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オールドパーを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

オールドパーを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

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オーツカ

ざっくり覚える!

オールドパーは、イギリスのマクドナルド・グリンリース社が作ったブレンデッド・スコッチ・ウイスキー。

日本に初めて紹介されたウイスキーと言われており、明治維新の立役者「岩倉具視」が持ち帰り明治天皇に献上したことでも有名です。

斜めに立たすことがことができる、瓶の形状から「傾けても倒れない」と縁起を担ぎ、吉田茂や田中角栄など、上流人や政治家に好まれるウイスキーとしても知られてきました。

BARでは高級ウイスキーとして扱われ、昭和のサラリーマンにとっては憧れのスコッチウイスキーといえばオールドパーといった存在でした。

今ではちょっと奮発すれば若者でも手の届くウイスキーとなりましたが、スナックやパブといった大人の社交場においては、今でも高級ボトルの名残は残っています。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

現行ラインナップはピート感やスモーク感は極めて少なく、豊かな甘みとカラメル感、黒糖のようなフレーバーが特徴。
そして若い果実のフルーティさも同時に味わう事ができる、まさに万人受けするボトルシリーズです。

飲み方はストレート、もしくはロックで飲むことをおすすめします。

ロックにすると苦みが出るタイプのウイスキーのありますが、オールドパーはボディが厚く、うっすらと感じるタンニンやピートにもねばつきがないのでゆっくりと氷が溶解するうつろいを楽しめます。

シルバーは置いておいて、12年→18年&スーペリア同時飲み、みたいな飲み進め方がいいかなと思います。

 

オールドボトルに関しては、現行品からは想像もできないような、骨太である種野性的な風味を楽しめます。
デリケートなスペイサイドモルトである「クラガンモア」や「グレンダラン」がキーモルトとは思うのですが、かりんとうのような味わいがあります。

まさにトーマス・パーの150年の人生を彷彿とさせるような、しみじみとした深い旨味を堪能できます。

ただオールドボトルには状態が悪いものも多く、ハズレをひくと金属のような匂いと、劣化した醤油みたいなとんでもない味がします。焼きすぎたみたらし団子というか、苦酸っぱいというか。
~1960年のティンキャップ時代、1970年代のスクリューキャップともにこの傾向はあるのでオークションなどで落札する際はご注意を。

60年代~現行品まで扱っているBarはまだまだ存在しているので、状態がいいものを、ぜひ横並びでゆっくり、じっくり、飲んでみてください。

オールドパーの発祥と製造場所の紹介

「オールドパー」は英国の伝説的人物トーマス・パーの名前を拝借したブランドです。

トーマス・パーは1483年から1635年…まで生きたという超長寿の男性でした。

つまり、152歳(と9ヶ月)!

トーマスパー

トーマスパー©:wikimedia.org/

「10人の英国王の時代に生きた」という伝説も記されています。

1483年に生まれ、それから80歳になって初めて結婚。

これまた超熟年婚ですが、ここからがパーのすごいところで、なんと80過ぎの身体で一男一女を儲けてしまいます。

残念ながら子供2人は幼くして死んでしまいますが、80歳を過ぎたからだで子供2人を儲けるとは…精力絶倫、オスとしてかなり優秀だったことが窺い知れます。

しかしパーの伝説はこれだけでは終わりません!

妻が死んだ後、なんと122歳の時に再婚してしまうのです。

100歳超えしてから更に結婚するとは…想像を絶する男前ですね…

そして更に!105歳のときに別の女性と不倫して、これまた子どもを作ってしまい、逮捕された事実を教会で懺悔させられたそうです。

ここまで来ると、呆れるのをすっ飛ばして尊敬してしまいそうになります。

長寿のパーはイングランド中の噂になり、その姿は有名画家のルーベンスやヴァン・ダイクの絵画にも描かれました。

1635年にはチャールズ1世に呼び出されロンドンまで行き、パーの姿を見たチャールズは大変喜ばれたそうです。

そんな訳でトーマス・パーは長寿の象徴として、また長生きしたモテモテ男として伝説的人物となったのです。

パーの名前を拝借したオールドパーのラベルには、生きた年号(1483-1635)が刻まれています。

オールドパーはトーマス・パーの「長寿」を【ウイスキーの熟成】に、長い年月をかけて培ってきた「知恵や経験」を【ブレンド技術】になぞらえて作られました。

そして現在、その名に恥じぬ時代を超えてなが~~~~く愛されるスコッチウイスキーとなったのです。

オールドパーの歴史

オールドパーの創業者はグリンリース兄弟。

グリンリース兄弟の父は蒸溜所と提携しながらウイスキーの販売を行っていました。

家業を継ぐと決めたグリンリース兄弟はブレンディングを行う会社「グリンリースブラザーズ社」を1871年ロンドンに設立。

唯一無二のブレンデッド・ウイスキーを作るため、日々ウイスキー造りに奔走します。

そして深みのある絶妙なブレンドを作り出すことに成功し、理想となるブレンデッド・ウイスキーが完成します。

2人は

「ウイスキーに不朽の価値を与え、末永く後世に届けたい」

という熱い想いを込めて、このウイスキーに「オールドパー」という名前をつけ販売しました。

その後長らくグリンリース一家での経営が続きましたが19世紀末にグリンリース社とディアジオ社と合併しました。

 

