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オクトモアを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

オクトモアを学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

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オーツカ

ざっくり覚える!

オクトモアはスコットランドのアイラ島でつくられるシングルモルトウイスキーです。

ブルックラディ蒸溜所にて製造されているブランドで、「世界一スモーキーなウイスキー」の異名をとることで有名です。

ブルックラディ蒸溜所では

という3種類のブランドがつくられていますが、上記のppm(スモーキーさの指標)を見てもわかるように、オクトモアはとんでもない数値を示しています。

このフェノール値はスコットランドはもちろん全世界においても最大の数値です。

とりわけスモーキーで有名なアイラ島で造られている他のブランドと比較してみても

  • ボウモア 20~25ppm
  • ラフロイグ 40ppm~55ppm
  • アードベック 60ppm前後

とその差は歴然。

オクトモアはラフロイグやアードベッグなどを好む方が「スモーキーフレーバーを追求した先」に到達する、そんな存在のウイスキーなのです。

 

まとめて試飲できる!オリジナルのブルックラディセット

オーツカ
まずはオリジナルセットの紹介させてください!

ブルックラディの3ブランドを飲み尽くすセット

ブルックラディセット

ブルックラディ蒸溜所で作られているウイスキーのラインナップをまとめて飲んで、違いを知ってみたい!という方に向けて3本を少しずつ飲めるセットをご用意しました。

へビリーピートのポートシャーロット、そしてスーパーへビリーピートのオクトモアをセットにしました。

  • ザ・クラシックラディ (50度)
  • ポートシャーロット 10年 (50度)
  • オクトモア 10.1 (59.8度)

30mlセットと100mlセットから選べるので、少しずつ飲み比べて、ブルックラディというウイスキーを知ってください。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

ピートと大麦麦芽
オーツカ

オールアイラ産のヘビーピーテッドモルトを使い、史上最強のピーテッドウイスキーを謳う限界突破の一級品。それがオクトモア。

一説には間の味覚が感知できるフェノール値を超えていると言われていますが、「煙すぎて味も何もわからん!」ということにはなりません。

まずはどのエディションでもいいので、ひとまず試していただきたいと思います。

そして、スモーキーなウイスキーが大好きな方ならば、きっと思うことでしょう。

「アレ?それほど煙くない」と。

 

そうです。

原酒の性質や熟成年数の若さもあると思いますが、「意外と甘く」感じるはずです。

アードベッグのスーパーノヴァ(100ppm)とかのほうが全然煙く感じると思います。不思議なもんですね。

ボディの重量感や複層的に重なり合うフレーバーの妙がそのスモーキーさの厚みを作っているのだと思いますが、オクトモアは強い燻煙香はあるものの、それを抜けた後の世界はフルーティーで、甘いバニラや麦の大海原が広がっているのです。

飲み方ストレートかトワイスアップをおすすめします。お水を何滴か加えるとフルーティーさが開くタイプのものもあるので、加水用のお水もお忘れなく。

オクトモアには、ムッキムキのイカツイ髭のおじさまが、実は非常にしおらしい乙女の心を持っていたみたいなインパクトがあります。

オクトモアの発祥と歴史

どこで作られているのか?

ブルックラディ/ブルイックラディ蒸溜所正面

前述しましたがオクトモアが作られている蒸溜所はアイラ島にて1881年に創業したブルックラディ蒸溜所。

ブルックラディの特徴は製造において「テロワール」を大切にしていること。

そのため原料となる麦芽は全てスコットランド産、そのうち40%が地元アイラ島産のものとなります。

農家や品種ごとに分けて仕込みを行うため、ブルックラディのラベルには、原料となっている麦芽が何処の農家で作られた何の品種かという情報が記載されます。

スコットランドの大麦畑

ブルックラディはウイスキー業界で初めて食品における製造情報を明確にしたトレイサビリティを可能とした蒸溜所となります。

また製造はもちろん熟成・ボトリングに至るまで全行程を蒸溜所敷地内にて行えるように設備が充実しています。

詳細はブルイックラディの項でも書いています。

オクトモアの歴史

オクトモアはブルイックラディ蒸溜所から約1km南下したあたりにある村の名前からつけられました(オクトモアとはゲール語で「偉大なる8番手」という意味をもちます)。

余談ですが、このオクトモア地区にも、かつてオクトモア蒸溜所と呼ばれるウイスキー蒸溜所が存在していました。ブルックラディ蒸溜所が創設されたのはビクトリア朝時代の1881年ですが、オクトモア蒸溜所が稼働していたのはそれ以前の1816〜1852年。もっとも盛んに稼働していた1826~1827年だったそうです。

