先日初の中国産ウイスキー「叠川(ザ・チュアン・ピュア・モルト・ウイスキー)」を発表したペルノ・リカールでしたが、お次はインドです。
ペルノは、インド市場のさらなる拡大を目指し、インド初のプレミアムシングルモルトウイスキー「Longitude77」をリリースします。
この製品は、マハラシュトラ州ナーシクの蒸留所で少量生産され、10月に世界市場で販売を開始。
「Longitude77」の名称は、インドを縦断する東経77度にインスピレーションを得たもので、世界地図上でのインドの位置を表現しています。
このウイスキーは、アメリカンバーボン樽とワイン樽で熟成され、ナチュラルなマホガニー色をしています。ボトルは、インドが世界にもたらしたインディゴ色のマット仕上げの缶に収められています。
公式テイスティングノートでは、オーク、ウッディ、ローストした穀物の味わいに、キャラメル、バニラ、フルーツ、ナッツのノートが加わり、滑らかな飲み口を実現していると解説されています。
発表会では、ボリウッドのセレブリティーやインド音楽を取り入れ、インドの多様な文化、風景、テロワールへの敬意を表しました。「Longitude77」は、インド市場に完全に合わせて作られたウイスキーであり、インドの消費者の多様な嗜好に応えると考えられています。
ペルノ・リカールは、インドが最終的には米国を抜いて最大かつ最も収益性の高い市場になると考えており、「Longitude77」はその拡大の一環であることを強調しています。ペルノ・リカールのインド販売量のほぼ95%をインド製の洋酒が占め、純売上高の80%以上を生み出しているということですから、ここからが本番と言ったところでしょう。
ペルノ・リカールのインドCEO、ジャン・タブール氏は「インドは本物の高級品と伝統工芸の分野で大国として台頭しようとしている」と述べ、「Make in India」イニシアティブ(※2014年にモディ首相が就任して掲げた製造業振興のスローガン)に対するペルノ・リカールのコミットメントを反映していると強調しました。
同社の最高マーケティング責任者であるカルティク・モヒンドラ氏も「Longitude77は、インド市場に完璧に適合しており、堅実なプレミアム化と品質、革新へのコミットメントを背景に、インド市場のゲームチェンジャーになる」と自信を表明しました。
なお、ペルノ・リカールのインド子会社の2022/23会計年度の売上高は27億6,000万ユーロに達し、前年比10%増加しましたが、デリー地域での酒類販売免許の一時停止により、業績は一部阻害されました。ペルノ・リカールは容疑を強く否認しており、事態の解決に努めています。