アイラ島のカリスマ、アードベッグ蒸溜所が、年に一度の祭典「アードベッグデー」(2025年は5月31日開催)を祝して、「アードベッグ スモーキバース」を発表しました。
これは、アイラ・フェスティバル・オブ・ミュージック&モルト(Fèis Ìle)のフィナーレを飾る、ファン待望のリリースです。
アードベッグ初の試み「ハイグラビティマッシュ」
「スモーキバース」の最大の特徴は、アードベッグ史上初となる「ハイグラビティマッシュ」製法で造られたことです。
これは、仕込み(マッシング)の際に使用する水の量を減らすという、常識を覆す試み。
麦芽から糖分を抽出するこの工程で水分量を抑えることで、麦汁(ウォート)の糖度を高め、「アセテートエステル」と呼ばれる香り成分がより多く生成されました。
その結果、従来のアードベッグのスモーキーさに加え、驚くほどフルーティーでトロピカルな個性が引き出されたのです。
スモーキーさとフルーティーさが織りなす宇宙

バーボン樽で熟成されたノンエイジステートメント(熟成年数非公開)の「スモーキバース」(アルコール度数48.3% ABV、ノンチルフィルタード)は、まさに香りと味わいの小宇宙。
- 香り: スモークされたバブルガムのような弾けるフルーティーさとエステル香。熟した大麦やトーストしたサワードウブレッドの香ばしさも感じられます。加水すると、甘くアロマティックなピートスモークが現れ、まるで優しく燻されたジューシーなトロピカルフルーツのようです。
- 味わい: リッチでクリーミーな口当たりから、タールやクレオソート、アニス、クローブのようなシャープでスパイシーなノートへ。しかし、マススコバド糖(黒糖)のような独特の甘みがそれらを和らげます。甘いオークやレザーのような、しっかりとしたウッディさも感じられます。
- 余韻: 土っぽいピートモス、焚き火の残り火、そして木炭のようなスモーキーさが長く続きます。
開発責任者が語る「新たな境地」

アードベッグのウイスキー製造責任者であるビル・ラムズデン博士は、次のように語っています。
「ハイグラビティマッシュで造った初めてのウイスキーである『スモーキバース』は、我々のシングルモルトが持つクラシックなピーティーさを、フレーバーの新たな境地へと導きます。
麦汁の濃度を新たな高みへと引き上げることで、マッシュタンの最も深いところから、よりフルーティーで甘いフレーバーを引き出すことに成功しました。
最初の一口で、エステル香の鮮やかな爆発、スモークされたバブルガムのようなアロマ、そして大麦の香りを感じるでしょう。
その後、ピーティーなノートがジューシーなトロピカルフルーツと衝突し、マススコバド糖の豊かな深みへと沈んでいきます。」
今年のアードベッグデーは宇宙がテーマ!

今年はアードベッグコミッティー設立25周年という記念すべき年。5月31日に蒸溜所や世界各地で開催されるアードベッグデーは、「スモーキバース」にちなんで宇宙がテーマです。
コミッティーメンバーやウイスキー愛好家は、宇宙をテーマにしたゲーム、星間カクテル、ウイスキーテイスティング、スモーキーな軽食などを通して、「スモーキバース」が表現する高重力の世界(ハイグラビティ)を体験できます。
発売情報
- 英国/公式サイト先行: 2025年5月28日~30日(Ardbeg.comおよびアードベッグエンバシー限定)
- 英国/一般: 2025年5月31日より、ウイスキー専門店などで発売。希望小売価格(RRP) £93.00。
- 米国: 2025年5月15日より、一部の小売店で発売開始。希望小売価格(SRP) $124.99。
アードベッグが切り開く新たなスモーキーフレーバーの宇宙、「スモーキバース」。このユニークな一杯を、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。