ちなみに、我が国にも馴染みが深く、日本に初めて持ち込まれたのはなんと1873年!

あの幕末期族の出世頭、維新十傑にも数えられる岩倉具視率いる岩倉使節団によって持ち込まれたそうです。

岩倉使節団とは?

©:朝日新聞社

岩倉具視を正使とし、政府首脳陣や留学生を含む総勢107名で構成される大使節団。左から木戸孝允、山口尚芳、岩倉具視、伊藤博文、大久保利通=1872年撮影
明治維新期の明治4年11月12日から明治6年まで、日本からアメリカ合衆国、ヨーロッパ諸国に派遣された。

 

現在は製造をグリンリース社が、販売をディアジオ社が行っています。

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オールドパーの製法(作り方)

オールドパーのキーモルトとなるのはスペイサイドの

  • クラガンモア
  • グレンダラン

です。

グリンリース社はグレンダランのライセンスを所有していますが、メインの原酒はクラガンモアが核となっています。

また冒頭でも述べましたがオールドパー18年はグレーン原酒を使用していないブレンデッドモルト(ヴァッテッド・モルト)ウイスキーです。

その為、純粋なモルトの風味、大麦の穀物感を味わうことが出来ます。

またオールドパーはボトルパッケージにもこだわりがあります。

まずラベルにあるトーマス・パーと思われる翁の絵がありますがこちらは17世紀バロック期を代表する画家、ピーテル・パウル・ルーベンスが手掛けたもの。

ボトルのガラスにもこだわりがあり、特徴的なヒビ割れの模様が施されています。

こちらはクラックルパターンと呼ばれ、ガラスボトルが主流になる以前の陶器を意識したデザインで、オールドパーの伝統を重んじる姿勢が感じられます。

 

