新潟県村上市に位置する「吉田電材蒸溜所」は、日本初となる「グレーンウイスキー専業蒸溜所」。
同蒸溜所は、2024年にアジア最大級の蒸留酒コンペティション「TWSC2024」で特別賞「ベスト・ジャパニーズ・クラフト・ディスティラリー」を受賞。
ウイスキー愛好家や業界関係者の間で話題となる中、初のプレ定番商品「シングルグレーン1year 1st」を限定4,000本で発売しました。
グレーンウイスキーで挑むクラフト蒸溜の未来
グレーンウイスキーに特化した革新的なアプローチ
日本国内では、クラフト蒸溜所の多くがモルトウイスキー製造を主軸としていますが、吉田電材蒸溜所はあえてグレーンウイスキーに特化しました。
従来、グレーンウイスキーは「ブレンデッドウイスキー用のベース」として扱われることが一般的。
しかし、同蒸溜所は「グレーンウイスキーそのものを愉しむ」という新たな価値観を提案しています。主力ラインとして以下の2つを展開予定です:
- ラウドグレーン®:穀物の風味を最大限に引き出した主張の強いウイスキー。
- スモールバッチグレーン®:少量生産で独創性を追求した限定商品。
「クラフトらしさ」を追求
吉田電材蒸溜所の挑戦は、単なる製造手法の差別化にとどまりません。同蒸溜所は、日本の土地や穀物の個性を生かし、これまでにない味わいのグレーンウイスキーを目指しています。このようなアプローチは、クラフトウイスキーの枠組みを広げる試みといえます。
初のプレ定番商品「シングルグレーン1year 1st」
商品スペック
- 容量:250ml
- アルコール度数:55%
- 希望小売価格:3,960円(税込)
- 熟成樽:アメリカンホワイトオーク新樽
- 製造本数:限定4,000本
テイスティングノート
- アロマ:チョコレートコーティングされたリンゴの蜜飴、梨、ルレクチェ。
- 味わい:出汁のような旨味が広がり、控えめなスパイシーさが特徴。コンポートの甘味とわずかな溶剤のニュアンス。
- フィニッシュ:レーズン、べっ甲飴、シナモンが調和し、澄み切った心地よい余韻が続く。
国内クラフトウイスキー市場における役割
ジャパニーズウイスキーの定義と需要
2024年4月に施行された「ジャパニーズウイスキーの定義」では、海外産原酒の混合が制限されています。
この新ルールのもと、国内のクラフト蒸溜所がジャパニーズブレンデッドウイスキーを製造するには、国産グレーン原酒の確保が鍵となります。
吉田電材蒸溜所は、こうした需要を満たすため、国内でのグレーン原酒の製造を本格化しています。
国産原料へのこだわり
使用する穀物の70%以上は北海道産のデントコーンを採用。さらに、ライ麦や大麦麦芽も国内調達を進めています。
同蒸溜所は、将来的に100%国産原料での製造を目指し、持続可能なウイスキーづくりに挑戦しています。
吉田電材蒸溜所が描く未来
吉田電材蒸溜所の取り組みは、日本のクラフトウイスキー業界における新しい選択肢を提供します。これまでモルトウイスキーが主流だった市場に、グレーンウイスキーという新たな潮流を生み出しました。
また、新潟県村上市という土地柄を生かしたウイスキーづくりは、地域のアイデンティティを反映する試みとしても注目されています。日本ならではの素材を活用したグレーンウイスキーは、国際市場でも独自性を発揮する可能性を秘めています。
フェスやSNSでも独自の路線で人気を博している「吉田電材蒸溜所」。
シングルグレーンウイスキーという未開拓の分野での挑戦は、多様性を求める市場において確かな意義を持っています。この革新的な動きを、今後も注視していきたいところです。
公式サイト:吉田電材蒸溜所公式HP