかな目で見られる側面がありました。

実際にジョージ・スミスは何度か身に危険が迫ったことがあったそうで、息子から護身用として2丁の拳銃を持たされていたそうです。

これをきっかけに、他の密造業者たちも政府に許可を貰って蒸溜所を運営するようになっていきます。

ザ・グレンリベット蒸溜所に展示されているピストル

1853年にはバランタインの記事でも登場したアンドリュー・アッシャー(Jr)と共に、数種のモルト同士を混ぜ合わせた「Old Vatted Glenlivet(通称O.V.G.)」を発売。

1858年にアッパー・ドラミン蒸溜所が焼失しますが、すぐにリベット谷の上部のミンモア農場を購入し。同地に蒸溜所建設の許可を得ます。設備を新蒸溜所に移送し、ザ・グレンリベット蒸溜所(The Glenlivet Distillery)と命名しました。

スコットランド初の政府公認蒸溜所としたザ・グレンリベットは、O.V.G.をはじめ、クオリティの高いウイスキーを次々と世に送り出します。

その為、「グレンリベット」という銘柄にあやかろうとする蒸溜所がスペイサイド地方で続出します。1870年代には勝手に「グレンリベット」を名乗る蒸溜所数は18にのぼったと言います。

しかし2代目創業者ゴードン・スミスは、当然のことながら商標は自分たちにあると主張。
他の”Glenlivet”を排除すべく裁判所へ提訴し、1884年の判決で定冠詞付きの”The Glenlivet”の独占使用権を獲得します。
つまり、他の銘柄と一線を画す為に商品名に「THE」を付け加えて「ザ・グレンリベット」と改名したのです。

しかし、”Glenlivet”が地名だったこと、すでに「Dailuaine-Glenlivet」や「Aberlour-Glenlivet」、「Macallan-Glenlivet」といった”●●● – Glenlivet”という蒸溜所名が存在していたということで、以後26ヶ所もの「ハイフン付きグレンリベット」蒸溜所が誕生することになりました。

現在はこういった名称はなくなりましたが、当時グレンリベットのウイスキーがどれだけ人気だったかわかるエピソードですね。

1871年にジョージ・スミスが亡くなると、息子のゴードンがその跡を継ぎ、長くスミス家が運営に当たります。

1965年には閉鎖されていたベンリアック蒸溜所を買収、操業を再開。

その後1978年ついにスミス家の運営を離れ、カナダのシーグラム社に買収されます。一時期はシーバスブラザーズ社が実際の生産を行うようになります。2001年にはペルノ・リカール社が買収。

新たな指針を設け、同じスペイサイドで世界最大の売り上げを誇るシングルモルト、グレンフィディックに対抗するため、2009年、2010年と次々とポットスチルを増設。

昨今はコニャックカスクなど新たな樽熟成にも力を入れたり、ノン・チルフィルタードの高アルコール度商品を発表したりと、意欲的なリリースを続けています。

グレンリベットの製法(作り方)

ザ・グレンリベットのこだわりはスペイ川の水を使わず、蒸溜所の敷地内から湧き出るジョシーズ・ウェルの泉(通称:ジョージーの湧水)を使用していること。

この水は地下約200mの水脈を源泉とし、ミネラル分を豊富に含む硬水。

また水温も通年して一定(5~8℃)している為、ウイスキー作りに非常に適した水となります。

この豊富なミネラル分が糖化の際に大麦から多くの糖分を抽出し、ザ・グレンリベット特有のフルーティな風味を香りづけすると言われています。

まさに名水の地に銘酒あり、です。

グレンリベットのポットスチル

使用するポットスチルはランタンのような長く細い首を持った単式蒸溜タイプのもの。

このポットスチルの独特の形状もザ・グレンリベットのすっきりとした味わいに関係していると言われています。

これまでウォッシュ・スチル(初溜釜)4基、スピリット・スチル(再溜釜)4基の体制でしたが、2010年6月5日に第2の蒸溜棟が建設され、初溜、再溜釜計14基に。年間生産量は1,050万リットルまで増えました。

2018年夏には第3の蒸溜棟が完成し、ポットスチルは計28基になり、年間2,100万リットルに。
この生産量はスコットランドのモルトウイスキー全蒸溜所の中で最大規模となりました。

