あなたは「お金持ち」と言えば何を連想しますか?
広い庭の白亜のお屋敷、高級ソファに身を預けて、優雅なガウン姿で膝の上のペルシャ猫を撫でつつ、グラスを傾ける……
そんなイメージがあるのではないでしょうか?
ではそのグラスに入っているのは何でしょう。
ここでチューハイなんて言おうものなら、某格付チェック番組のように転落してしまいそうですね。
何故かお金持ちの嗜みそうなお酒と言えば、ブランデーやワイン、そしてウイスキーと、比較的度数の高いものが思い浮かびます。
しかしお酒に弱い人も少なくない日本、本当にこのイメージは正しいのでしょうか?
フォーマルが似合うお酒はハイソサエティに愛される?
年収とお酒の関係については、ワイン情報サイトの「ワインバザール」で統計データが取られています。
こちらのページの年収別お酒の嗜好グラフを見ると、カクテル・チューハイなどのライトなアルコールに比べて、ウイスキーや焼酎の伸びが年収と比例していることが解ります。
ビールは健闘していますが、蒸溜酒とワインに対して伸び率が鈍いのは明らかです。ワインも確かにラグジュアリーな雰囲気とセットになりがちなお酒ですから、このデータはイメージ通りと言えます。
では、なぜこれらのお酒は高収入層に愛されるのでしょうか?
そこには、ハイソサエティ独特の理由があります。
これだけの年収を稼ぐ層になると、当然商談もトップ対トップになってきますよね。
一回一回がビッグビジネスに結びつくであろう会食に、3000円飲み放題のチェーン居酒屋をチョイスする秘書なんていないはず。
実際、ハイクラスな会食の場を探すツールとして『ヒトサラ』や『こちら秘書室』というサイトも存在します。
年収が上がるということは、それだけの交渉に対する責任のウェイトも大きくなってくるということ。
必然的に、「重要な一席にふさわしいお酒」を嗜む率も上がってくるということになるんですね。
必須アイテムを深く愉しむ、大人の余裕
高年収層にとっては商談の必須アイテムとも言えるこれらのお酒ですが、タイプは違えど共通するポイントがあります。
それは、「お値段の幅がとても広い」こと。
ビールやチューハイの価格帯はお手頃なところで止まるの対して、長い間熟成させることのできる蒸溜酒やワインは、それこそ下はワンコインから上は100万円レベルまでの広がりを見せます。(蒸溜しない分素材の味に左右されるワインは、当たり年やブランドによって1000万円以上の値がつくことがあるそうですが……そこまで行くと、最早嗜みではなく生き甲斐になってしまうので、脱線は控えておきましょう)
年収が上がっていくと、必須アイテムとして嗜んでいたお酒にも、自然に上質なものを味わってみたいという好奇心が湧いてくるのではないでしょうか。
その証拠として、年収別グラフのウイスキー・焼酎は700万円~800万円の間で最も大きな伸びを見せています。
もしかしたらここが、ハイソサエティの余裕を体得するラインなのかもしれませんね。
コントロールのしやすさも人気の秘密?
前述したとおり、ビジネスの場においてのお酒はどんなに美味しくても(もったいないですが!)、コミュニケーションツールに過ぎません。
ですから、間違ってもべろべろになって仕事の話も覚えてない……なんてことには、なってはいけないのです。
ならアルコール度数の低いお酒の方がいいんじゃないか?と思われるかもしれませんが、度数の強いお酒、特にウイスキーには必ずつくものがありますよね。
そう、チェイサー(お水)です。
ビールに代表される低度数のお酒は、どんどん飲めてしまう分オーバーペースになる可能性があります。
好きな方なら尚更です。
一方ウイスキーなどは、ロックやストレートならそれ自体がゆっくり愉しむものであるのに加えて、意識的にチェイサーでペースをコントロールすることができます。
こうしたハンドリングのしやすさも、一流人に寄り添える強みのひとつと言えるでしょう。
お酒のチョイスから見えるゆとりは要チェックかも!
以上のことを踏まえ、今回のタイトルを振り返ると「ウイスキー、焼酎を好む人は高年収が多い」と言うよりは「高年収だからこそ、愉しみ甲斐のあるお酒を好む人が多い」と言った方がより適切ではないでしょうか。
もちろん、一概に全ての高収入層がそうだと断言するのは乱暴ですが、優雅に決めた隣の人が洗練されたビジネスパーソンなのか、お酒を通して想像してみるのも楽しいかもしれませんね。