退職者の年齢層から考える最適なウイスキーの条件
まずは「退職祝い」というキーワードから考えた場合、抑えておくべきウイスキーのポイントは以下の5つです。
①ハイプルーフではない(40~43度)
ハイプルーフというのは高アルコール度数のウイスキーのこと。
一般的にウイスキーは加水を行って40度前後ボトリングされますが、市場にはカスクストレングス(非加水)の商品も多く出回っています。
非加水のものは50度をゆうに超え、60度前後のものも存在します。
原酒そのものの風味をダイレクトに感じられ、とても濃厚で美味しいのですがアルコールがキツイのも事実。
退職祝いとなると、お祝いをする方の年齢は平均して60歳。
私の周りにもこのくらいの年齢でウイスキーを嗜まれる方は多くいますが、お歳を召している場合にアルコール度数があまりにも強いウイスキーは敬遠される印象です。
普段から相当ウイスキーを飲み慣れていない方以外は40度~43度くらいのウイスキーを選ぶ方がよいでしょう。
②ヘビーピートではない
聞きなれない方もいるかもしれませんので解説しておくと、ヘビーピートなウイスキーというのは「すごく薬品臭かったり、煙臭かったりするウイスキーのこと」です。
こちらもハイプルーフと同じで、常日頃からウイスキーを嗜む人でない限り好みをハズす可能性が高いです。
ラフロイグ、アードベッグといったアイラモルトは人気ですが、とても強烈な薬品香、ピート香を持ちます。
現在60代の方が当時飲んでいたものはブレンデッドウイスキーやバーボンウイスキーが多く、あまりヘビーピートのものはなかったはずですので、「スモーキーなウイスキーが好き」という好みを把握していない限りは避けましょう。
③ブレンデッドスコッチのプレミアラインは吉
昭和の時代、ジョニーウォーカー、バランタイン、オールドパーといったスコッチウイスキーは超高級品、庶民の憧れの品でした。
現在では手に入りやすくなりましたが、1957年においてのジョニ黒の実売価格は1万円であり、これは当時の大卒初任給二ヶ月分に相当したほどです。
高級ブレンデッドウイスキーをBARやクラブでボトルキープするのは一種のステイタスだったのです。
退職する方の年齢を考えると、1980年代にはバリバリ働いていたことでしょう。
この頃の大卒初任給は114,500円まで上昇していますが、それでも当時の角瓶が2,000円というお値段でした。
つまりブレンデッドスコッチの中熟~長熟ライン(18年以上)は当時を知る方からすれば超プレミアム商品。
退職祝いに贈られればきっと喜んでくれるでしょう。
④昭和40年代後半にはバーボンブームも
1971年のウイスキーの輸入自由化からバーボンウイスキーも流行しました。
アメリカ映画にも頻繁に登場し、名俳優がオンザロックで煽る琥珀色の液体に目を奪われた時代。
現在も飲まれているワイルドターキーやエズラブルックス、オールドフィッツジェラルドなど数多くのブランドが日本でも飲まれていました。
過去のものと比べるとやや飲みやすくキレイ目になったバーボンウイスキーではありますが、プレミアムラインは現在でもとても魅力的なものが数多くあります。
⑤国産のメジャーウイスキーは無難に喜ばれる
国産である「ジャパニーズウイスキー」はいつでも重宝されますね。
スナックやクラブ文化が根強かった高度経済成長期。
この頃のウイスキーは日本の階層化社会に非常にうまく溶け込んでおり、サラリーマンは会社で昇進するとともに飲めるウイスキーのレベルが上がることで豊かさを実感していました。
サントリーであれば【レッド→ホワイト→トリス→角→オールド→リザーブ→ローヤル】のように給料の増加に伴い、より上級なウイスキーを飲めるという具合でした。
シングルモルトはあまり飲まれませんでしたが、現在はその希少性からか山崎、白州、響あたりは鉄板のプレゼントギフトになっています。
退職祝いにおすすめのウイスキー/予算10,000円以上
というわけで、上記の条件を総合して退職祝いにおすすめのウイスキーを幾つか紹介しましょう。
ジョニーウォーカー ブルーラベル
退職祝いだから15,000円くらいは出せる!という方におすすめ。
ブルーラベルが誕生したのは90年代。クラシックでラグジュアリーで、アンティークなものにこそ価値があった時代。
