料理やつまみと合わせる
スコッチと料理というとあまり相性が良くないイメージを思い浮かべるかも知れません。
スコッチを飲んでいるとき、ツマミはいらないという方も多いかと思います。
スコットランドの伝統的な料理「ハギス」はご存知でしょうか?
ハギスとは、羊の内蔵のミンチを玉ねぎやオートミールと水で煮込み、羊の胃袋に詰めた料理で、ウイスキーを上からかけて食べます。もちろん飲み物はウイスキーです。
このようにスコットランドでは、ウイスキーと料理をあわせて楽しんだり、ウイスキーを料理に使ったりします。
私が実際に作ってみて、家でもできるおすすめウイスキー料理をいくつかご紹介します。
オイルサーディンのアイラ焼き
オイルサーディンに玉ねぎ、にんにくみじん切りをのせ、醤油とピートの強いモルト(ラフロイグかタリスカー推奨)1対1で混ぜたものをかけて焼く。
オーブントースターでもOK。絶品のおつまみになります。
明太子とボウモアのパスタ
明太子のパスタにボウモアを10ml入れ、絡めるだけ。
ムール貝のウイスキー蒸し
ムール貝をラフロイグ15mlで蒸し焼きにする。塩味を確認して必要に応じて塩を足す。
焼きはまぐりのウイスキーがけ
焼きはまぐりの口があいたところに、醤油とウイスキーを1対1で割ったものを少量かけて食べる。
アサリでも可能です。
バニラアイスのグレンドロナックがけ
かけるだけです。簡単。
と思ったら、オーツカ編集長がウイスキージュレを作ってました。
こちら、かなりいいですね!
また、燻製もウイスキーと非常に相性の良い食べ物と言われています。
大麦をピートで燻製することから、同じようなフレーバーが強調されます。
・燻製ミックスナッツ
・スモークサーモン
などはおつまみの代表格で、どんなスコッチとも相性が良いです。
個人的な意見ですが、ウイスキーを調味料として使う場合、ウイスキーの風味を味わうのが目的なので、ウイスキーの量は適量かなと思う量より少し多めが良いと思います。
あえてバランスを崩してみて、そこから適量を探してみましょう。
これは合いますね(笑)アルコール感も気にならない。
改めて海鮮系にはウイスキー強いなぁと思います。
シガーと合わせる
スコッチとシガーの相性は非常に良いと言われています。
その理由は、シガーは非常に強い煙を吸うことになるため、その煙の強さを和らげたり、逆に煙の強さを強調したりという合わせ方でスコッチが使われます。
シガーの強い煙を和らげるには、甘いものを合わせるのが一般的と言われていて、スコッチならシェリー樽の甘いモルト、食べ物ならチョコやドライフルーツ、ナッツなどを合わせます。
シガーの強い煙を強調するには、カスクストレングスやピートの強いウイスキーを合わせることでよりアタックを強くすることができます。
また、シガーは1本吸うのに短くて30分、長いもので1時間半くらいかかります。
シガーは吸っていくうちにどんどん短くなり、火元が近づいてくると、熱く、辛い煙にどんどん変化していきます。
その変化もシガーの楽しみの一つでもあり、またその変化に合わせてどういうお酒を合わせるか選ぶことができるのも楽しみです。
仮に1時間シガーを吸うとして、「吸い始めの1杯」「真ん中で2杯目」「吸い終わりで3杯目」とイメージしながら、どういうスコッチを合わせようかなと考えながら飲むというのも、大人なお酒、スコッチのイメージと合っているように思います。
また、シガーは一本吸うのに多くの時間がかかるため、「シガーは時間の予約」と言われています。
事前にそのシガーを吸うだけの時間と心の余裕がある状態にあり、そのリラックス状態でスコッチを楽しむというのも、大人の楽しみ方です。
音楽と合わせる
ウイスキーを飲む際にはその環境も立派なおつまみになります。
重厚な音楽がかかるオーセンティックなバーでゆったりと飲むウイスキーは最高の味わいをもたらしてくれます。
スコッチと合わせる音楽といえば、やっぱりJazzですよね。
BARRELの過去の記事でもジャズとウイスキーを合わせた記事があります。ぜひ参考にしてください。
しかしおすすめなのはJazzだけではありません。
クラシックもおすすめです。
というか私がもともとクラシック好きで、当店でもクラシック好きのお客様が集まったときは、BGMをクラシックに変えて楽しんでいただいております。
ということで、当店でも流しているおすすめのCDをいくつかあげておきます。
