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スコットランドの研究者が、ウイスキー廃棄物から約160億円の価値を持つ新しい活用方法を発見

スコットランドの研究者が、ウイスキー廃棄物から約160億円の価値を持つ新しい活用方法を発見

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スコットランドの研究者たちが、ウイスキーの製造過程で生じる廃棄物を、製薬、食品、飲料、化粧品産業で活用できる新しい方法を発見しました。この発見は、最大9,000万ポンド(約160億円)の価値を生み出す可能性があるとされています。

新しい抽出方法の詳細

アバディーン大学は、化学および製薬会社リップセルと協力し、ウイスキー蒸溜所の廃棄物からバイオベースの化学物質を抽出する新しい方法を開発しました。

このプロジェクトには、ペルノ・リカール傘下のスコッチウイスキーブランド「シーバス・ブラザーズ」が所有するスコットランド全土の25の蒸溜所から提供された廃棄物サンプルが使用されました。

研究者たちは、ウイスキー製造の過程で生じる「ポットエール」と「スペント・リーズ」と呼ばれる副産物から、乳酸などの化合物を抽出する方法を発見。液体クロマトグラフィーという分離技術を使って、ポットエールから酸を分離し、その後、この技術を応用してスペント・リーズから追加の溶媒を取り出しました。

ウイスキー1リットルを製造するたびに、最大10リットルのスペント・リーズが発生します。通常、ポットエールの残渣は動物飼料として再利用されていますが、スペント・リーズはこれまでほとんど廃棄されていました。

環境への影響を抑える可能性

リップセルの創設者であるイブ・ワイルドマン博士は、このプロセスの可能性を「非常に大きい」と評価し、「スコットランドのウイスキー産業から毎年約26億リットルの廃水が発生している」と述べています。

彼女はさらに、「これまでの数十年間、これらの副産物の大部分は動物飼料として使用されてきましたが、スペント・リーズを処理するためのより価値のある選択肢を見つけました。この方法は、蒸溜所の廃棄物管理・廃棄物処理を変える可能性があります」と述べました。

研究者たちは、この新しい製造方法が従来の石油化学ルートで生成される化学物質に比べ、はるかに低い炭素フットプリントを持つと主張しています。彼らの推計によると、この方法は、世界規模で年間392百万キログラムのCO2排出量を削減する可能性があるとされています。

今後の展望

次のステップとして、この分離プロセスが工業規模で実現可能かどうかを確認するための、スケールアップ作業が求められています。

インダストリアル・バイオテクノロジー・イノベーション・センター(IBioIC)のビジネス・エンゲージメント担当ディレクターであるリズ・フレッチャー博士は、

「このプロジェクトは、副産物に循環的なアプローチを適用し、バイオテクノロジーを活用することで経済的価値を付加する素晴らしい例です。

ウイスキー製造者や化学産業にとって、このプロセスは製造の環境影響を減らす上で大きな前進を意味します」と述べました。

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近年、このようなサステナブルな取り組みは、大学との連携を通じて次々と生まれています。予算やタイミングの問題はあるかもしれませんが、こうした技術はやがて日本にも波及し、大きな変革をもたらすことでしょう。



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