当時は1週間で65本のホグスヘッドに相当するスピリッツが蒸溜されていたといいます(だいたい16,000ℓくらいですね)。現在もブルックラディ蒸溜所ではこのオクトモアの地から湧き水を採取してウイスキーの仕込みや加水に使用しています。

ブルックラディ蒸溜所の蒸留器

ブルックラディ蒸溜所にて、オクトモアが誕生したのが2002年の9月23日。

フルーティーでフローラル、そしてリッチなアロマを持つブルックラディが、フェノール値の高いモルトを使用したらどんなウイスキーに仕上がるのか…?
そんな好奇心から、当時の最高責任者であるマーク・レイニア氏、そしてマスターディスティラーのジム・マッキュワンが冒険的にリリースしたブランドです。

まずはじめに、フェノール値80.5ppmのモルトを使い、最初のオクトモア原酒が蒸溜されました。

この出来栄えが良かったため、ブルックラディ蒸溜所ではさらにフェノール値を高めたウイスキーをつくろうと画策します。
2年目(2003年)のバッチで、スピリッツのフェノール値は100ppmを超えてしまったそうです。

こうして年を増すごとに新たな高フェノール値のボトルがリリースされ、オクトモアは個性派モルトが揃うアイラ島においても「孤高」とも呼ばれるオリジナリティあふれる存在になりました。

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オクトモアの製法(作り方)

オクトモア、ポートシャーロット、ブルックラディの三種類のウイスキー

オクトモアが造られる大きなきっかけとなったのは、ブルックラディのヘビリーピーテッドブランド、ポートシャーロットを作り上げたときのこと。

フェノール値40ppmジャストに合わせたピーテッドモルトを納入するインバネスにある製麦業者ベアーズ社に、どうやってフェノール値を均一に保っているのか?

と訊ねたところ

「フェノール値が約80ppmのモルトと0ppmのノンピーテッドモルトを混ぜて40ppmにしている」

という答えが返ってきたそうです。

それなら混ぜ合わせる前の、80ppmの超ヘビーピーテッドモルトを提供してフェノール値最大のモルトを使って新たなブランドを作ろう!
ということでオクトモアのプロジェクトが始まりました。

たくさんのピート

はじめは

「フェノール値が高すぎるピーテッドモルトではウイスキーの風味が損なわれ、逆に不味くなってしまうのでは…?」

という反対の声が内・外部から寄せられましたが、それを押し切ってプロジェクトは進められました。

スーパーへビリーピーテッドのモルトは、温度を抑えながら、できるかぎり長時間ピートの煙で燻されることによって完成します。

原料や環境によって個体差が生じるため、フェノール値は仕込みごとに異なります。

そのため定番品(スタンダードボトル)という概念がないオクトモアは、エディションナンバーで管理されています。

エディションナンバーのつけ方には大まかルールがあり、

まず1の位がリリースされた年数。

つまり1桁が同じ数字ならば、同じ年に発売されたボトルということ。

次に小数点以下

  • 「××.1」…バーボン樽100%原酒使用
  • 「××.2」…がワイン樽熟成原酒とのヴァッティング
  • 「××.3」…希少なオクトモア農場産の大麦を使用したもの。100%オクトモア地区で生まれたオクトモアの中のオクトモア。
  • 「××.4」はヴァージンオーク(新樽)100%原酒使用

 

