ウイスキー界隈にささやかれ続ける「古参が怖い」問題。
バーの隠れ家的な様子とも相まって、新規を委縮させる要因の一つになっている。
古参から「にわか」と揶揄され、排他的に扱われるのではないか?新規ファンには不安な思いを抱いている方もいることだろう。
否。
これは、ウイスキー界隈だけでなく、すべての趣味に通ずる問題だ。
古くからのファンが老害化せず、新たなファンを寛容に受け入れてこそ、業界は発展する。
ブームに沸き、原酒不足の続くウイスキー界だが、蒸溜所の大量建設、原酒の大量生産によるダブつきで淘汰の時代は必ず来る。
「飲む」ことを愉しむ新規ファンをしっかり増やし、来る冬の時代に備えるのだ。
今回は「愛飲家の先輩や、バーテンダーからもらって嬉しかった言葉・エピソード」を募集し、紹介していく。
どの業界もそうだが「古参が嫌われると、同時に作品(商品)も嫌われる可能性がある」ということ。
逆にファン層が優しく、寛容であれば作品に興味がなくとも好きになることもある。
ウイスキー初心者の頃に感動した、忘れられないエピソードを共有することで、新規ファンに優しくするとは、つまりどういうことなのか学んでいこう。
先輩たちからもらって嬉しかった言葉・エピソード
すべては紹介しきれないが、アンケートからいくつかのエピソードを抜粋してみる。
多様性を尊重するエピソード
好みや飲み方は千差万別。人それぞれ。
自由に選択していいと先輩から言ってもらえるだけで、初心者は心強いはずです。
気前よく飲ませてもらえたエピソード
これぞ先達のあるべき姿。
後輩たちもこのバトンを繋いでいこうと思うはず。
知識を共有してくれたエピソード
プロフェッショナルが持つ知見を共有してもらえるのは貴重な経験ですね。
うまく話すのも、話させるのも愛があってこそ。
佇まい・所作に感動したエピソード
バーではこういう状況よくあるなぁ。
自分も見られていると思うと酔っていても背筋が伸びます。
同じ趣味人との出会いを提供してくれたエピソード
他にもバーテンダーさんが色々なお酒を教えてくれた、サービスしてくれたといった意見が多々ありました。
もちろん商売なのでサービスもあるでしょうが、ウイスキー(お酒)が好きという人を嫌うバーテンダーはいないことでしょう。
愛飲家たちが新参者だった頃にもらって嬉しかったエピソードは、どれも「愛と寛容」に満ちている。
ただ優しく接するというよりも、「スマートで上品な共有力」のようなものが伺える。
同じ趣味を持つ者同士、その趣味を共有したいと思うのは至極当然だろう。
それを“おせっかい”や“おしつけ”にならないよう配慮しているように思える。
この後、逆の「最悪だったエピソード」を記事にしていくが、そこでもこのスマートな共有力はキーになってきそうだ。
本日はここまで。