ラヴェル:ピアノ名曲集2 サンソン・フランソワ(ピアノ)
亡き王女のためのパヴァーヌ、水の戯れなどのピアノの名曲は、こころを穏やかにしてくれます。
落ち着いた会話の時間を過ごしたいときにおすすめのCDです。
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」ウィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
マーラー:交響曲第5番 レナード・バーンスタイン(指揮)
こちらの交響曲2曲。
重厚なフルオーケストラの2曲なのですが、ちょうど1時間くらいの演奏時間。
シガーを吸いながら1時間ほどウイスキーと音楽とシガーのマリアージュに浸るのにちょうどよい2曲です。
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 カール・リヒター(チェンバロ)
バッハ:ゴルトベルク変奏曲 グレン・グールド(ピアノ)
全く同じ曲のチェンバロ演奏とピアノ演奏。
夕方にちょっとだけ照明を落として聞くならチェンバロ。
食事のあと、眠る前にゆっくり聞くならピアノ。
という感じで気分によって使い分けても面白い2枚。
Pure:マリア・カラス
歌手のマリア・カラスの名曲集です。
残念ながら私はあまりオペラを観ず、1曲のオペラをじっくりとというタイプでは無いので、このような名曲集的なもので雰囲気を味わっています。
深めのソファーに体を包まれながらゆっくり飲み、そのまま寝落ちしたいCDです。
映画とスコッチ
スコッチは様々な映画の題材になったり、登場するシーンが数多くあります。
過去の名作もいいですが、ここでは最近のウイスキーにまつわる映画を少しご紹介しようかと思います。
「天使の分け前」
アイラ島にその昔あった、モルトミルという蒸溜所の幻の樽が見つかったことから繰り広げられる、ウイスキーを題材とした物語。
実在するメジャーテイスター、チャーリー・マクリーン氏が登場したり、本物のウイスキーの蒸溜所で撮影が行われたり、スコットランドの素晴らしい情景が楽しめたりと、ウイスキー好きにはたまらない映画です。
本場の雰囲気をたっぷりと味わえるので、まだ見ていない方は必見の映画です。
「ウイスキーと2人の花嫁」
原題は「ウイスキーガロア」。ガロアとは「いっぱい」の意味。
第二次世界大戦中、ウイスキーの供給の止まったとあるスコットランドの島の近くで、輸出用のウイスキーを大量に積んだ船が難破。
島民がウイスキーを難破船から回収して隠してこっそり飲むのですが、関税の取り締まりの役人が島に訪れて・・・
こちらはSSポリティシャン号という船が難破した時に起こった実際の事件をベースに書かれた小説を映画化したもの。
こちらもウイスキー好き必見の映画です。
「キングスマン」にダルモア1962が出てくる
スパイ映画とお酒はつきもの。
ダルモア1962とは、2006年にシンガポールのチャンギ空港で12本限定で販売されたウイスキーで、当時世界最高額の金額となったウイスキー。
最初の1本は650万円で販売されたのですが、その後レートの変化や希少価値などから、最後の1本の販売金額は1500万円だったそうです。
また、続編の「キングスマン: ゴールデン・サークル 」にもウイスキーが出てきます。
有名なワイン商で、ウイスキーのボトラーズでもあるBB&Rの地下テイスティングルームの保管庫から出てくるウイスキー、「ステイツマン」。
こちらは架空のバーボンですが、映画で重要な役割を果たします。
「ブレードランナー2049」に未来のジョニーウォーカーブラックが出てくる
ジョニーウォーカーといえば、世界で一番売れているスコッチウイスキー。
当然、2049年でも販売され続けているであろう。ということで、未来にジョニーウォーカーがあったらこんなデザインだろうなというデザインで映画に登場します。
さらには、ジョニーウォーカーのマスターブレンダーが「ディレクターズカット」として特別ブレンドをリリースしました。
「ディレクターズカット」という映画の用語を使うあたり、おしゃれですね。
映画の中では、主人公の家でロックグラスに並々注がれて一気飲みするシーンがあったり、ハリソン・フォードが自分で飲む分を注いだ後、飼い犬に飲ませるために床にわざとこぼすシーンがあったりと、印象的な使われ方をしています。