更に豆知識をもう1つ。オールドパーのボトルは、四隅のうちの一隅を底にして斜めに立たせる事が出来ます。

他のボトルですとバランスを崩して倒れてしまいますがオールドパーのボトルはこの斜め立ちを可能とします。

このことから味もさることながら「決して倒れない」、「右肩上がり」という験担ぎで吉田茂や田中角栄といった大物政治家が好んで飲んだウイスキーとしても知られています。

バーなどで飲む機会があればこちら、本当に立つのかどうか是非お試し下さい。

ウイスキー「オールドパー」のラインナップ

現在販売中である『オールドパー』のラインナップ、及び過去販売されていたボトルなどをご紹介していきます。

既に終売してしまった銘柄、原酒不足のため休売してしまった銘柄なども随時更新する予定です。

過去のものでも個性や特徴は引き継いでいるものが多いので、参考になさってください。

オールドパー シルバー

現在のオールドパーのレギュラーボトルと言って良いでしょう。

手軽にオールドパーとはどのようなものかを味わえるスタンダードな商品。

桃やオレンジ、洋ナシなどの水々しくフルーティな風味と、カラメルやカスタードのような甘みを同時に味わえるバランスのとれたボトルとなります。

ノンエイジですがアルコールの刺激は少なく、口当たりもスムースでピートはほとんど感じません。

「エクストラスムーズな味わい」を謳っており、ウイスキー1:ソーダ3のハイボールスタイルがおすすめと言われています(ソーダストリームとコラボもしていました)。

ロックまたはストレートでも美味しく頂けます。

オールドパー 12年

こちらは酒齢12年以上のモルト原酒をヴァッティングして作られたボトル。

シリーズ内ではシルバーの1つ上、中級クラスと言って良いでしょう。

オレンジの花や金柑に通ずる奥にビターが潜んだフルーツ感。クラガンモアに通ずる、うっすらと茶葉のようなアロマもあります。

シルバー同様の甘みも顕在で、余韻はスモーキー&オーク。

シルバーよりもやや複雑で奥行きのある味わいのボトルです。

やや濃いめのハイボールで。和食とも高相性です。

オールドパー 18年

日本国内で販売されているオールドパーの中では最長熟のプレミアム品。

長期熟成のモルトウイスキーにグレーンウイスキーをブレンドしています。

リニューアル前のクラシック18年を経ての新生18年ですが、複雑味はやや落ち、まろやかさと甘みが増したという印象です。

グレーンウイスキーが加わることにより近代に寄った飲みやすいウイスキーになったと思いますが、古きオールドパーに求める重厚感のようなものは薄れたイメージ。

使いどころによりますが、〆の一杯というよりは食事中に焼酎グラスで濃いめの水割りで嗜むような、いぶし銀なウイスキーに仕上がっています。

ストレートやロックのほか、加水して飲むのもおすすめです。

オールドパー クラシック 18年

現在は終売していますが、市場にはチラホラのこっているオールドパークラシックの18年。

18年以上という長期熟成、選ばれし9つのモルト原酒のみを掛け合わせて作られた贅沢なボトルです。

かなり複雑な香味を感じる事ができ、干しぶどうやプラム、ブラックチェリーなどの黒いベリー系、ドライマンゴー、桃もうかがえます。

土のついた枯れ葉のようなピートも感じることができ、口に含むとカラメル、バニラの中にナッツの香ばしさ、ナツメグやシナモンなどのスパイス感もあります。

余韻は濃厚なバニラとウッディさが際立ち、中くらい~やや長い。

複層的かつふくよかな風味は是非ストレートで味わっていただきたいものです。

少々高額ですが買って損はない味わいなので、市場に残っているうちにどうぞ。見つけたら買いです。

オールドパー スーペリア

「上級な」「高級な」という意味を持つスーペリアは、現在リリースしているラインナップの中でもプレミアムランクに位置するボトルとなります。

敢えて年数を表記しないノンエイジとしているのは、長熟の原酒と若い原酒を掛け合わせることで複雑かつ奥行きのあるラグジュアリーな味わいを演出しているからです。

トップノートにはメロン、白桃のようなフレッシュさもありますが、徐々にオールドパー特有のドライマンゴー、干しぶどうなどのフルーツ感とジャムを彷彿させる濃厚な甘みが上がってきます。

それだけでなくクローブやシナモンのスパイス、鼻腔をくすぐるスモーキーさが複雑さを増します。

飲むと贅沢な気持ちになれるまさに「スーペリア」の名にふさわしいボトルです。

なお既に終売しましたが、以前のものは「オールドパー スーペリア18年」表記がありました。

1989年に登場した商品で、よりオールドパーの熟成感が楽しめるコクありタイプです。

オールドパー 特級 デラックス

オールドパー 特級 デラックス

こちらは1980年代に流通していたボトルで現在のオールドパー12年と同様のグレードとなります。

12年という熟成年数がラベルに表記されるのは80年代後半から。

バブルの時代、サラリーマン達が憧れたオールドパーはまさにこのボトルでした。

カラメルと深いバニラの香り、そして黒糖のような濃密な甘みと充実したモルト感。

しっかりとピートも感じることができ、まさにしみじみうまい、昔ながらの出来の良いヴァッテッド・モルトウイスキーと言えます。

アルコール度数は43°、古酒となりますので価格幅はかなり大きいです。

保管状態により味の変化が著しく表れるため、購入時は見極めと覚悟を持つべきでしょう。

ちなみに30ml~100mlボトルで特級時代のオールドパーを扱っています。

オールドパー トリビュート

トリビュートとは尊敬や敬意をという意味を持ちます。

鏡開きの化粧箱が付き、現在ネットでは15,000円以上の高値で取引されている希少価値の高いボトルです。

中身は12年と同じくらいかなぁと思いますが、このいかついパッケージデザインにお金がかかっているのでしょうか。

オールドパー エリザベス

こちらはマスターブレンダーのモーリン・ロビンソンの手により30年以上熟成した秘蔵の原酒を厳選し、特別にブレンドした超プレミアムウイスキー。

エリザベス女王一世の即位450周年を機に特別に作られた限定ボトルです。

152歳という長寿を全うしたトーマス・パーの生涯のうち、45年もの長きに渡り世を治め大英帝国の礎を築いたエリザベス女王一世の即位450周年を記念して作られました。

長期熟成からくる熟したマンゴーや桃、熟れた柑橘系のフルーティとほろ苦い深いオーク、カカオの余韻を心ゆくまで味わえます。

そのボトル形状からもコレクターには人気が高く、現在は10万円以上で取引される希少性の高い超プレミアムウイスキー。

 

オーツカ

個人的な話ですが、うちの母が若いころに、とある選挙事務所のお手伝いをしていましてね。

議員が当選するとお祝いにこのオールド・パーで乾杯したそうです。

「当時、すごく高級なウイスキーで、とてもじゃないけれど庶民は飲めなかったから、すごく嬉しかったのよ。」と言っていました。

今はこういった高級酒が割と手軽に手に入る。いい時代になりました。

 




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