スペイサイドに位置するグレン・グラント蒸溜所が、これまでで最長熟の70年熟成のシングルモルトウイスキー、「グレン・グラント・デヴォーション」を発表しました。このウイスキーは、故エリザベス女王2世が70年にわたって在位したことに敬意を表して作られ、彼女が一生をかけて尽力した自然保護や社会貢献に焦点を当てています。
超限定!わずか7本のリリース
なんと、このウイスキーの製造本数はたったの7本。
1953年蒸留で、オロロソシェリーで熟成、シングル・フレンチオーク・バットから生まれました。アルコール度数が55.5%と、この年代のウイスキーとしては非常に高いアルコール度数を維持しています。
樽選定は蒸溜所のマスターディスティラーデニス・マルコム氏。
60年以上にわたりウイスキー製造に携わる同氏は、スコットランドで最も長いキャリアを持つディスティラーとして知られており、さらにはウイスキーマガジン誌の殿堂入りも果たしています。
ちなみに、1953年と言えば、エリザベス2世の戴冠式が行われた年でもあります。女王が実際に即位したのは1952年ですが、戴冠式は翌年に行われ、これは当時の首相、ウィンストン・チャーチルが退任を避けるために少し遅らせたとも言われています。
公式テイスティングノート
カラー
明るい黄金色を帯びた深い栗色
アロマ
フローラル、強烈な大麦糖、熟したピーチがハチミツの甘さへと変化する。
味わい
ドライフルーツ、レーズン、サルタナ、ドライスパイス、オークのヒント。
フィニッシュ、余韻
リッチで複雑、ソフトフルーツ、スパイス、ほのかなスモーク。
FFに登場する「聖なるダガー」みたいな、超豪華なパッケージ
「グレン・グラント・デヴォーション」は、宝石の形状をした手吹きデキャンタに収められています。そしてグレン・グラント蒸溜所にあるビクトリア式庭園のニレの木で作られた木製の彫刻にセットされているという豪華仕様。
木彫りの銀の部分には、女王が好きだったスズランのモチーフがあり、それがスコットランドアザミの花で装飾されています。
デキャンタの上部のシルバーカプセルには、各々に異なる花の彫刻が施されており、この複雑なデザインは、各市場向けに異なる意味合いを持つ特別なものになる予定です。
ちなみに残りの6本はリリースされる国によって異なる刻印がなされるようです。
収益はすべて寄付
最初のデキャンタは、サザビーズのオークションで出品され、その収益はすべて、エリザベス女王2世がパトロンとして支援したスコットランド王立森林協会に寄付される予定です。この寄付は、スコットランド王立森林協会の活動、特にグレン・グラント蒸溜所の創設者ジェームズ・グラントが愛したビクトリア様式の庭園の遺産を継承するために使われます。
「グレン・グラント・デヴォーション」は歴史、文化、自然保護、そして多くの人々の努力と情熱が詰まった一品です。スペイサイドの新しい植樹地も、この寄付金によって設立される予定です。
このオンラインオークションは2023年の9月11日から22日まで開催される予定です。
オークションでは、7万ポンドから11万ポンド(約2,000万円)で落札される見込みだそうです。タハー。
各国で変化する刻印
各デカンタには独特な刻印も施されています。
例えば、最初のデキャンタには「クイーン・エリザベス・ローズ」、そしてシンガポール市場向けのものには国花である蘭の花が刻印されています。
- No.2「オーキッド(蘭)」 – シンガポール
- No.3「水仙」-香港
- No.4「デイジー&クレマチス」-アメリカ
- No.5「ベゴニア」-中国
- No.6「ステファノティス(マダガスカル・ジャスミン)」-日本
- No.7「ローズ」-イギリス
なんで日本がステファノティスなんですかね?
上記6本のデカンタは2023年10月に購入可能なようです。
価格はご興味のある方は、カンパリグループのレア部門セールスエグゼクティブ、キャシー・サンまでお問い合わせくださいとのこと。