アメリカで最も先進的なウイスキー蒸溜所、Whiskey House of Kentucky(ウイスキー・ハウス・オブ・ケンタッキー)(以下、ウイスキーハウス)が、ケンタッキー州エリザベスタウンにて正式に操業を開始しました。
この蒸溜所は、アメリカウイスキー界の未来を託されたスーパー蒸留所です。
バーボン、ライウイスキー、アメリカンウイスキーを製造し、特に他ブランドの受託生産に特化した施設で、最新の技術と未来志向の設備を備えたこの蒸溜所は、業界の新たな基準を確立することを目指しています。
なんと敷地内には4万バレル強の容量を持つ33の倉庫を建設する計画だそう。
生産能力は当初、年間11万2,000バレルに限定していますが、2027年までにその2倍の22万4,000バレルに拡大することを目指しています。モンスターですね。
最先端の設備と持続可能な生産を実現した蒸溜所
ウイスキーハウスは、バーズタウンバーボンカンパニーを設立したデビッド・マンデル、ジョン・ハーグローブ、ダニエル・リンドのチームによって2022年に設立されました。
彼らの目指すのは、大規模かつ柔軟な受託生産に特化した蒸溜所であり、自社ブランドを持たないことで顧客との利害対立を避け、最高品質のカスタムウイスキーを提供することです。
この施設は、食品業界の先進的な製造原理と最新の「Industry 4.0」技術を組み合わせています。
完全自動化されたシステムと専用ソフトウェアにより、複数のマッシュビルを一貫して運用し、小規模なクラフト生産も可能です。また、エネルギー効率の高い設備を導入し、EPAのEnergy Star認証を取得した蒸溜所と比較してエネルギー消費を50%削減しています。
卓越した品質管理とカスタマイズ
Whiskey Houseは、ISO 9001、14001、45001、22000、17025、2018 FSSC、ISO/IEC 27001、および英国小売コンソーシアム(BRC)認証の取得を目指しており、すでにStar-Kからのコーシャ認証を受けています。これにより、最高品質のウイスキーを安定して提供できる体制が整っています。
また、同社はAIアプリケーションを駆使し、生産効率と品質を継続的に向上させるだけでなく、持続可能なイニシアチブを拡大し、リアルタイムで顧客に重要な情報を提供しています。この取り組みが評価され、Microsoft for Startups Founder’s Hub Grantを受け、AIの導入を加速しています。
環境に配慮した設計
Whiskey Houseの敷地内には、33棟のリックハウス(樽貯蔵庫)と50,000平方フィートのパレット倉庫、使用済み穀物処理施設、瓶詰施設、鉄道システムなどが計画されています。さらに、同施設は176エーカーの広大な敷地に位置し、地下120フィートにある高収量の石灰岩帯水層にアクセスできる利点があります。
リックハウスは細長いデザインで、下部に大型のエアーチャネルを設けており、各樽に気流を流し込み、均一な成熟を保証するのです。
また、樽には特別に印刷されたQRコードが付けられ、トラッキングとトレースが可能です。
この技術により、生産と熟成プロセス全体のバッチ、品質、管理情報を精確に把握し、各樽の位置をリックの位置まで特定することができます。
先駆者たちの思い
共同設立者でCEOのデビッド・マンデル氏は、「この先進的な施設をわずか2年で完成させたチーム、建設パートナー、サービスプロバイダー、ベンダーに感謝しています。
この最先端施設は、比類ない品質、柔軟性、生産能力を提供するだけでなく、アメリカンウイスキーの最高のチームを集め、最高の顧客サービスを提供いたします」と述べています。
ウイスキーハウスのもう一人の共同設立者でCOOのジョン・ハーグローブ氏は、「ウイスキーハウスには、ウイスキー業界の先進的な製造の新基準を設定しました。私たちは優れたウイスキーを生産する一方で、同時に驚異的なカスタムウイスキーの製造を可能にする、柔軟な蒸溜システムを作り上げました」と述べています。
アメリカンウイスキーの心臓部になり得るか!?
ウイスキーハウスは、独自のブランドを生産するのではなく、優れたカスタムウイスキーの生産を通じて、顧客に対して深い価値を提供することを目指しています。
ウイスキーハウスの詳細については、公式ウェブサイト(www.whiskeyhouse.com)をご覧ください。