バーモント州を拠点とする「ホイッスルピッグ」。
個人的にも大好きなブランドで、日本人好みのバーボンウイスキーを製造していることで有名です。
実はこのブランド、長期熟成のカナディアンシングルモルトも製造しています。
昨年、ホイッスルピッグ社はカナダ産の21年熟成シングルモルトウイスキー「ベホールデン」を発売し、北米で最も古いシングルモルトリリースの一つとして話題を呼びました。
かなり甘めのカナディアンウイスキーといった様相で、高級シングルモルトという印象でしたが、そこまでの評価は市場では得られなかった印象です。
そして今年、ホイッスルピッグは新たな試みとして、「バドンカドンク」というカナディアンウイスキーを発売しました。
「バドンカドンク」は熟成年数を25年。ブランド市場最長のリリースです。
独自のライウイスキーバレルではなく、カリフォルニアのシルバーオーク・カベルネ・ソーヴィニヨン樽で後熟させています。
シルバーオークは2015年に、自社樽を製造する最初のアメリカのワイナリーとなったブランドです。他のワイナリーが外部の樽製造業者から樽を購入するのが一般的である中、シルバーオークは独自に樽製造を開始しました。彼らはワインの熟成過程における品質と一貫性をより厳密に管理しており、ウイスキーにも好影響を与えています。
ホイッスルピッグ 25年 バドンカドンク
非常に引き締まった味わいを持ち、カナディアン長熟の甘すぎるイメージを覆す作品となっています。
香りは、濃厚なマッシュルーム、よく焼けた穀物、そして大地のアロマが感じられます。これは砂糖のような甘さが際立つ21年物とは大きく異なります。時間をかけて香りは乾燥した花やカンファーを示し始めます。
味わいは、長期熟成されたスコッチウイスキーを思わせるもので、温かみのある麦芽、蜂蜜、豊かなオークが調和しています。
香りに感じられた重たい土っぽさはあまり感じられず、むしろ甘草や革のノートが後半に現れます。これはおそらくカベルネ・ソーヴィニヨン樽の影響でしょう。フィニッシュには、ピーカンプラリネやグラハムクラッカー、ココナッツの甘いノートが現れますが、カベルネ由来のタンニンがすぐに戻ってきて、少し苦味をもたらすフィニッシュを迎えます。
設立は2007年で、2019年末に10年を個人輸入してその味の良さにびっくりしたものです。
めっちゃレベル高いと思うんだけど、あんまり飲んでいる人いないんだよな。