アイリッシュウイスキーの雄、レッドブレストに朗報です。
どうやら近日、レッドブレスト18年がリリースされ、永続的なコアレンジのラインナップに追加されるようです。
レッドブレスト18年は、バーボン樽、オロロソシェリー樽、クリームシェリー樽、ルビー ポート樽の組み合わせで熟成された、3回蒸留のシングルポットスチルアイリッシュウイスキーとなる予定で、アルコール度数は他のラインナップ同様、46%でボトリングされます。
フロントラベルには、「秋の果物と磨かれたオークの香り、チョコレート、ドライイチジク、オレンジピールの香り」があると記載されています。
ここでレッドブレストの主要ラインナップを一度おさらいしておきましょう。
レッドブレストの種類/ラインナップ
レッドブレスト 12年
こちらはがレッドブレストのスタンダードボトル。
昔ながらのアイルランドスピリッツを忠実に表現した、「シングルポットスチル アイリッシュ・ウイスキー」です。
熟成樽はオロロソ・シェリー・バット樽とバーボン樽が使われており、12年以上熟成させた原酒が使用されています。
香りはどっしりとした濃厚なバニラ、ブドウやベリーのフルーティ、奥にオークのスパイシーさも潜んでいます。
味わいも香り同様のブドウとベリー系のフルーツ感、深いバニラの甘み、カスタードクリーム、他にもキャラメルナッツ、ヌガー。
中盤から後半にかけてスパイシーさが現れ甘いだけではない、複雑な風味を楽しめます。
余韻も長く完成度の高い一本です。
他のアイリッシュウイスキーと比較するとややお値段が張りますが、試しておいて損のない一本。
レッドブレスト 15年
15年もののレッドブレストのフラッグシップボトル。
熟成にはオロロソ・シェリー・バットとバーボン樽が使用されています。
香りは12年よりも豊潤でリッチ。
瑞々しく甘やかな赤リンゴ。そしてベリー系フルーツ、カスタードクリーム。
奥に僅かなハーブ感も漂い、スパイシーさも健在です。
味わいはバニラの効いたフルーツケーキ。マジパンにカスタードクリーム、バタートースト、枝付きレーズン、ベリーのタルト、グラマラスでオイリー。
重厚感もしっかりあり、ウッディな余韻も長く楽しめるバランスの良い1本で、「レッドブレスト通」は21年よりもこちらを好む方も多いです。
レッドブレスト 12年 カスクストレングス
2011年にわずか68樽のみアイルランド、フランス、ドイツの3ヶ国でリリースされたカスクストレングス仕様の12年です。
樽の構成は12年と同様オロロソ・シェリー・バット樽とバーボン樽ですが、ノンチルフィルターでボトリング。力強い味わいが魅力です。
バッチ18のラベルまでは手前に大きく「12」の数字が入っていましたが、バッチ19より変更がありました。
開封時のアロマは15年ほどないと感じました・赤リンゴ、クリームブリュレ、ミルクチョコレート。さらにはココナッツの風味をまとっています。
しかし時間経過でよりハーバルな香りが高まり、ローズマリーやジュニパーのような香りも。
味わいは粘性が高く、ドライでフルーティー。パッションフルーツやマンゴー、うっすらとパパイヤ。中盤からはバニラとミルクチョコレートの中にオークのスパイス。
フィニッシュは非常にロングで、甘くスパイシー。ややミネラル感があります。
濃厚でフルーティーな味わいのため、加水したほうがより複雑さを感じ取れます。
レッドブレスト好きなら飲まずにはいられないカスクストレングス仕様。後悔のない味わいです。
レッドブレスト ルスタウ エディション
こちらはボデガス・ルスタウのオロロソシェリー樽でフィニッシュを行い、シェリー樽熟成の特徴に独特のひねりが加わったレッドブレスト。
ボデガスとはワインの醸造所のこと。つまり「ルスタウ醸造所」ってことですね。
ルスタウ社は、1896 年に一人のアルマセニスタによって設立されたスペイン屈指のシェリーメーカーです。1945年から自社ブランドのボトリングを開始し、1980年にはプレミアムシェリーの代名詞にもなっている「アルマセニスタ・シリーズ」を発表しています。
最近では秩父蒸溜所ともタッグを組んでいましたね。
香りは丸く、アルコールアタックは少ない。
レーズン、アプリコット、バニラ。鼻抜けにはジンジャー、リコリス、ナツメグ、そしてシェリー酒。面白い。
味わいはレッドブレストらしいクリーミーさとスパイシーさがあります。ルスタウのオロロソシェリー樽が効いているのか、非常に甘く、パイナップルやトロピカルフルーツを感じます。その後シェリーとミルクチョコレート。
フィニッシュはミディアムロング。スパイシーでコショウとビターなオレンジの存在を認識できます。
レッドブレスト 21年
こちらはレッドブレストの上位ラインナップ。2013年より販売が開始されました。
オロロソ・シェリー・バットとバーボン樽で21年以上熟成された原酒が使用された贅沢な1本。
香りはマンゴーやパパイヤなどのトロピカルフルーツ、アーモンド、レーズン、プラムのフルーツ感。少しワクシー。ネガティブ要素を全く感じさせないおいしい香りです。
味わいは柔らかなバニラの甘みと上品なベリーのジャムが舌に広がり、発酵バターの効いた甘いクロワッサンを食べているかのよう。
中盤からはドライプラム、白桃、それがハーブやウッドのスパイスと混ざります。
フィニッシュはクリーミーで暖かく、長い。サルタナレーズンの余韻。
リッチな甘みとスパイシーさが絡み合う複雑な風味を楽しめるボトルで、苦みや乾いた印象は一切ありません。さすがの一言。
レッドブレスト 27年 ルビーポートカスク
こちらは2020年にリリースされた限定品です(54.6% 2019年ミドルトン蒸留所元詰め バッチB1/19)。
バーボン樽とオロロソシェリーカスクで熟成した原酒をブレンドし、更にルビーポートカスクにて後熟させた珠玉の1本。
香りは非常に複雑。ひと嗅ぎで笑みがこぼれます。
ややケミカルさを伴ったトロピカルフルーティ。ブレッドオレンジ、ダークベリー、白桃、マンゴーのトロピカル、サルタナレーズン、イチヂク、アプリコット、バニラエッセンス。後半はシナモン、クローブ、クルミ、トーストしたオーク。
味わいはリッチで熟したリンゴとベリーの甘み、ダークチェリー、グァバ、マンゴーのトロピカル感、後半にミントのハーバルさ、ザクロとカカオのビター。乾燥したココナッツパウダー。
温かみのあるウッドスパイス、そして長い長い余韻。
レッドブレストの個性という個性が際立つ芸術的なボトルです。