世界最速で成長するシングルモルトブランド「インドリ」に注目が集まっています

アムルットやポールジョンなどを輩出するインドウイスキー市場。

そんなインディアンシングルモルトで、ひときわ注目が集まっているのが「インドリ・トリニ」です。

日本でも「東京ウイスキー＆スピリッツコンペティション2023」で金賞をとってからチラホラ見かけるようになりました。

ピカデリー蒸留所によって製造されるインドリ・トリニは、発売から2年間で100,000ケースを売り上げ、インド国内で30%のマーケットシェアを獲得するという驚異的な成果を達成しています。スコットランド、アイルランド、日本、台湾でも類を見ない速度で成長しており、インドリ・トリニは世界のウイスキー市場に新たな標準を打ち立てています。

ピカデリー蒸溜所とは？

ピカデリー蒸留所は、ケダール・ナート・シャルマによって設立されたピカデリー・グループの一部です。

1953年に酒類販売業者としてスタート。しばらくはレストランやバー、劇場、映画配給、ホテル事業など多角化経営を行います。

1993年にピカデリーグループは、パンジャブ州パティアラにある製糖工場と蒸留所を買収。アルコール製造および蒸留所事業に拡大しました。ピカデリー蒸留所部門は 1994 年に、ハリヤナ州インドリに設立されました。

その後、高品質なモルトウイスキーの生産を目指して、設備の近代化と拡張を進めました。2010年には、スコットランドやEUの定義に準拠するプレミアムシングルモルトの製造に着手し、国際市場への進出を図っていきます。

目指したのは世界標準

2010年からウイスキー製造を開始し、その後の数年間で生産技術を洗練させ、2021年にインドリ・トリニを市場に投入。

その品質で国際的な評価を確固たるものにしていきます。

数々の国際コンペティションで賞を受賞しており、特に「ウイスキーズ・オブ・ザ・ワールド・アワード」での「ベスト・ウイスキー・イン・ザ・ワールド」受賞は、インドリ・トリニが世界レベルで認められた証拠です。これにより、インド産のシングルモルトウイスキーが高い評価を受けることが増え、国際的なウイスキー愛好家からも注目を集めています。

製造技術と独自性

インドリ・トリニの特徴は、トリプルカスク方式での熟成。

バーボン樽、ワイン樽、PXシェリー樽を使用しており、それぞれがウイスキーに独特の風味を加えています。インド特有の気候と、熟成プロセスにより、豊かなフレーバーと繊細な味わいを実現しています。

持続可能性への取り組み

ピカデリー蒸留所では、再生可能エネルギーを利用した製造プロセスや、環境に優しい包装材料の使用によって、環境への影響を最小限に抑える努力をしています。グローバルなウイスキー業界でも注目される動きであり、消費者の間で高まるエコ意識に応える形となっています。

インドシングルモルトの位置づけと展望

長年にわたり、インドは「インディアンメイド・フォーリンリカー（IMFL）」と呼ばれる独自のアルコール市場を形成してきましたが、最近では本格的なシングルモルトウイスキーの生産に力を入れています。

アムルットやポールジョンなど他のブランドと共に、インドリはインド産ウイスキーの独特の魅力と可能性を世界に示しています。

インドはウイスキー愛好国ですが、近年は消費国としてだけでなく生産国としても存在感を増しています。

３３０億ドル（約４兆７０００億円）規模のインド蒸留酒市場をスコッチと奪い合うような図式です。商店の酒棚にはグレンリベット、タリスカーなどと並び、アムルット、ランプール、インドリといったインディアンシングルモルトが並んでいます。

インドリ　シングルモルトの味と香り、評価

インドリ　シングルモルトウイスキー

バーボン樽、ワイン樽、シェリー樽で熟成されたモルトは、3つの異なる木樽のマリアージュによる魔法にかかり、その美しさが際立ちます。琥珀色、パイナップルのキャラメルの香り、バニラ、紅茶、レーズン、シトラス、ナッツの香りが、モルトを美しく彩ります。滑らかさと風味は、グラスを置いた後でも長く続きます。

＜テイスティングノート＞
香り：穏やかでまろやかな香り。バーボンオークのバニラとハチミツ、ヨーロピアンオークのスパイスの効いたタンニンが続き、最後にレーズンとシェリーの甘い香りが加わります。
味わい：エレガントな豊かさ、滑らかで温かい口当たり。優しいスパイスと木の特徴が現れ、ナッツのフレーバーと焦がしたパイナップル、シトラス、レーズンのヒントが続きます。
フィニッシュ：繊細でバランスの取れたフィニッシュ、それぞれのフレーバーが支配することなくお互いを引き立てます。甘いフルーティーなフレーバーが喉の奥から湧き上がり、スムーズで長い余韻が残ります。