など、年数の他に熟成樽や原料産地を細かく管理できるようにナンバリングされています。

近年次々にバージョンが増えていますが、蒸溜所は敢えて細かく分類することで飲み手に違いを楽しんで欲しいと考えているようです。

オクトモアのエディションナンバー

また過去に発売されたオクトモアの熟成年数は、ほとんどが5年前後。

若いように思えますが、フェノールの表現がもっとも華やかなタイミングであるという理由からこの熟成年数なのです。

そして

「ピートが強すぎる、熟成年が若すぎる、そんなウイスキーが美味い訳がない。」

とプロジェクト反対していた方々の予想を覆したかった…というマレー・キャンベル氏とジム・マッキュワン氏の反骨精神も込められているそうです。

今まででは考えられないような非常に高いフェノール値を持ち、更に5年という短い熟成期間で、エレガントかつ複雑な味わいをオクトモアは見事に実現させてみせました。

オクトモアの種類/ラインナップ 

すべて紹介するのは大変なので、これまで発売されたオクトモアのラインナップから幾つか紹介します。

過去のリリース商品はほとんど売れてしまっていますが、現在でも探せば見つけることができます。

[su_tabs active=”1″ mobile=”scroll” anchor_in_url=”yes”] [su_tab title=”直近~最新リリース” ]

オクトモア12.1 スコティッシュ・バーレイ

オーツカ

12シリーズの基準となる21.1は2014年収穫の大麦を使用し、2015年に蒸留。

原料の大麦はスコットランド産のスコティッシュバーレイ「コンチェルト種」を100%。

ファーストフィルのアメリカンオーク樽で全期間をアイラ島にて熟成しています。

熟成期間は5年、今回樽の出元が公開されておりませんでしたが、恐らくはジムビーム、ヘヴンヒル、バッファロートレース、ジャックダニエルから仕入れた1stフィルのアメリカンオークで熟成が行われていると思われます。

フェノール値は130.8ppm、アルコール度数は59.9%とやはり分厚い仕様。

オフィシャルコメントには、ただピーティーであるだけではなく、複雑かつ豊かなフレーバーを感じられるよう仕上げているとあり、今までオクトモアにピートの強さを期待して飲んできた人々にとって、新しいウイスキーの入り口になり得るでしょう。

オクトモア12.2 ソーテルヌ・カスク

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「.2」シリーズが日本国内で初の数量限定発売。国内は未定です。なかなか入ってこないので、個人輸入になっちゃうかな~。

原料の大麦はスコットランド産のスコティッシュバーレイ「コンチェルト種」の大麦を100%。

大麦の収穫が2014年、蒸溜が2015年の5年ものとなります。

カスクストレングスでアルコール度数は度57.3%、フェノール値は129.7ppmとなります。

構成される原酒は50%が1stフィルのバーボン樽、残りの50%が2ndフィルのバーボン樽で熟成された原酒。2種類の原酒をブレンドし、さらに蜂蜜のような香りを持つ極甘口の「フレンチ・ソーテルヌワイン」を払い出したばかりの1stフィルのワイン樽で18か月の間、後熟させ仕上げたボトルです。

オクトモア12.3 アイラ・バーレイ

オーツカ

2014年にアイリーン農場で収穫されたコンチェルト種大麦を使用し、2015年に蒸留しました。

フェノール値は118.1ppm、アルコール度数は62.1%。

熟成期間は5年、構成される原酒は75%が1stフィルのバーボン樽、25%が1stフィルのペドロ・ヒメネスシェリーのソレラ樽で熟成された原酒がブレンドされています。

大麦の生育地の差が生み出すフレーバーの違い、単一年のオクトモアの風味が楽しめる、大人気の『.3』アイラバーレイシリーズの1本です。

オクトモア11.1 スコティッシュ・バーレイ

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11シリーズの基準となる11.1は2013年収穫の大麦を使用し、2014年に蒸留。

ファーストフィルのアメリカンオーク樽で5年熟成しています。

熟成期間は5年、樽はジムビーム、ヘヴンヒル、バッファロートレース、ジャックダニエルから仕入れた1stフィルのアメリカンオーク。

フェノール値は139.6ppm、アルコール度数は59.4%と「edition 10.1」に比べても分厚い仕様。30,000本の限定生産です。

オクトモア 11.2 ONLINE DISTILLERY EXCLUSIVE

オーツカ

こちらは免税店限定でリリースされたボトル。こちらは国内では扱いがないボトル。バーで飲めれば御の字。好きな人は個人輸入で。

原料の大麦はスコットランド産のスコティシュバーレイを100%。

大麦の収穫が2013年、蒸溜が2014年の5年ものとなります。

カスクストレングスでアルコール度数は度58.6%、フェノール値は139.6ppmとなります。

構成される原酒は75%が1stフィルのバーボン樽、25%が「ボルドー5大シャトー」を擁するポイヤック村のワイン樽で熟成された原酒。2種類の原酒をブレンドし、さらに力強く香り高いワインが生み出されるサン・ジュリアン村のワイン樽で後熟させ仕上げたボトルです。