マッカランの最大生産量規模が1,500万リットルであることを踏まえると、どれほど大きな規模か想像がつくかもしれません。全世界でグレンリベットは毎秒41本が売れています。

そしてウイスキーに欠かせない原材料の大麦は、マレーのポートゴードン村にあるクリスプ・モルトハウスのもの使用。

グレンリベットの貯蔵庫

熟成に使用する樽の殆はアメリカンオークのバーボン樽ですが、一部ではヨーロピアンオークのシェリー樽やポート樽なども使われています。

製造~熟成に至るまで徹底した管理下で作られたザ・グレンリベットは豊かな香り、甘み、スムース感、フルーティ感、樽香、全てにおいてバランスが良く、それでいて飽きのこないウイスキーに仕上がっています。

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ウイスキー「ザ・グレンリベット」のラインナップ

オーツカ
まず、僕が現在販売中である『ザ・グレンリベット』のラインナップ、及び過去販売されていたボトルなどをご紹介していきます。

既に終売してしまった銘柄、原酒不足のため休売してしまった銘柄なども随時更新する予定です。

過去のものでも個性や特徴は引き継いでいるものが多いので、参考になさってください。

ザ・グレンリベット12年

この色、この形、ザ・グレンリべットのレギュラーボトルと言われる12年。

セカンドフィル以降のアメリカンオーク・バーボン樽で最低12年以上熟成させたモルト原種同士をヴァッティングしたボトル。

香りは洋ナシ、青りんご、レモン。中盤からバニラ、オレンジ、シトラス。れんげの花のような印象も。

口に含むと全体的に甘みが支配しますが、後から青リンゴや洋ナシ、レモンのような爽やかでフルーティーな香りが鼻口を駆け抜けます。

ライトボディで甘く、なめらかな口当たり。スペイサイド特有の蜂蜜のような華やかな風味もしっかりと感じ取ることができるボトルです。

スムースな飲み口、万人受けする味わいはシングルモルトの入門編とも言える1本です。

ザ・グレンリベット15年 フレンチオーク・リザーブ

アメリカンオークのバーボン樽とヨーロピアンオークのシェリー樽。

この2種類の樽で最低15年以上熟成させたモルト原種をヴァッティングし、そこさら更にフレンチ・オーク(リムーザン・オーク)の新樽に入れて後熟させたボトルです。

後熟成に使われた樽材、リムーザン・オークはフランスのドルドーニュ地方に生息しており、一般的にはコニャックの熟成に使われます。

木の繊維密度が低く、樽材に原種が染み込みやすい為、スピーディに樽成分を抽出できます。

まさに後熟に適した材質と言うわけです。

元来のフルーティさに、シェリー樽由来のドライフルーツ感、そしてリムーザン・オークの新樽からくるスパイシーさが特徴的な味わいです。

ザ・グレンリベット18年

  • ファーストフィルのアメリカンオーク・バーボン樽
  • セカンドフィルのアメリカンオーク・バーボン樽
  • ヨーロピアンオークのシェリー樽

上記3つの樽で最低18年以上熟成させた原酒同士をヴァッティングして作られたボトル。

酒齢18年という長期熟成から来る樽の香り、シェリー樽由来のレーズン、ドライフルーツ。

ファーストフィル、セカンドフィルのバーボン樽からくるフルーティーな南国フレーバー。ヨーロピアンオークはそこに香ばしさを与えます。

ザ・グレンリベット特有の完熟した洋ナシやリンゴの爽やかな香り、刺激の少ないややビターでオレンジピールを感じる味わい。

ボディはしっかりとしていますが、スムース。甘みがあり、白桃のような爽やかでリッチなフルーティーさ感じます。

後半はビターでスパイシー。余韻も長めで、上品にまとまったバランスの良い一本です。

ザ・グレンリベット アーカイブ21年

アメリカンオークのバーボン樽、ヨーロピアンオークのシェリー樽で21年以上熟成させたモルト原酒をヴァッティングして作られたボトルです。

使われている樽は2種類のみとなりますが、使用する樽は樽職人が状態を厳しくチェックし、選定したもの。

シェリー樽原酒からのドライフルーツの香り、シナモンやジンジャーなど味わい、そしてフィニッシュにはナッツ、レーズン、トフィーが強く感じられる濃厚で奥深い味わいのボトル。

