まとめて試飲できる!オリジナルのシングルトンセット
シングルトン3種を飲みつくすスペシャルセット
現在販売されているシングルトンをまとめて飲んでみたい!という方へ特別セットをつくりました。
国内でのシングルトンシリーズのリリースは多くなく、結構レアものなのです。というかすぐ休売になったり終売になったりします。
- シングルトン オブ グレンオード (40度)
- シングルトン オブ ダフタウン (40度)
- シングルトン オブ グレンダラン (40度)
まだ残っているうちに30mlずつ試してみませんか?
おすすめの飲み方・飲み進め方
2018年までシングルトンはグレンオード蒸溜所で製造されたものが国内販売されていましたが、2018年9月4日から日本ではダフタウン蒸溜所のものに切り替えて発売を開始しましたね。
現行品はダフタウンをメインに飲み進め方を書きます。
既存のダフタウン12年はフレッシュなリンゴや乾いた草、クルミなどを香り。口当たりはかなりオイリーで麦や穀物の甘さがあります。バニラレーズンクッキーサンド。
ブレンデッドウイスキー「ベル」に使われているので、合わせて飲むとその特徴が捉えやすいかもしれません。
全体的に明るくマイルドなので、ストレートで飲むのがおすすめです。
炭酸で割るとスモーキーさが立ち上がってくるので、ティーチャーズハイボールの上に少しフローとして、スーパーハイボールにしても良いと思います。
ロックにするとなんとなくバラけてまとまりがなくなってしまう感じなのでやめましょう。
バーなどでは初代のシングルトンや、終売した花と動物シリーズのダフタウン15年が飲めることはあると思います。
花と動物シリーズのダフタウン15年は白い花の蜜をしぼった香水のような上品な香りと、焦がしたクッキーのような味わいが印象的なボトルでとても美味しかったです。
ちなみに、ディアジオスペシャルリリースで販売されている、「グレンオード」の14年、18年、19年などは非常にレベルが高いです。
グレンモーレンジィなどがお好きな方は購入して損なし。
中庸な優しいお酒ではありますが、少し飲み疲れてるなと思った時や、ふと騒がしい毎日から離れて癒されたいと思った時などに飲むと、はっとさせられる美味しいウイスキーです。
シングルトンの特徴と種類(蒸溜所)の違い
シングルトンは、世界的酒造メーカーのディアジオ社が手がけるシングルモルトウイスキーで、日本ではディアジオジャパン株式会社が一部商品を販売しています。
シングルトンの特徴は、【蒸溜所がいくつか存在する】ということです。
「シングルモルトなのに作られている蒸溜所が複数あるのっておかしくない?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、これは複数の蒸溜所が「シングルトン」という同じブランド名のシングルモルトを販売しているからなのです。
近年は以下の3つの蒸溜所で作られています。
- ダフタウン蒸溜所
- グレンオード蒸溜所
- グレンダラン蒸溜所
数あるウイスキーの中でボトル名と蒸溜所名が同一でないウイスキーは幾つか存在しますが、シングルトンのように違う蒸溜所から同一の名前でボトルをリリースしているのは極めて異例です。
ではなぜこういったことが起こり得るのか…!?
その答えはシングルトンはスコッチ業界最大手のディアジオ社が手がけているからです。
ディアジオ社はスコットランドで最も多くの蒸留所を所有しており、その中にはダフタウン、グレンオード、グレンダランも含まれます。
つまり自社で所有する幾つかの蒸溜所から、同じ名前のブランドでシングルモルトを売り出しているということです。
オフィシャルでありながらボトラーズに限りなく近いブランドだということですね。
ちなみに現在のラインナップでは
- グレンオード→アジア向け
- ダフタウン→欧州向け
- グレンダラン(グレンデュラン)→アメリカ向け
というように蒸溜所ごとにエリアを絞ったマーケティングを行っています。
シングルトンが作られる蒸溜所歴史・製法の紹介
ダフタウン蒸溜所
日本では「シングルトン・ダフタウン」の名で販売されている、こちらが有名かと思います。
もともとはヨーロッパの免税店向け生産されていましたが、日本でも販売されるようになりました。
ダフタウンの創立は1896年、当時リバプールに住む投資家達によって建てられました。
建物は以前食料工場だったものを改装し作られましたそうです。
1933年にアーサー・ベル&サンズ社に買収、以降生産量の98%がブレンデッドウイスキー「ベル」のキーモルトとして使われるようになります。
ダフタウンはグレンフィディック蒸溜所を擁する「ウイリアム・グラント&サンズ社」の拠点ということもあってスコッチ界では非常な街の名前です。
