イギリスのインディペンデント・ブレンデッドウイスキーメーカー、コンパスボックスが11月14日に限定ボトル「Secrets of Smoke」(シークレッツ・オブ・スモーク)をリリースします。
新作は、ピーテッドモルトの「隠れた甘さ」を引き出すことをコンセプトにしており、ウイスキーファンに新たな味覚体験を提供する意欲作です。
ピートと甘みの融合を追求した「シークレッツ・オブ・スモーク」
「Secrets of Smoke」は、ピートのスモーキーさに隠れた甘みの層を最大限に引き出すため、「Palo Cortadoシェリー樽」や「セカンドフィルのスペイン赤ワイン樽」、さらに「ファーストフィルのマルサラ樽」を使用しています。
これにより、スモーキーな特性とともに、ペアやキャラメル、ピーチ、スパイス、シトラス、海のスモーク感が絶妙に絡み合った複雑な味わいが生まれました。
アルコール度数は52%で、ノンチルフィルタリング、無着色のボトリングです。
リードウイスキーメーカー、ジェームズ・サクソン氏は「ピーテッドウイスキーに隠された甘さに焦点を当て、スモークの背後に現れるフレーバーを楽しめるように設計しました」と語っています。
また、クリエイティブエージェンシー「Stranger & Stranger」と協力して、ラベルにはスモークの中から浮かび上がるフルーツやハニー、フラワーがデザインされており、視覚的な魅力も兼ね備えています。
価格は130ポンド(約24,000円)で、11月14日より販売されます。
3500万ポンドの投資でグローバル拡大を加速
今回の新作リリースに加え、コンパスボックスはさらなる成長に向けた資金調達にも注力しています。
イギリスのサンタンデールUKから3500万ポンド(約63億円)の融資を確保し、今後のグローバル展開を後押しする体制を整えています。
この資金は、ウイスキーの品質を高めるためのカスクや原酒の調達、倉庫の拡充、そしてヨーロッパやアジア、トラベルリテール市場での成長に活用される予定です。
サンタンデールUKの国際ネットワークを通じて海外での販路拡大も計画しており、サクソン氏は「単なる資金提供を超えたビジネスパートナーシップ」としてサンタンデールを評価しています。
コンパスボックスの今後に注目
コンパスボックスは、設立者ジョン・グレイサー氏のリーダーシップのもと、独創的なウイスキー造りで知られ、近年は新たなリーダーシップと強力な投資によりさらなる発展を目指しています。
2022年にはロンドンの投資会社Caelum Capitalが資本参加し、グローバル展開の拡大をサポートする体制を強化。
2024年にはグレイサー氏がCEO職を退き、新たにモーリス・ドイル氏がCEOに就任し、ブランドの世界市場への進出を加速しています。
今後もコンパスボックスは、革新的なウイスキーを生み出しつつ、世界のウイスキー市場で存在感を高めることを目指しています。