長期熟成されたザ・グレンリベットのリッチなウッディさと、長い余韻を楽しみたい方は是非。

ザ・グレンリベット25年

ヨーロピアンオークのオロロソ・シェリー樽で最低25年以上熟成させたモルト原酒のみを使用して作られた逸品です。

熟成樽は職人が状態や香りを確認し、厳選されたものだけが使われます。

他のラインナップで必ず使われているアメリカンオークのバーボン樽を使用せず、ヨーロピアンオークのオロロソ・シェリー樽のみを使用していることからシリーズの他のボトルとは一線を画した嗜好性の高いボトルになります。

色合いは鮮やかな琥珀色、香りはカカオ、濃厚なレーズン。

味わいは全体的にシルキーで上品な甘みが支配しますが、若干シナモンスパイスも感じられます。

そして後から突き上げる長期熟成のウッディな余韻。

正に極上とも言えるべき贅沢なボトルです。

ザ・グレンリベット ファウンダーズ リザーブ

経年のアメリカンオーク・バーボン樽、ファーストフィルのアメリカンオーク・バーボン樽の2つの樽で熟成させたモルト原酒をヴァッティングして作られたボトルです。

これまでザ・グレンリベットではファーストフィルのバーボン樽が使われることはありませんでした。

しかしそれをあえて使用することにより、強い甘みとバニラ感、そして元来のシトラス、フルーティ感を同居させることに成功しました。

アルコール度数は40度、ノンエイジですがアルコールの刺激はほとんど無くスムースで柔らかい飲み口の一本です。

ザ・グレンリベット コード

こちらは熟成年数や熟成樽の種類、テイスティングノートなど、味わいに関する情報が一切非公開で発売されるグレンフィディックの人気コンテンツ「ミステリアスシリーズ」の第3弾となるボトル。

2013年「ザ・グレンリベット アルファ」
2016年「ザ・グレンリベット サイファー」

そして

2018年 「ザ・グレンリベット コード」

という流れのリリースです。

「情報に左右されず、感覚を研ぎ澄ませながらウイスキーの持つ多重なフレーバーやアロマを感じ、味わいの謎を解き明かしてもらう」というシリーズのコンセプト。

ボトル内のウイスキーの色が見えないようマットブラックで施されたボトルには、味わいの謎を解く鍵となる暗号(CODE)が隠されたグラフィックデザインが施されています。

「コード」は、イギリスの有名な暗号解読者からインスピレーションを受けたネーミングです。

香りはいっぱいのバニラの奥にかすかにフローラルな桃、カラメル。

味わいはドライでジンジャー、シナモンなどのスパイスが先に来てから、追いかけるようにかすかにバナナ、鼻腔に残るチェリー。

グレンリベットのシリーズ中でもパンチの効いた味わいのボトルです。

ザ・グレンリベット マスターディスティラーズリザーブ

2012年にリリースされた1000ml入りの免税向けボトル。

  • ヨーロピアンオークのシェリー樽
  • ファーストフィルのアメリカンオーク樽
  • リフィルのアメリカンオークホグスヘッド樽

上記3種類の樽で熟成された原酒をヴァッティングして作られました。

かなりクラシックな印象で、ココナッツ、ローズなどの甘ったるい香りがします。シェリー樽を使っていますが、そこまでスパイシーとは思いませんでした。

ザ・グレンリベット キャプテンズリザーブ

2018年に免税市場向けに限定されたグレンリベット蒸溜所初となるコニャックカスクフィニッシュ。

樽種はバーボン樽とシェリー樽にて熟成されたウイスキーを、コニャック樽(フレンチリムーザンオーク樽)で6か月以上フィニッシュ。

ザ・グレンリベットのような大手がコニャック樽を用いる事は珍しいので、一石を投じたなと感じました。

香りは砂糖菓子、マーマレード、カルダモンティー。中盤からはレーズン、ブドウ、青りんご、アプリコット、蜂蜜、オランジェット、革製品、クルミ、生姜っぽい返り。

口に含んだ味わいは、リンゴ、ブドウ、クランベリー、プルーン、レーズンなど、たくさんのフルーツと砂糖菓子。黒胡椒、乾燥イチジク、シナモン、オールスパイス、ゴム、さらにはミルクチョコレート、ホワイトチョコレートの甘さがあります。