しかしその街の名を冠したこの蒸溜所は世界的にそれほど知名度が高くありません。
この理由は、ダフタウンで作られる原酒のうち98%がブレンデッド用に出荷されており、シングルモルトとしてはほとんど出回っていなかったからです。
現在の生産量は年間360万リットルですがシングルモルトの生産量は今も全体の2%程度となります。
豊かな土壌・良質な水源が得られるスペイサイドの土地で、何世代にも渡り受け継がれてきた伝統的な製法とクラフトマンシップ。
ダフタウン蒸溜所では今もなお良質なウイスキーが作り続けられています。
時間をかけた蒸溜工程を経て作られた原酒は、ヨーロピアンオークのシェリー樽、バーボン樽に詰められ熟成されます。
ちなみに以前は「ダフタウン・グレンリベット」という10年熟成ボトル、「花と動物シリーズ」の15年熟成ボトルがリリースされていました。
グレンオード蒸溜所
2006年にシングルモルトとしてリリースした「シングルトン グレンオード12年」が世界中で高い評価を受け、シングルモルトとしての販売にも注力しはじめたグレンオード。特に需要が高かったのはアジア市場だったそうで、以降アジア向けにマーケティングされるようになりました。
グレンオード蒸溜所は、大麦の主産地であるブラックアイル半島の付け根に位置し、創立は1838年という非常に長い歴史、その中で培った伝統を持つ蒸溜所です。
そのため創業当時からある19世紀建築の建物が今も多く残されています。
蒸溜所敷地内には自社の製麦所も併設され、グレンオードのほかにタリスカーやクライヌリッシュにも麦芽を提供しています。
使用する大麦はコンチェルトやオプティック、ベルグレイビアなどの種類でノンピートのものを主に使用しています。
蒸溜所のそばには1960年代からディアジオ社が所有する蒸溜所へモルトを供給している製麦工場があります。
製麦工場があること、そして第一級のビジターセンターがあることがグレンオードが誇るポイントといえるでしょう。
マッシュタンは2つあり、1つは昔からあるものでもう1つは近年改装時に設置されたものです。
ともに1バッチ12.5tで1度に56,000リットルの麦汁を抽出できます。
ウォッシュバックは全てオレゴンパイン製で8基が古くからあるもの、14基が改装時に新しく設置したものです。
使用する酵母はケリーとマウリのリキッドイースト、約75時間発酵させアルコール度数7〜8%のもろみができあがります。
蒸溜器のあるスチルハウスは新旧2つに分かれており、
- 古いハウスに初溜・再溜各3基(計6基)
- 新しいハウスに初溜・再溜各4基(計8基)
合計14基の全てストレートヘッドで型・サイズともに同一のスチルがズラリと並んでいます。
2015年に古いキルンとモルトの貯蔵庫が新たに仕込み部屋へと改装されました。
これによりグレンオードはスコットランドでトップ5に入る生産量を誇るモルト蒸溜所となりました。
現在年間でおよそ1,100万Lのアルコールが精製されています。
熟成にはヨーロピアンオークシェリー樽とアメリカンオークバーボン樽が1:1の割合で使われます。
グレンオードは、オールドパーやデュワーズなどのブレンデッド用として主に原酒を供給していました。
グレンダラン(グレンデュラン)蒸溜所
1897年、ウィリアム&サンズ社によって建てられた、スペイサイドのドマイナー蒸溜所。フィディック川の西岸に位置しています。
グレンダランという蒸留所名は「ダラン川の谷」に由来するのですが、このダラン川は実はフィディック川よりも離れたところを流れています。なぜ、、、。
20世紀初頭には国王のエドワード7世(在位1901~1910年)にスペシャルボトルを献上していたという、王愛飲のスコッチでもありました。
ポットスチルは、ウォッシュスチル3基とスピリットスチル3基の計6基。ネックは長め。
現在の仕込みはワンバッチ麦芽12トン。マッシュ単は最新鋭のフルロイタータンを使用しています。
なお、ブレンデッドウイスキー「オールド・パー」のキーモルトは現在はクラガンモアですが、もともとはこのグレンダランの原酒を使っていました。
今もその多くはブレンデッド用として供給されていますが、「シングルトン」シリーズのひとつとして、12年、15年、18年などがリリースされています。
オスロスク蒸溜所(過去)
シングルトン発祥の場所はこちらのオスロスクです。現在はこの名前では販売されていません。
オスロスク蒸溜所はスペイサイド地方のクレイゲラキとキースのちょうど中間あたりにあるマルベンという村にあります。
創設は1974年。
ウイスキー蒸溜所としては比較的新しく、当時の最新鋭の技術と流行を取り入れた近代的な蒸溜所としてスタートを切りました。