現在60代前後の方には高嶺の花だった「ジョニ青」。
年間販売数4000本の限定商品で、プレゼントギフトとしては最高の逸品と言えるでしょう。
全てのジョニーウォーカーの頂点に立つのにふさわしい、複雑かつ芳醇なアロマと、ビロードのようななめらかさを持つスーパープレミアムウイスキーです。
お世話になったあの人へ向けた最高級のギフトとして喜ばれることでしょう。
バランタイン 30年
こちらはブルーラベルよりもさらに高額ですが、まず間違いない最高プレミアムラインのブレンデッドウイスキー。
30年におよぶ長い年月を熟成したモルトとグレーン原酒で造られる、バランタインの最高級品です。
最高峰の名にふさわしく、美化された甘く香る想い出を永久に閉じ込めたような深いボディと、長い余韻が特徴です。
香りはレーズン、バニラ、ウッディなスモーク。
そして芳醇でバランスのとれた味わいで、シェリーやあんず、ビターチョコのようなフレーバーを感じます。
ずっと忘れたくない、大切なあの人に贈る最高級品です。
ジャック・ダニエル ゴールド
アメリカが誇るテネシーウイスキーの王者、それがジャック・ダニエル。
そのジャック・ダニエルの中でも最高級品がこちらの「ゴールド」です。
チャコールメローイング製法を2回を行った原酒をアメリンオークの新樽で熟成させた後、更にメイプルウッドの樽で後熟させて仕上げたボトル。
製造工程としては「メロー→樽→樽→メロー」です。
極めてクリアでスムース、そしてメイプルウッド由来の甘みと芳醇な香りを楽しめる複雑かつ絶妙なバランスの逸品です。
アルコール度数は40%ですが、この度数では考えられないほどの余韻の長さを誇ります。
熟成度が高く円熟味を帯びています。
贈り物にぴったりのラグジュアリーな1本です。
予算14,000円ならコレ!プレミアムウイスキーギフト!
オリジナルプレミアムギフト
プレミアムなウイスキーを少しずつ詰め合わせたいという要望にお応えして、退職祝いにおすすめの高級ウイスキーをセットにしました。
最高峰のスコッチウイスキー2品と、スーパープレミアムアメリカンウイスキーを1品、合計3種類100mlずつセレクトしたプレゼントギフト。
価格は14,000円(税込)。
専用ギフトボックスは2種類から選択可能。
購入された方にはイラストレーターが描き下ろした「限定オリジナルアートカード」を封入いたします。
飲んで楽しむだけでなく、形で残る想い出としても最適です。
退職祝いにおすすめのウイスキー/国産物
続いて退職祝いにもらってうれしいジャパニーズウイスキーの紹介です。
どれも有名どころですが、知っている方も多い銘柄ですので流し読みでOKです。
山崎 12年
言わずと知れた日本で最初にできた蒸溜所「山崎」が造り上げたシングルモルトです。
12年は甘いバニラ香とフルーツの香が特徴的。
繊細でありながら、厚みがあり奥行きのある味わいです。
年数表記の無いノンエイジだとまれにスーパーやコンビニでも見かけますが、12年は貴重品。
非常にわかりやすく嬉しいプレゼントでしょう。
白州 12年
山崎と並ぶジャパニーズシングルモルト。
爽やかな新緑の香りと、青リンゴやレモン、シトラスを感じさせる果実香。
スイートでやわらかいスモーキーさも兼ね揃えています。
原酒不足でかなり価格が高騰しています。
響 JAPANESE HARMONY
現在販売されている「響」のレギュラーボトル。
「日本の四季、日本人の繊細な感性、日本の匠の技を結集したウイスキー」をコンセプトに作られました。
JAPANESE HARMONYの特徴はノンエイジということ。
熟成年数にこだわらず、サントリー社のウイスキーづくりの歴史の中で培ってきた、多彩な原酒と匠の技でつくりあげられたボトルです。
アルコール度数43度、ノンエイジですがアルコールによる刺激は非常に少なくストレートでも美味しく頂けます。
ナシ、柑橘系の香りが鼻腔をつき、奥深くもやわらかな甘みが特徴的です。
加水すると爽やかな酸味が引き経つので、ストレートから数滴加水しながら変化を楽しむと良いでしょう。
コンテストでは2016年にSWSCにおいて最優秀賞に輝いています。
退職祝いにおすすめのウイスキー/予算10,000円以内
続いて予算がそんなにかけられないという方にも10,000円以内で手に入るいくつかおすすめウイスキーボトルをピックアップしておきます。
