新潟亀田蒸溜所が、ついに3年熟成のシングルモルトウイスキー「OHTANI WHISKY 新潟亀田」を2025年3月15日に全国で発売します。
製造元である新潟小規模蒸溜所は、印章業界最大手「はんこの大谷」の子会社で、異業種からのウイスキー事業参入が注目されていました。
また、ウイスキー製造の副産物を活用したウナギ養殖事業にも取り組んでおり、持続可能なビジネスモデルの構築を目指しています。

ウイスキー事業参入の背景

「はんこの大谷」は長年、印章製造・販売業界を牽引してきましたが、2020年の行政改革による「脱はんこ」の動きにより、事業の多角化が求められる状況となりました。
ウイスキー好きの堂田浩之氏(新潟小規模蒸溜所社長)が中心となり、新たな挑戦としてクラフトウイスキー事業を立ち上げ、2019年に会社設立、2020年6月に製造免許を取得、2021年2月に蒸溜を開始しました。
この決断は、単なる事業転換ではなく、「世界に通用するビジネスを創りたい」という強い意志によるものでした。
「OHTANI WHISKY 新潟亀田」について
今回リリースされる「OHTANI WHISKY 新潟亀田 Zodiac Sign Series “Pisces”」は、新潟亀田蒸溜所として初のシングルモルトウイスキーとなります。
特徴
- 100%自社蒸溜モルト原酒使用
- 3年熟成
- First Fill Bourbon樽など複数の樽を使用
- バーボン樽由来の甘みと酸味が調和し、長く続く余韻が特徴
商品概要
- 価格:9,980円(税別)
- 発売日:2025年3月15日
- 販売:全国の酒販店
記者による試飲レビューでは、「チョコレートのような甘い香りと、口に含んだ後の長い余韻」が特徴とされ、飲みやすさとインパクトを兼ね備えたウイスキーに仕上がっています。
ウイスキーの副産物を活用したウナギ養殖
新潟亀田蒸溜所では、ウイスキー製造時に発生する副産物を活用したウナギの養殖にも取り組んでいます。
- ウイスキーの製造過程で発生する約70℃の温水を活用し、養殖池の温度を25〜30℃に維持
- ウナギの餌にウイスキー麦芽の絞りかすを使用
- ウナギ特有の臭みが軽減され、より上質な味わいに
2024年から本格化したこの事業では、2025年4月からウナギの販売を開始し、ふるさと納税返礼品としての活用も検討されています。
新潟亀田蒸溜所の今後の展望

新潟亀田蒸溜所では、今後さらなるウイスキー造りの探求を続けていきます。
例を挙げると
- 県内各地に熟成庫を設置し、異なる環境での熟成を試行
- コンテナ内での高温多湿熟成や、船底での熟成プロジェクトを実施
- 将来的にはフロアモルティング(製麦)にも挑戦予定
などなど。
堂田氏は「エステル香たっぷりで淡麗なウイスキーを目指している」と語り、日本酒文化が根付く新潟の地で独自のクラフトウイスキー造りに取り組んでいます。
今後の新潟亀田にも注目です。