オクトモア11.3 アイラ・バーレイ

オーツカ

2013年にアイリーン農場で収穫されたコンチェルト種大麦を使用し、2014年に蒸留しました。

フェノール値は194ppm、アルコール度数 61.7%。

熟成期間は5年、樽はジムビーム、ヘヴンヒル、バッファロートレース、ジャックダニエルから仕入れた1stフィルのアメリカンオーク。

大麦の生育地の差が生み出すフレーバーの違いが楽しめる、大人気の『.3』アイラバーレイシリーズの1本です。

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[su_tab title=”まだあるかも!?オールド品” ]

オクトモア 01.1

オーツカ

記念すべきオクトモア第一号。

2002年10月に蒸溜、ボトリングは2008年の12月。5年熟成でアルコール度数は63.5%。

6000本限定での販売でした。

編集部未飲です。一説にはやや青っぽいセロリのようなアロマもあるとか。

オクトモア 02.1-140(77.5ppm)

オーツカ

熟成は5年で、アルコール度数は62.5%にてボトリングされています。

フェノール値はモルティング時点で140ppm、ボトリング時点で77.5ppmあります。

香りは強烈なヨード&スモーキー。

焦がした昆布のような香り。まるで磯の香る海岸沿いで行うバーベキューのよう。

口に含むと磯の香りが大爆発。

しかしそれだけでなく、後からしっかりとしたバニラの甘みとオイリー、ナッティが続きます。

ラベルに書いてある

「The most heavily peated whisky in the world.」(世界で一番ピーティなウイスキー-)という文字がピートの強さへの自信を表しています。

オクトモア 02.2_140 Orpheus(140ppm)

オーツカ

こちらはオクトモアのファーストヴィンテージとなる2002年、2003年のスピリッツをフレッシュバーボンの樽で熟成、その後シャトーペトリュスの樽に移し、後熟したボトルです。

フェノール値は140ppm。

香りは強いスモークとヨード、オーキーでバニラ、バターキャンディ、塩キャラメル、レーズンを感じます。

口に含むと磯とスモーキーの香りが膨らみ、後から塩バニラアイス、キャラメル、ビターオレンジ、トフィ、後半にレーズン様のフルーティが訪れます。

奥からベリーも感じられる、スモーキーかつフルーティな一本に仕上がっています。

世界で最も高値で取引されるといわれるペトリュスの樽にと世界一ピーティなモルトとのマリアージュを堪能できるボトルです。

オクトモア 06.1 スコテッィシュバーレイ(167ppm)

オーツカ

06.1は167PPM。

こちらはスコットランド産の大麦を100%使用して作られたスピリッツをアメリカンオークのバーボン樽で5年熟成、加水無しでボトリングしたもの。

フェノール値は167ppmとなります。

香りはスモークと磯のヨード。しかし思っていたよりは弱い印象です。奥にはレモンやオレンジの柑橘類。そしてバニラのアロマ。

味わいは最初に焦がした海藻のようなアタックから、穀物とバニラの甘み、バタースコッチ、同時にライムや洋ナシのフルーティも感じられます。

オーキーでスパイシー。コーヒーの後味。

スモーキーさはアードベッグよりも感じられません。最もピートの弱いオクトモアのひとつだと思います。

加水で甘味が増します。

オクトモア 06.3 アイラバーレイ (258ppm)

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こちらは蒸溜所から1マイル離れたオクトモアファーム内のジェームス・ブラウン農場で栽培された大麦を100%使用して作られたオクトモア。

この06.3のアイラバーレイはオクトモア史上最も評価が高いと思われます。

フェノール値は258ppmと数値上はかなり強烈。

香り厚みと重量感がありながらもなめらかなスモーキーフレーバー。

続いてバター、干し草、赤いリンゴ、バニラの甘い香り。コーヒーやダークチョコレートのビターでスウィートな風味を感じます。

味わいは強烈なスモークが訪れた後、クリーミーで甘いモルト感が支配します。ハチミツをかけたパンケーキ、焦がしたアップルタルト。

イチジクとチョコレート、スモークしたハム。ハーバルでスパイシーな印象もあり、ペッパーや甘草、アニスの風味。

加水することにより、ハーブの香りが開き華やかさが加わります。

オクトモア07.1(208ppm)

