タイ最大の飲料メーカー、タイ・ビバレッジ(ThaiBev)が、今年9月頃に発売を開始したタイ国内初のプレミアムシングルモルトウイスキーブランド「プラーカーン(PRAKAAN)」。ついに国際市場へ進出を目指します。
プラーカーン(PRAKAAN)は、タイの豊かな自然遺産とスコットランドの蒸留技術を融合させたもので、国内外のウイスキーファンに向けた新たな提案となります。
プラーカーンの特徴
タイ西部カンペーンペット県に創設されたプラーカーン。
この地域は、ユネスコの世界遺産に登録されるほど豊かな自然と澄んだアルカリ性水を誇り、その水がウイスキーの仕込みに使用されています。また、ブランド名はカンペーンペットの歴史的な防御壁(プラーカーン)に由来し、「強さ」と「保護」を象徴しています。
蒸留にはスコットランドから輸入された銅製ポットスチルが使用され、9人の熟練したマスターディスティラーが製造工程を監督しています。
熟成にはアメリカンオークのバーボン樽やスペイン産シェリー樽など、輸入された高品質な樽が使われています。
3つのラインナップ
プラーカーンは現在、以下の3製品を展開しています。2024年10月以降にタイ国内で販売が開始されました。
- プラーカーン セレクトカスク
アメリカンオークのバーボン樽で熟成し、フルーティーで滑らかな味わい。2,250バーツ(約9,100円) - プラーカーン ピーテッドモルト
トーフ(ピート)を使用した大麦から作られ、スモーキーな香りが特徴。2,500バーツ(約10,100円) - プラーカーン ダブルカスク
アメリカンオークのバーボン樽とスペイン産シェリー樽での2段階熟成による複雑な風味。2,850バーツ(約11,500円)
国際市場への挑戦
タイ国内のウイスキー市場は現在約1,143億バーツ(約4,620億円)の規模を持ち、今後の成長が期待されています。
タイBevのスピリッツ事業の責任者であるプラパコン・トンテッパイロット氏は、消費者の割合がタイ人50%、外国人50%であることを背景に、プラーカーンを国際市場に展開する意向を示しています。
特にアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本といったウイスキー文化が浸透し購買力が高い市場をターゲットにしています。同氏は「タイの豊かな文化遺産と革新的なマーケティング戦略を融合させることで、シングルモルトウイスキーが評価される国々での拡大を目指しています」と述べています。
タイ発ウイスキーの未来
タイ初のシングルモルトウイスキー「プラーカーン」は、タイ国内のウイスキー愛好家のみならず、国際市場でも注目を集める可能性を秘めています。その洗練された品質とタイ独自の風味が、これからどのように評価されるのか期待が高まります。