オールド・パー 18年
“長寿のシンボル”トーマス・パーが描かれている『オールド・パー』も高級スコッチの代名詞でした。
退職祝いにもぴったりのボトルです。
英国史上最長寿と言われたトーマス・パーはなんと152歳まで生きたと言われています。
退職後の人生を謳歌する意味も込めてプレゼントしたいですね。
オールド・パーシリーズの中でもプレミアムラインの18年は選ばれし9つのモルト原酒のみを掛け合わせて作られた贅沢なボトルです。
かなり複雑な香味を感じる事ができ、干しぶどうやプラム、ブラックチェリーなどの黒いベリー系、ドライマンゴー、桃もうかがえます。
土のついた枯れ葉のようなピートも感じることができ、口に含むとカラメル、バニラの中にナッツの香ばしさ、ナツメグやシナモンなどのスパイス感もあります。
余韻は濃厚なバニラとウッディさが際立ち、中くらい~やや長い。
複層的かつふくよかな風味は是非ストレートで味わっていただきたいものです。
シーバスリーガル 18年 ミズナラカスクフィニッシュ
「シーバス」とは創業当時に発展に寄与した兄弟の名前、「リーガル」とは”王家の”、”堂々とした”、”極上の”などの意味があります。
退職の花道にふさわしい堂々とした風格のお酒です。
2013年に発売された「シーバスリーガル ミズナラ12年」から7年の月日が流れ、満を持して発売された本作。
18年以上熟成されたモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドし、ミズナラ樽でフィニッシュした特別なブレンド。
シーバスリーガルの持つフルーティーでエレガントな味わいに、ミズナラ樽でのフィニッシュによる、クリーミーさとほのかなスパイス香が加わります。
12年よりも練れているリンゴのアロマ。青リンゴよりも赤リンゴか。ハーバルで上品な香りの後にしっかりとシナモンとバニラビスケット。
口当たりはややオイリーだがあっさりと感じます。
味わいはアプリコットジャム、ショウガ、シナモンが強い。中盤は非常にモルティでハチミツの風味も香る。
スパイシーでシャープな甘い余韻が続く。
竹鶴 ピュアモルト
ニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝の名字を冠した、日本を代表するブレンデッドモルト。
メロンやバナナ、塩バニラアイスのようなフレーバーと昆布を煮出したかのような深いコクが印象的。
12年、17年、21年、25年とラインナップが存在しましたが、どれも終売しており価格が高騰しています。
このピュアモルトであれば、まだ手に入るので比較的安価にジャパニーズウイスキーをプレゼントしたい方にはおすすめです。
ラベルもリニューアルされ新発売されました。
ザ・マッカラン 12年
ジャパニーズウイスキーと同様、高級シングルモルトの代名詞的なウイスキーもご紹介しておきましょう。
ウイスキーが好きな方であれば誰しもが知っているメジャーブランド、ザ・マッカランです。
オリジナルで開発されたシェリー樽で最低12年熟成した原酒から造られたボトルで、赤みかかった褐色はシェリー樽由来のもの。
香りは非常に上品。バニラ、ドライフルーツ、ほのかに香るジンジャー。
味わいは穏やかな甘みが全体を支配しますが、余韻ではスモークさ、ラズベリーのような酸味やフレッシュなスパイシーな一面も味わえる見事なボトルです。
「シングルモルトのロールスロイス」と呼び声高く、非常に信頼の厚いウイスキーです。
お値段控えめのスペシャルウイスキーギフト
オリジナルスペシャルギフト
お手軽価格で詰め合わせのオリジナルプレゼントを贈りたい!という要望にお応えして、退職祝いにおすすめの7,000円(税込)セットをつくりました。
長期熟成スコッチウイスキー2品と、プレミアムバーボンウイスキー1品、合計3種類100mlずつセレクトしたプレゼントギフト。
こちらも専用ギフトボックス2種類から選択可能。
購入された方にはイラストレーターが描き下ろした「限定オリジナルアートカード」を封入いたします。
卒業祝いや送別会に持っていくウイスキー
続いて卒業祝いや送別会に持っていくのにおすすめなウイスキーを紹介します。