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こちらはアメリカンオークのバーボン樽にて5年熟成させたフルボディのオクトモア。

フェノール値は208ppm。

非常にボディが重いため、じっくりゆっくり飲むことをおすすめします。

5年熟成とは思えないほどに、フルボディで旨味が詰まったウイスキーです。

香りはエステリーで特有のスモークとヨード、青リンゴのフルーティさ。07.1よりは煙くありません。

味わいは粘性を感じるくらいのフルボディ。塩キャラメルと濃厚なバニラアイス。

強烈な燻煙香が抜けるとカラメル、シンナー様の風味も感じられ、時間が経つとパイナップルやライム、グレープフルーツのフルーティさを感じ取れるようになります。

長い余韻を楽しめる充実したボトルです。

最後の〆にスモーキーで満足度の高い一本を飲みたい時に。

オクトモア 08.1 マスタークラス(167ppm)

オーツカ

原料となる大麦はスコティシュバーレイ、スコットランド産。

2008年に蒸溜し8年熟成させたものとなります。

フェノール値は167ppm。

使用樽は全てファーストフィルのバーボン樽。

バッファロートレースやフォアローゼス、ヘヴンヒル、等の空き樽が使われているそうです。カスクストレングス、アルコール度数59.3%にてボトリングされています。

封開けはかなり固く、相当オイリーです。

香りは心地よい燻煙香からはちみつをかけたバニラ、奥にはレモンとオレンジの新鮮柑橘類。すこしオーク材を焦がしたような鼻抜け。

味は強い潮風味。エッジの際立ったブラックペッパーのスパイシーさがあります。溶けたバターシュガーから、少し野菜っぽい印象。青りんごも。

余韻にグリーンハーブ、そしてうっすらとスモークが残ります。

明るくてシャープな印象があるので、開封後しばらく放置して開くのを待った方が日本人の舌には合うかもしれません。加水はやめたほうがいいでしょう。

オクトモア 08.2(167ppm)

オーツカ

こちらは免税店限定でリリースされたボトル。

原料の大麦はスコットランド産のスコティシュバーレイを100%。

大麦の収穫が2007年、蒸溜が2008年の8年ものとなります。

カスクストレングスでアルコール度数は度58.4%、フェノール値は167ppmとなります。

かなり冒険した作品で、熟成方法は3つの異なるワイン樽で6年熟成させ、その後2年間イタリアのアマローネワイン樽で後熟させ仕上げたボトルです。

香りはやや湿った木を燃やしたようなスモーキーさ。ミルクチョコレートとブラックベリーのアロマが強く、ちょっとカレー(ガラムマサラ?)っぽい匂いもします。

味はスモークの後、赤と黒のベリー、塩キャラメル、まだ熟れてない桃。煙の印象は薄く、オクトモアの中ではフレッシュなピート香。

フィニッシュはスパイシー、灰や煙の中にブラックベリー、ジンジャー、ブルーベリーを感じます。

オクトモア 08.3 マスタークラス アイラバーレイ(309ppm)

オーツカ

人気の高いアイラバーレイ。

原料の大麦はアイラ島オクトモアファームで2010年に収穫されたもので2011年蒸溜の5年物。

フェノール値はオクトモアでも最大の309ppm(正確には309.1ppm)となり、この数値は未だ塗り替えられていません。

熟成樽は

56%がファーストフィルのバーボン樽

44%はポイヤックやヴァントゥー、ローヌ、バーガンディワインの樽を使用しています。

香りはトーストしたパン、新鮮なホヤを思わせる潮気、磯の香り。遠くの方に塩漬けの肉、チョリソーなどの肉感。

後半にはオークやバニラの甘やかな香り、ダークチョコレートのビター、そしてマンゴーやドライアプリコットのフルーツを感じます。

口当たりはフルボディ、オイリーで口内に入った瞬間スモークとヨードが膨らみ、奥から黒胡椒のスパイシーさが訪れます。

中間はハーバルでスパイシー。ミントやグリーンハーブのイメージからバニラやカラメル、ベイクドオレンジ、ダークチョコレートと展開。

ベリーやカスタードも潜んでおり、複雑でいて甘やか。繊細ですが個性あるモルティさを感じます。

アルコール度数が61.2%、リリース数は18,000本、カスクストレングスにてボトリングされています。

オクトモア  08.4 ヴァージンオーク(170ppm)