他のスコットランドの蒸溜所と比べると少し近代的な雰囲気のある建物に見えるのはそのせいでしょう。
年間生産量はディアジオ社の10指に入るほど。
「知る人ぞ知る」蒸溜所で広く知られていませんが、蒸溜所としての規模は大きめです。
これは生産された原酒の多くがブレンデッドウイスキーであるJ&Bの生産に使用されており、シングルモルトしてのリリースが少なかったためです。
蒸溜器はランタンヘッド型で初留4基と再留4基の合計8基。
またオスロスクを語る上で最も大切なのは仕込み等に用いられるドリーの井戸と呼ばれる泉の水です。
この水は良質な軟水で、蒸溜所建設が決まった大きな理由のひとつともいわれています。
なんだか竹鶴政孝氏が新川川の近くに宮城峡蒸溜所を建てた際のエピソードを彷彿させます。
やはり名水の地に銘酒あり、ですね。
オスロスクでは、他にマルベン川の水も使われています。
熟成に使われる樽はシェリー樽とバーボン樽がメインで、最後の2年は両者をヴァッティングして追熟するダブルマリッジ方式を取り入れています。
オスロスクはゲール語で「赤い流れを渡る浅瀬」という意味ですが、スコットランド人以外は発音しづらいとしてシングルモルトでは「シングルトン」という親しみやすいネーミングでの発売となりました。
しかし現在「シングルトン オスロスク」はシングルトンの現行ラインナップとしては販売していません。
2001年9月までシングルトンのブランドで売り出していましたが、それ以降は「オスロスク」の名でリリースされています。
ウイスキー「シングルトン」のラインナップ
シングルトン・ダフタウン 12年
こちらは2018年9月から日本で発売された現在のスタンダードとなるボトル。
スムースな飲み口と、若干のオイリーさ、風味全体がうまくまとまっている飲みやすいボトルです。
グレンオードがアジア向けでしたが、ダフタウンは欧州向けにマーケティングが展開されています。
熟成にはヨーロピアンオークのシェリー樽とアメリカンオークのバーボン樽が使われています。
フローラル系の優しく繊細な香り、シングルトン特有のレーズンバニラ、奥にはオレンジ、さくらんぼも少々感じます。
味わいはナッティかつオイリー。スモーキーさはほぼ感じません。
麦とドライフルーツの甘みとベイクドオレンジのほろ苦さが特徴的です。
シングルトン・ダフタウン 18年
ダフタウン12年の上位ボトル。
熟成には12年と同じヨーロピアンオークのシェリー樽とアメリカンオークのバーボン樽が使われています。
香りはバラのフローラル、カカオ、木の皮のようなウッディさを感じます。
味わいは柔らかいバナナ、トフィーの優しい甘み、ヘーゼルナッツ、ココア、ブドウの皮の酸味も感じる充実感のあるボトルです。
シングルトン・オブ・ダフタウン モルト マスターズセレクション
2018年にダフタウンのボトルがリニューアルしましたが、その際に新しくラインナップに加わったボトルです。
熟成年数表記はなくノンエイジ。
味わいから判断するに、12年熟成に満たなくとも、それに近い熟成年数のシェリー樽・バーボン樽で熟成された原酒をヴァッティングしています。
シングルトン ダフタウン12年より「フルーツの甘みが強い」と感じる味わいに仕上がっています。
ボディは薄めですがバニラの甘みの中にフリーズドライのリンゴとレモンを合わせたようなフルーティーなボトルです。
シングルトン・オブ・ダフタウン スペイ・カスケイド
こちらはノンエイジですが風味全体の調和に着目したボトルです。
ダフタウンのラインナップ全体がシェリーとバーボン樽にてブレンドされていますが、ノンエイジの若さを感じないようなバランスの良いヴァッティングが成されているボトル。
香味は、ビターチョコ、ラムレーズン、クリーム入りビスケット、ポン菓子。
味わいはコーヒーガム、 ブラウンシュガー、カラメルの甘さとほろ苦さ。
ノンエイジながら全体的に香ばしく、麦チョコのような甘みを感じる1本です。
シングルトン・オブ・ダフタウン サンレイ
こちらもテイルファイアと同時に発売した熟成年数を敢えて明かさないノンエイジボトル。
名称のサンレイは、サーモンフィッシングに使われるフライの名前が由来しています。
こちらはバーボン樽にて熟成した原酒が使われています。
香りは、バーボンならではのバニラ、ハチミツ、エステリー。
味わいはバニラ、カスタードクリームを入れた焼きリンゴ。余韻も中くらいから長め。
ハチミツの甘みも感じ、全体的に甘みが前に出たボトルです。
シングルトン・グレンオード 12年
こちらは2018年まで日本向けにリリースされたシングルトンのスタンダードボトルでした。
しかしそれが現在は終売となり(アジアでは販売しています)、正規品のラインナップはダフタウン12年がスタンダード的存在に入れ替わっています。
