フランスのコニャックメーカー「カミュ」が中国最大手の白酒メーカーの一つである「古井貢酒(Gujinggong)」と手を組み、中国安徽省に革新的なウイスキー蒸溜所「Guqi Distillery」を設立しました。
総額約3,000万ドル(約43億円)の投資により建設されたこの蒸溜所は、予定よりも早く2023年に生産を開始し、中国のウイスキー市場に新たな可能性を示しています。
異文化融合のウイスキーづくり
「Guqiウイスキー蒸溜所」は、中国の古来の知恵と西洋の最新技術を融合し、新しいウイスキーの可能性を模索しています。
同蒸溜所のゼネラルマネージャーであるライアン・カミュ氏は次のように語っています。
「Guqiでは、偉大さは時間と文化を超えてインスピレーションを得ることで生まれると信じています。古代中国の知恵と現代西洋の技術を組み合わせることで、ウイスキーの新たな可能性を再定義します。」
蒸溜所では、伝統的なシングルモルトウイスキーの生産に加え、中国の薬草を使用してアロマを加えたウイスキーも手がける予定です。
これにより、まったく新しい味わいのウイスキーが生まれることが期待されています。
蒸溜所の特徴:ロケーションと建築
安徽省亳州市に位置する「Guqiウイスキー蒸溜所」は、2つの地理的特性を最大限に活用しています。
ミネラル豊富なアルカリ性の天然水
蒸溜所の近くにはミネラルが豊富で自然にアルカリ性の水源があり、ウイスキーの製造に理想的です。変化に富む気候
気候の変動が大きい地域であるため、ウイスキーの熟成が早まり、独特の香りと味わいを実現します。
また、蒸溜所の建築は、フランスと亳州の建築様式を組み合わせたアーチデザインを採用しており、使用される材料もフランス産と地元産が融合しています。
古井貢酒(Gujinggong)とは?
「古井貢酒」は中国で4番目に大きな白酒メーカーで、年間売上は25億ユーロ(約3,700億円)を超えます。安徽省亳州市を拠点とし、古井貢酒は伝統的な製造技術を活かして中国市場で広く支持されています。
カミュは、過去20年にわたり中国の白酒ブランド「茅台」とも提携を進めており、中国市場への深い理解とネットワークを構築してきました。
Guqi蒸溜所の新スタイルのウイスキーと体験
「Guqi蒸溜所」では、伝統的なウイスキー製造の枠を超えた新技術やフレーバーの探求を進めています。特に、中国の文化や食事に合うウイスキーの開発に注力しており、「世界で最も香り高いウイスキー」を目指しています。
また、蒸溜所は来年、招待制のプライベートバレル購入プログラムを開始する予定です。一般販売は行わず、特別な顧客を対象とすることでブランドの独自性を強調しています。
カミュの国際的な挑戦と中国市場の未来
「Guqi蒸溜所」は、カミュが中国市場で進める革新の象徴といえます。過去には、カミュがアイルランドの「ランバイアイリッシュウイスキー」を立ち上げるなど、コニャック以外の領域でも成功を収めています。現在、世界のコニャック市場は成長を続けており、2032年には市場規模が102億ドルに達すると予測されています。
中国市場におけるウイスキー消費の拡大とともに、「Guqi蒸溜所」がどのように独自の地位を築いていくのか、今後の展開に注目が集まります。
Guqiは古祁(グーチー)って読むのかな?