スコットランドの老舗蒸溜所オーバンが、「オーバン 15年 カスクストレングス シングルモルト」をリリースします。
このボトルは、オロロソとパロ・コルタドのシェリー樽でフィニッシュが施されており、アルコール度数55.3%(110.6プルーフ)でボトリングされています。
オーバンならではの海沿いの個性と、シェリー樽由来の深いフレーバーが融合した一品です。
オーバン 15年 カスクストレングスの香りと味わい
海の風とシェリー樽が生む複雑な味わい
「オーバン 15年 カスクストレングス」は、豊かな海塩のニュアンスとシェリー樽由来のフルーティでスパイシーな風味を特徴としています。15年の熟成がまろやかな充足感を与えてくれます。
- 香り:甘いドライフルーツに、オレンジピールの爽やかさと温かみのあるオークの香りが広がる。
- 味わい:濃厚なダークチョコレート、シェリー漬けのレーズン、ナツメグのスパイシーなアクセント。
- フィニッシュ:温かく持続する余韻の中にスパイスが広がり、最後にはほのかな海塩が感じられる。
オロロソとパロ・コルタドのシェリー樽を使用することで、豊かな甘みとドライなスパイスが絶妙にバランスした仕上がりとなっています。
歴史あるシリーズの続編
今回のリリースは、昨年話題を呼んだ「オーバン・ヤングテディ」に続くもの。
「ヤングテディ」もオロロソとパロ・コルタドシェリー樽でのフィニッシュが特徴で、蒸溜所の伝統や地域性、マクリーン家の遺産を祝うシリーズとして注目を集めました。
この新作は、オーバン蒸溜所が持つ長い歴史とクラフトマンシップを体現したウイスキーです。
商品情報と販売
「オーバン 15年 カスクストレングス」は、特定のウイスキー専門店や一部のオンラインリテーラーで販売されており、価格は未定ながらも限定リリースとして高い人気が予想されます。購入希望者は早めの確認が必要です。
オーバンの新作は、シェリー樽フィニッシュの奥深さとカスクストレングスの力強さを兼ね備えた、愛好家必見のアイテムです。この冬、オーバンの海風を思わせる一滴を堪能してみてはいかがでしょうか?
オーバンのラインナップ
オーバン 14年
オーバンのスタンダード的ボトル。
1987年にディアジオ社からリリースされたクラシック・モルト・シリーズの西ハイランド代表として見事選ばれリリースされたボトルです。
香りは乾燥させたみかんの皮、紅茶、シリアルの香ばしさとフローラルなアロマ。
味わいは香りで感じられたみかんが口の中で開きフレッシュオレンジに変わります。他にもライムなどの柑橘系、クリーム、ハチミツと続きます。
加水するにつれて塩辛いブリニーさも感じられ、余韻はビターなナッツ、やや焦げたクルミ。
スタンダードにして完成度が非常に高いボトルです。
オーバン ディスティラーズエディション ダブルマチュアード
こちらはUD社(現ディアジオ社)クラシック・モルトを構成する6蒸溜所の各マスターディスティラー監修の下につくられた、ダブル・マチュアード・シリーズの一つ。
オーバン・ダブルマチュアードはスペイン・コルドバ南方のモンティージャ産フィノ・タイプの酒精強化ワイン、「モンティラ・フィノ・シェリー」の古樽で仕上げに熟成を行っています。
原料が甘口ワインで知られるペドロヒメネス種であるため、ふくよかな甘みとオークのスパイシーさを併せ持つボトルです。
香りはほのかにレーズン、アンズ、蜂蜜、僅かにオレンジピールも感じます。
味わいはお香の香りをまとった甘みがふわりとひろがり、ベリー系のドライフルーツを思わせる甘みとモルト感。
余韻はほんのりビター、ウッディ、白コショウのような爽快感のあるスパイシーさ。
甘みとビター、フルーツ感など複雑な味わいが絶妙なバランスで成り立つ高級感を感じさせるボトルです。
オーバン リトルベイ
2015年に免税店向けにリリースされたノンエイジのボトル。
当時は様々な蒸溜所からガンガン年数表記のない短期熟成ボトルが発売され、14年熟成にこだわっていたオーバンもか!と驚いたものです。
香りは特徴的なフレッシュオレンジとバニラの香り、白ブドウ、切り花のような青さとゆったりとオークの匂い。
口当たりはやさしくマイルド。
味わいはオレンジとハチミツがけトースト、ケーキのスポンジ部分、コショウとアプリコットのスパイシーさを感じます。
終盤には干し草や土っぽさを感じるなんとも素朴な余韻。
「オーバン」はゲール語で「小さな港」という意味なのですが、リトルベイも「小さな港」なので、とても謎なネーミングだなと思いました。
オーバン 18年 リミテッドエディション
こちらはアメリカ市場向けにリリースされたオーバンの限定商品。
ボトル容量も米国規格の750mlと少しだ多めに入っています。
スタンダードの14年ものとの味の方向性はほぼ同じですが、長熟からくるリッチで複雑な味わいが決定的な違いといえるでしょう。
セカンド、サードフィルなどの樽を上手く活かして熟成しているようで、見事な熟成感を楽しめます。
香りは乾燥した麦芽、藁半紙、バニラ、お馴染みのオレンジ入りのマフィン、甘いスモーキーさ。
口当たりはやや重ためで、塩キャラメル、シュガーシリアル、ハニーナッツなどの甘さと香ばしさ。
奥に洋梨のフルーティーさも潜んでおり、後半でふわりと顔を出します。
余韻はソフトだけれどもスパイシー。オーク材の香りが深く沁みる。
アメリカ市場向けにリリースされたボトルのため国内で見かけることはほとんどないですが、バーで見かけた際には是非ストレートでお楽しみ頂きたいボトルです。
オーバン 21年
こちらは昨年(2018年)にディアジオからリリースされたオフィシャルの21年ものです。
21年熟成は2013年にもリリースされており、約5年ぶりのリリースとなります。パッケージやラベルデザインの印象はずいぶん変わりました。
熟成にリフィルヨーロピアンオークバットが使われています。
香りはハチミツ、ベイクドオレンジ、マカダミアナッツ。
口当たりはどっしりしており、口に含むと蜂蜜、モルト感が一気に広まります。
後からオレンジやリンゴのフルーティーな風味が追いかけ、後半はドライジンジャー、コショウのスパイシーっぽいニュアンス、スモーキー、青リンゴやオレンジのフルーティーさ。
後半はブラックペッパー様のスパイス、ドライジンジャー、山椒のスパイシーへと続きます。
蜂蜜様の甘みとフルーツ感をとことん楽しめるよくできた味わいのボトルです。