余韻や鼻抜けに感じる香りは、長めでスパイシー、乾いた樽、温かいスパイス、白胡椒。

ちなみに商品名の「キャプテンズ リザーブ」はグレンリベット蒸溜所の創設者ジョージ・スミスの曽孫のビル・スミス・グラントにちなんだもの。
彼は、第一次世界大戦まで従軍しており、最終階級が大尉(キャプテン)でした。

ザ・グレンリベット 14年 コニャックカスク・セレクション

米国限定品として人気を博していた商品で、日本では2020年12月に販売されました。

バーボン樽、シェリー樽でそれぞれ14年以上熟成した原酒をブレンドし、一部をコニャック樽で6か月以上後熟しています。

ひとつ前で紹介したキャプテンズリザーブで、コニャック樽との相性の良さを確信したか、「ザ・グレンリベット」本来のスムースでフルーティーな味わいに、熟したレーズンやハチミツ、スパイシーな香りがバランスよく調和しています。

香りはかなりナッティです。青りんごのフルーティーさ、モルト、キャラメル、メープルシロップ、バニラの甘さとクルミのこうばしさ。

口に含んだ味わいは、ブドウ、モルト、焦げ、青りんご、レーズン、チョコレート 余韻や鼻抜けに感じる香りは、中程度の長さにブランデー感。
蜂蜜、レーズン、タンニン、レモン、モルト、ややグラッシーで草っぽい。

スムースですが複雑な味わいで14年以上の熟成感を感じます。

ザ・グレンリベット トリプルカスクマチュア―ド ディスティラーズリザーブ

革新的な樽使いによって生み出される、複雑なフレーバーの融合を堪能できるディスティラーズリザーブコレクション。

3種類の樽が用いられたこちらのトリプルカスクは、2019年5月28日にボトリングされ、免税店限定でリリースされました。

使われた樽種は、アメリカンホワイトオーク、ヨーロピアンオーク、そしてシェリー樽です。

香りは、洋梨、青りんご、バタースコッチ、シナモン、ドライフルーツ、磨いた家具、土。

口に含んだ味わいは、バニラ、青りんご、洋梨、蜂蜜、シロップ、サルタナレーズン。
クローブ、シナモン、オールスパイスなどの香辛料。後半はオレンジ、小麦、コーヒー、黒糖、アーモンド、焼いたパンのようなビターさ。

鼻抜けに感じる香りは、黒胡椒、洋梨、青りんご、ヘーゼルナッツ、そしてグラッシーで草っぽい余韻。

あまり扱っているBarを見かけませんが、チグハグな感じもせず、非常に優秀でリーズナブルな作品だと思いました。

ザ・グレンリベット 12年 ライセンスド・ドラム

ファーストフィルのバーボン樽と、ファーストフィル・ヨーロピアンオーク樽の2種類の樽を使用してリベットのフルーティさを強調した作風になっています。樽のせいか価格設定もやや高めです。

香りはフロランタン、キャラメルとヘーゼルナッツ、はちみつ。キャラメリゼされたりんご。
味わいはかなりバニラが強く、やや油分がある。シナモンの効いたピーチパイ。アーモンドタルト。
シェリー樽での熟成感は薄く、バーボンウイスキーっぽさがありますね。
余韻は長く、やや渋みを感じる。イリシットスティルよりも伸びがある。

加水するとよりバニラを感じ、バーボンっぽいアロマに振れます。

イリシットスティルよりも木質感があるので好みは分かれると思いますが、しっかり個性の出たリベットだと思います。

ナデューラ シリーズ

ナデューラ(NÀDURRA)とは、ゲール語で“自然”や“自然な〜”という意味を持ちます。

英語で言うところのナチュラルと同様の言葉です。

ザ・グレンリベットのナデューラは、創業当時から引き継がれる伝統的な製法で熟成樽のキャラクターを最大限に引き出し、ウイスキー本来の自然な味わいにこだわったシリーズとなります。