オーツカ

こちらは原料にスコットランド産のスコティシュバーレイを100%使用。

大麦の収穫が2008年、蒸溜が2009年に行われた8年となります。

フェノール値は170ppm。

ヴァージンオークカスクで8年熟成させた原酒が20%、バーボンバレルで8年熟成した後ヴァージンオークカスクでフィニッシュした原酒80%となります。

香りはかなり控えめのスモーク。ハチミツ、バナナ、マンゴーなどの南国フルーツ、ちょっと焦げたポップコーン。

味わいはハチミツの滑らかな甘み、ココナッツ、オーキー、僅かにレモンピール。

加水するとかすかなミントやユーカリのメントール。そしてシナモンなどのスパイスを感じ取ることができます。

カスクストレングスにてボトリングされておりアルコール度数は58.7% 。

全世界12,000本限定リリースとなります。

オクトモア 09.1 スコティッシュ・バーレイ(156ppm)

オーツカ

原料となる大麦は全てスコットランド産のコンチェルト種。

こちらは全期間ファーストフィル・アメリカンオーク樽で5年熟成させて作られたボトルです。

使用しておるアメリカンオーク樽は

  • ジムビーム51%
  • ジャックダニエル26%
  • クレアモント15%
  • オールド・グランダッド8%

という比率となります。

麦芽は2011年に収穫したもので、2012年に蒸溜。

アルコール度数は59.1%、フェノール値156PPM、世界42,000本の限定リリースとなります。

香りは温かさを感じる力強いスモーキー。オーク、バニラ、仄かにコンデンスミルク。

味わいはスモーク香が口いっぱいに広まり、それが引いてきた頃ナッツ、ファッジ、オレンジ、ココナッツ、僅かですがグレープフルーツの皮のような柑橘系も感じます。

余韻はオーキーさとピートが長く続き、終わらない海辺のバーベキューを彷彿させます。

オクトモア 09.3(133ppm)

オーツカ

こちらは原料となる大麦をオクトモア農場にあるアイリーンフィールドで育ったコンチェルト種のみを使用して造られたもの。

大麦の収穫は2011年秋、2012年に蒸溜を行い全期間アメリカンウイスキー樽とフレンチワイン樽で熟成して造られました。

使用されている樽は

  • ファーストフィルアメリカンウイスキー樽25%
  • セカンドフィルのバーボン樽10%
  • サードフィルのヴァージンオーク樽25%
  • セカンドフィルのフレンチワイン樽(リヴザルト20%、シラー20%)

これらで熟成した原酒をヴァッティングして造られています。

樽の種類は多いものの、セカンドフィルを多く用いることで樽の影響を抑え、やや低めの133ppmというフェノール値に仕上げることにより、アイラ育ちの大麦のフレーバーを引き立たせています。

6.3や8.3を通って来た方には少し物足りない香りではないでしょうか。

たき火のような温かみのあるスモーキーさ、焼いたばかりのトースト。紅茶クッキー、フルーツ缶詰のシロップ、レモンピール。

味わいは柔らかなスモークが鼻腔を満たした後、紅茶クッキーの香ばしい甘み、洋ナシ、ピーチパイ、豆乳の粉っぽさが訪れます。

余韻はオークの樽の良い香り、焚き火のようなスモーキーが長く続きます。

オクトモア 10.1 スコティッシュ・バーレイ(107ppm)