こちらはあまり年齢の縛りがないので、「卒業」、「おつかれさま」、「今までありがとう」などといったメッセージ性から選抜していくことにしましょう。
予算的にも退職祝いほどお金をかけずにリーズナブルに気軽に渡せるものをピックアップ。
ベル/Bell’s
イギリスではベルのウイスキーは人生の門出を祝うお酒として長年人々に愛されてきました。
広告に使われていた”afore ye go”というキャッチフレーズは【船出の前に!】とか【汝らいざススメ!】という意味があり、創始者のアーサー・ベルが乾杯の前によく口にした言葉だったそうです。
ベルのスタンダードボトルはスーパーマーケットなどでも見かけます。
1,000円前後で買えるお手頃な価格帯ながら、飲みごたえのあるウイスキー。
バニラ、カカオなどの定番の香りの後、ほどよいスモーキーフレーバーとしっかりとしたオーク材の香り。
味わいは甘みよりもビターさが目立つ印象で、この価格帯でいえばかなり分厚くて力強い印象。
後からチョコの甘みがふわりと訪れ、ナッツの香ばしさも感じられます。
初心者から通まで満足できる仕上がり、コスパもとても良いウイスキーです。
なお日本ではベルオリジナルの扱いしかないですが、幾つかの業者が限定品のセラミックボトルを扱っています。
卒業祝いや送別会にプレゼントするのであれば陶器ボトルがインテリアとしても素敵かなぁと思います。
花と動物シリーズから「リンクウッド12年」
送別会などで、卒業おめでとうの意味を込めて、花束ならぬ花にちなんだウイスキーのプレゼントはいかがでしょうか。
この花と動物シリーズは、各蒸溜所に関係する花や動物をあしらった美しいラベルデザインが特徴です。
リンクウッドは毎年「白鳥」が飛来する池を有する美しい蒸溜所として有名で、ラベルにも「白鳥」が描かれています。
甘くフレッシュな香り、まろやかでフルーティな味わいのなかに、かすかにスモーキーでドライな余韻が続くシングルモルトです。
まさに立つ鳥跡を濁さず。
素敵な旅立ちをお祝いしましょう。
ウイスキーのオリジナルプレゼントギフトやってます
上記で紹介したセット以外にも、ご自分で好きなウイスキーを選んでいただいて、ギフトボックスに入れることも可能です。
アートカードは付属しませんが、自由な組み合わせが選べるのでオリジナリティ溢れるギフトをつくることができます。
その場合は100mlの商品を3本選び、こちらからギフトボックスをカートに入れましょう。
プレゼントには気持ちを伝える手描きメッセージカードも同梱可能
お祝いの言葉やありがとうのメッセージ、伝えたい想いを「手書き」します!
花々のアートをあしらった名刺サイズのカードに、30文字以内のメッセージを書き添えてお包みすることができます。
カードデザインは3種類からお選びいただけます。
パステルカラーのデザイン
カラフルで華やかなデザイン
モノクロのクールなデザイン
今回は退職・卒業祝い・送別会でプレゼントしたら喜ばれるウイスキーの贈り物を特集してみました。
記事で紹介した中からボトルを選んでプレゼントするのもいいですし、飲み比べるセットをプレゼントして一緒に味わうというのもいいですね。
一生懸命頑張ってきた夫・旦那様、上司の方に最高のウイスキーを贈るとともに「お疲れ様」と労いの言葉をかけてあげてください。
ひとくちに「お祝い」といっても、様々な記念日、門出があることでしょう。
弊メディアでは年間通してすべての記念日に合わせたオリジナルのウイスキーセットをつくっています。
お父さん、お母さん、長い間、お勤めご苦労様。
旦那さん奥さんはもちろん、大切な上司や取引先、お世話になった人の退職祝い。
または卒業祝いや送別会でウイスキーをプレゼントしたいと思っているあなたへ。
今回も日本最大のウイスキー専門メディアである「BARREL」がお力になります。ならせてください。
ウイスキー専門の通販ショップも運営している我々なので、その他の「まとめサイト」とはひと味違う提案ができます!
退職祝いとなるとやや高価なプレゼントを贈る方が多いようですが、基本的に10,000円前後で手に入るウイスキーを中心にピックアップしてみました。
高いものだと20,000円以上のものもありますが、オリジナルギフトセットなどもあるのでぜひ最後までご覧ください。
退職・卒業した方の新たな人生の門出にふさわしいウイスキーをプレゼントしてください。