そのままの味わいにこだわり、カスクストレングスでボトリングされたラインナップ。

ザ・グレンリベット ナデューラ オロロソ

スペインのヘレス地方で作られたファーストフィルのオロロソシェリー樽で熟成されたボトル。

ノンエイジですが小さめの樽を使用しているので熟成年数が短くとも樽の風味が強く反映されています。

ザ・グレンリベット元来の甘み、フルーティさと、オロロソシェリー樽によるシナモンやリコリスのスパイス感じさせる香味が同居したボトルです。

アルコール度数60.7%、カスクストレングスとなります。

ややアルコール感が強いですが、ザ・グレンリベットをより濃厚に楽しみたい方にはうってつけです。

ザ・グレンリベット ナデューラ ピーテッド

ピート香が強いアイラ系のウイスキーを一度熟成させ、その古樽を使用して後熟させたボトル。

かつてザ・グレンリベット蒸溜所ではピートを焚いていたことから、それを想起させるかのような商品です。

焼きリンゴやバニラトフィーの甘み、ザ・グレンリベットならではのフルーティさが居合せ、更にスモーキーな余韻を楽しめる複雑な味わいの一本です。

ノンチルのなめらかな口当たりにソフトに燻煙香が乗ってくる、変わり種のザ・グレンリベット。

アルコール度数は約60度、カスクストレングスタイプと加水した48度のものが存在します。

ザ・グレンリベット ナデューラ ファーストフィルセレクション

こちらは熟成樽にファーストフィルのアメリカンホワイトオーク樽を使用したボトル。

この樽は19世紀の創業以来ザ・グレンリベット蒸溜所で好まれて使われており、芳醇でクリーミーなバニラの風味、西洋ナシ、青リンゴのニュアンスを作り出します。

ザ・グレンリベットのバニラファッジや洋ナシの香りはもちろん、パイナップルような南国感と柑橘系の酸が漂うトロピカルな味わいが楽しめます。

こちらもノンチル、アルコール55〜65度、カスクストレングスとなります。

アルコール度数は高いですが、アルコールからの刺激はなく、ストレートでも十分楽しめるボトルです。

ザ・グレンリベットとグレンフィディックの味やつくりの違い

多くの人が混同しがちなザ・グレンリベットとグレンフィディック
ボトルも名前も似ていますし、ウイスキービギナーにはわかりにくいことでしょう。

両者はどう違うのか。ちょっと解説してみたいと思います。

どちらもスコットランドで作られるスコッチウイスキーですが、違いを表でざっくり書くとこんな感じです。

名称ザ・グレンリベットグレンフィディック
ザ・グレンリベット12年
地域スコットランド
スペイサイド地方
リベット地区
スコットランド
スペイサイド地方
ダフタウン地区
麦芽供給会社Boortmalt複数
フェノール値1ppm未満5ppm未満
仕込み水中硬水(ジョシーズウェル)軟水(ロビーデュースプリング)
糖化槽12t、直径9.5m、ブリッグズ社、鋼製12t、セミロイター、オニオン・ランタン式
発酵槽59,100L×16槽50,000L×32槽
発酵時間54時間60時間
酵母Mauri liquideLiquid yeast
蒸溜器28基28基
熱源間接加熱 間接加熱と直接加熱を併用
冷却装置シェル&チューブシェル&チューブ
ニューポット68~70%70.5%
年間生産量2,100万L2,100万L
ボトルの形状円筒三角形

味わいの違い

どちらもスペイサイドモルトらしいフルーティーな味わいですが、より爽快感があるのがザ・グレンリベット、飲みごたえがあるのがグレンフィディックといったところでしょうか。

ザ・グレンリベットはレモン、ライム、蜂蜜の味わいが強く、新しいものほどフローラルで爽快です。
古いボトルはシェリー樽の要素が濃厚で、少しスモーキーさが感じられます。

グレンフィディックは洋梨、リンゴなどの果実味が強く、そして麦芽風味(=モルティ)があります。
新しいものほど軽やか(ライト) 、古いものほど大麦由来の香りや味わいが強い。
1930年代、1960年代は石鹸や入浴剤などに感じられるパフュ―ミーな香味が感じられます。

ザ・グレンリベットもグレンフィディックも、時代によって原料、作り方、木材の性質、ブレンドの仕方がかなり異なります。物によっては樽の個性を継承したシングルカスクや、企画もののブレンドレシピがあり、一概には言えませんが、上記をだいたいの目安としてまずは飲んでみましょう!

そう、文字だけじゃなく、舌で楽しまないとね!