使われているのはヨーロピアンオークのシェリー樽とバーボン樽、酒齢12年以上のものをヴァッティングして作られています。
香りはやや揮発性のあるアルコールを感じますが、バニラとラムレーズンクリーム。
味わいもラムレーズン風味と甘み、ドライプラムの酸味がきて、洋ナシ、青リンゴの爽やかさが訪れます。
シングルトン・グレンオード18年
グレンオード12年ものの上位ボトル。こちらも同じく日本国内においては終売となりました。
12年同様、熟成にはヨーロピアンオークのシェリー樽とバーボン樽を使用した酒齢18年以上のものをヴァッティングして作られています。
香りはりんご、バニラエッセンス、イチゴジャム。ほんのりと焼けたトースト、ビスケット。
味わいはラムレーズン入りのバニラモナカ。
12年に感じた洋ナシ、青リンゴの爽やかさは薄れ、ドライプルーンやドライプラムなどの鉄分を含んだ黒い果実がぎゅっと詰まった濃厚な甘みとほろ苦さを感じるボトルです。
シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)12年
こちらは知る人ぞ知るスペイサイドの名門、グレンダラン蒸溜所で作られた原酒を使用したボトル。
グレンダランは作られた原酒の99%がブレンデッド用に提供されています。
特にオールドパーの重要な原酒となっており、グレンダランなしではその味は完成しません。
シングルモルトとしてのグレンダランの楽しめるのは現在シングルトンのみとなります。
ちなみにこちらはアメリカ合衆国向けに作られたボトルとなります。
香りはバニラ、よく焼いたクッキーの優しい香ばしさと甘み。
味わいはクッキーの甘みの後、白ブドウの様なフレッシュさが訪れ、ハチミツをかけたリンゴのようなリッチな甘みを堪能できます。
飲み口は非常にスムースで、滑らか。すいすい飲めてしまうボトルです。
シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)リバティ 1L
アメリカ向けに作られたスッキリとした味わいのシングルトンウイスキーのグレンデュラン。
リバティは、グレンデュラン蒸留所の100年以上にわたるウィスキー造りの専門知識を祝ってリリースされたレゼルヴ・コレクションの一つ。同蒸留所のモルト・マスターの手によってスムースでリッチ、まろやかな味わいに仕上がっています。
シングルトン オブ グレンダラン(グレンデュラン)トリニティ 1L
こちらもアメリカ向けに作られたボトル。ビターでスイート。リバティよりもスパイシーでオーキーな印象。
グレンデュラン蒸留所の100年以上にわたるウィスキー造りの専門知識を祝ってリリースされたレゼルヴ・コレクションの一つ。
シングルトン オスロスク
こちらは2001年に終売となった初代シングルトン。
シェリーとバーボン樽で熟成したモルトをヴァッティングし、それを再び寝かせて仕上げるダブルマリッジ製法で造られています。
75年、76年、77年、78年、80年、81年、83年はビンテージの表記が入ります。
香りはとても芳醇で、プラムジャム、溶かしたチョコレート、焼いたトーストを感じます。
味は濃縮されたイチゴジャム、紅茶のタンニン、どっしりとした麦芽感、ハニートースト。
ウッディで長い余韻を楽しめる贅沢な1本です。
2018年には渋谷区の古民家を改装した横丁「ほぼ新宿のれん街」にて「シングルトンハイボール」が味わえる「ほぼスコットランドのれん街」なども行っていましたね。
そこそこ広告費をかけていたようなイメージもありますが、最近はあまり見かけません。悪くないんですけど、個性が薄いのかな。
こんなのやっていたんですね。近いし行ってみようかな。
“ほぼ新宿のれん街”が「ほぼスコットランドのれん街」に変身 ウイスキー「ザ・シングルトン・ダフタウン」発売を記念/キリン・ディアジオ|食品産業新聞社ニュースWEB https://t.co/apTjluEtnW @ssnp_coさんから
— オーツカ (@BARREL365) November 16, 2018
ざっくり覚える!
シングルトンはスペイサイドを含む北ハイランド地方で作られるシングルモルトウイスキーで、複数の蒸溜所で同じブランド名を使用しています。
シングルトンはディアジオ社が所有する
の3つの蒸溜所でつくられており、それぞれ個性が異なります。
あえて「シングルトン」とブランド名を共有している理由は、この3つの蒸留所がシングルモルトウイスキー用の原酒を製造するのではなく、ブレンデッドウイスキー用の材料としての原酒供給を期待されていることが背景だといわれています。かなり珍しいパターンのウイスキーといえるでしょう。