オーツカ

ついにオクトモアも10シリーズまできました。

10シリーズの基準となる10.1は2012年収穫の大麦を使用し、2013年に蒸留。

ファーストフィルのアメリカンオーク樽で5年熟成しています。

使用している樽はジムビーム、ヘヴンヒル、バッファロートレース、ジャックダニエルなど。

フェノール値は107ppm、アルコール度数は59.8%と相変わらずの分厚い仕様。42,000本の限定生産です。

香りはドライで青々しく、未成熟なリンゴやキャベツのような野菜類の匂いが漂います。続いてオクトモアらしい少し粉っぽいバニラとキャラメル、燻製香はやや薄い印象。

味わいはパワフルで温かく、ホワイトペッパーとプラム。アルガンオイルのようにオイリーで、大麦糖(キャンディ)の甘みの内側から海辺のたき火。貝、磯の風味。

後半は少し焦げたキャラメルの風味、クリーミーでまとわりつくようなスモーキーさが長く残ります。

オクトモアの素直なところが出ているというか、そこまで難解でないわかりやすいボトルと言えそうです。

フィニッシュ後もスモーキーさは続きますが、余韻は短い印象です。

オクトモア 10.2(167ppm)

オーツカ

こちらは免税店限定でリリースされたボトル。国内でも通販で売っているところがあります。

原料の大麦はスコットランド産のスコティシュバーレイを100%。

大麦の収穫が2009年、蒸溜が2010年の8年もの。カスクストレングスでアルコール度数は度56.9%、フェノール値は167ppm。

始めの4年間は1stフィルのバーボン樽で熟成させ、その後4年間ソーテルヌワイン樽で後熟させ仕上げたボトルです。

ネクタリンやパッションフルーツなどのトロピカルと、オクトモアらしい甘やかなスモーキーさが調和しています。

オクトモア 10.3 アイラ・バーレイ(114ppm)

オーツカ

大人気の『.3』アイラバーレイシリーズ。

2012年にジェームズ・ブラウン氏の農場で収穫されたコンチェルト種大麦を使用し、2013年に蒸溜しました。

フェノール値は114ppm、アルコール度数 61.3%。

熟成期間は6年、樽は上記10.1と同じ種類のアメリカンオーク樽。

熟成場所も第16貯蔵庫で10.1と隣り合う場所ということから、両者のフレーバーの違いは大麦の生育地の差ということになります。

香りはスモーキーさの中に、柑橘系、レモン、ミント、スモーキーなパイナップル。

味わいはバニラと白ブドウ、やや青いバナナ。ライムとマジパン。ピーティでハーバルな印象で植物っぽさ、土っぽさが強いです。

フィニッシュにはヨウ素、岩塩、少しのタール。残り香は心地よいバニラ。

9.3のほうが個性的だった気がしますが、こちらも複雑で美味しいです。フィニッシュが少しネガティブに感じる人はいるかもしれません。

少量加水するとフレーバーを分解でき、明らかによくなります。

オクトモア10年 セカンドエディション(167ppm)

オーツカ

2001年の蒸留所再開から10周年を記念して2012年に発売した「10年ファースト・エディション」。

その後再販されたのがこの第2弾「セカンド・エディション」。2019年7月には「サード・エディション」も発売されています。

セカンド・エディションは、ブルックラディ蒸留所の哲学の一つである”We believe Challenging Convention(私たちは既成概念への挑戦が重要だと信じている)”を体現すべく、 新たにヘッド・ディスティラーとなったアダム・ハネットがつくり上げました。

2006年蒸留、2016年ボトリングの10年熟成、すべての期間アイラ島で熟成、フェノール値167ppm、ノン・チルフィルター、無着色。シングルヴィンテージのスペシャルシリーズです。

かなり強い潮を感じさせるアロマで、レモン、ライム、麦芽糖。ピーティさは抑えられておりとてもまろやかで穏やか。バランスが良い。

味わいはオイリーでフレッシュ。マスカットや白ワインといった明るい甘さ。干し草と麦芽糖、土っぽいピーティーさの中に少しレザーバッグのようなイメージ。

終盤はフルーティーでホワイトペッパーのスパイス。スモーキーさがダラダラと残るわけでもなくココナッツとバニラの甘い風味が長く続きます。

オクトモアシリーズが好きな方にはぜひ感じてもらいたい味わいです。

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オーツカ

ずば抜けたフェノール値を持つオクトモアですが、、フェノール値はあくまでスモーキーさの度合いを数値化したものであり、ウイスキーの「美味しさ」に直結するものではありません。

しかしこのフェノール値の高さに興味をそそられて飲んでみると、そのフルーティさやナッティさに驚かされるわけです。

 




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