場所と水の違い

作られる場所や使われている水についても少し触れておきましょう。

まず場所。
ザ・グレンリベットとグレンフィディックが作られるのは、スコットランド北東のスぺイ川流域(*スペイサイドモルトと呼ばれます)ですが、それぞれ地区が微妙に異なります。
ザ・グレンリベット蒸溜所はスペイサイドでも南西に位置するスぺイ川の支流であるリベット川の流域にあります。
グレンフィディック蒸溜所はそこから距離にして22キロほど離れた場所、スペイサイドでも南東に位置するダフタウン地区にあります。

ワインでは畑の違いがよく挙げられるように、隣接した畑でも味わいが異なります。同様に、同じスコットランドのスペイサイド地区で作られていても、わずか22㎞離れた距離にある蒸溜所では、同じ製法であったとしても同じ味わいはでないと考えられています。

次に水。
ザ・グレンリベット蒸溜所がミネラルの含有量の多い中硬水で作られているのに対し、 グレンフィディック蒸溜所がミネラル含有量の少ない軟水で作られています。

これは日本酒を例に出すとわかりやすいかもしれません。

「伏見の女酒、灘の男酒」という言葉があります。
どちらかというと優しい味わいの女酒「伏見」は軟水で作られているのに対し、 コクのある男酒「灘」は硬水でつくられているのです。それは、ウイスキーの世界でも同様に働きます。 ウイスキーも水の違いが、味わいの違いに繋がっているのです。

作り手は蒸溜所の個性を出すために、水を変え、大麦の品種を変え、酵母の種類を変え、発酵する際の容器を変え、蒸溜機の形や材質を変え、樽の種類を変え、試行錯誤しています。様々な知見と工夫によって蒸溜所ごと、果ては銘柄それぞれの味わいを特徴づけているのです。

グレンリベットのおすすめの飲み方

オーツカ
では最後に編集部のオーツカがおすすめの飲み方をまとめます

リカーショップだけでなくスーパーマーケットでも見かけることの多い商品です。

軽快で上品、はちみつにシトラス、すり下ろしたりんご、少々のオレンジビターをアクセントにマイルドな飲み心地。まさに「飲みやすいスコッチ」の金字塔ザ・グレンリベット。

おすすめの飲み方は、新ラベルになって以降はハイボール、もしくはロックのほうがバランスがとれるようになりました。
フルーツ香が爽やかに感じられ、スモーキーフレーバーもないことから、万国共通に愛される個性。ウイスキービギナーにもおすすめです。

もちろんストレートでもおいしいですが、ライトボディで、酸味やクセも少ないのでスイスイ進みすぎるかもしれません。

15年、18年と熟成年数が増えるとよりクリーミーでオーキーに。花の蜜やキャンディを感じさせる甘美なフレーバーを楽しめます。

しかし、過去のグレンリベットはもっとウッディでオレンジ風味が強く、湿った土のような内陸系ピートを含んでいました。

オールドボトルには様々な変遷があり、1970年代以前の流通品、通称「赤玉リベット」、1970年代後半の「アザミリベット」、その後の「Unblended all malt表記(アンブレリベット)」、1980年代後半に表記が変わった「Pure malt表記(ピュアモルトリベット)」などがあります。

時代が経過するごと【シェリーが強く、ピートアリ→スッキリ爽快フルーティ】へ変化するので、少し昔のグレンリベットを飲んでみて、その味わいの変遷を感じて回るのも一興です。

グレンリベットの過去ボトルについてはこちらで詳しく書いています。

ナデューラやコードといったシリーズも非常に人気なので、バーやリカーショップで見かけた際はぜひ体験していただきたいです。

資本がしっかりしており、人気の高い蒸溜所なので、伝説級の原酒も多く残されています。
1990年にはゴードン&マクファイル社が1940年蒸溜の「ザ・グレンリベット50年」などをリリースしています。

1940年蒸溜ですので、大戦中です。色々なものが不足していました。
近代燃料が乏しい時代ゆえのピートフレーバー(海のピートから感じる薬品香ではなく内陸系のコケや土のようなピート)がオレンジ・キャラメル風味に溶け込む珠玉の逸品です。まぁ価格も伝説級ですが。

シングルモルトウイスキーの原点とされる「ザ・グレンリベット」を飲み尽くすまでには時間がかかりそうですね。




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