アイラ島のブルックラディ蒸溜所が、初のライ麦ベースのウイスキーを発表しました。
これは、アイラ島初のライウイスキーであり、さらにはヘブリディーズ諸島初のシングル グレーン スコッチ ウイスキーでもあります。
地元のアイラ島で栽培されたライ麦を主成分とした、ブルックラディのプロジェクトシリーズ第3弾で、その名も「リジェネレーション プロジェクト」といいます。
※ちなみに第一弾は「ターナリー プロジェクト」、第二弾は「バイオダイナミック プロジェクト」
アイラ島で育てられたライ麦55%と、地元のアイラ・モルト大麦45%で作られており、ファーストフィル・バーボン樽とファーストフィル・アメリカンバージンオーク樽で熟成されています。アルコール度数は50%vol.
2016年、ブルックラディの製造部長であるアラン・ローガンと、長年の農業パートナーであるアンドリュー・ジョーンズは、クール農場での農作物の効果的な生産工程について話し合っていました。ここでアンドリューは、化学農薬のコストを抑えるためにライ麦を栽培することにを提案します。
ライ麦は、土壌中の過剰な硝酸を吸収し、しっかりとした土壌を育み、水分を保持します。これにより、土壌の健康が向上し、農場全体のコストカットになるそうです(人工農薬や化学肥料に頼らなくてもいい状態になるので)。
アイラ島でライ麦が商業的に栽培されたことはありませんでしたが、ブルックラディ蒸溜所は農業パートナーをサポートするため、アンドリューのライ麦を全部買うことを決めました。
これで新たなウイスキーを作ろうと思ったのです。
ライウイスキーはアメリカンウイスキーでは有名ですが(全体の5%くらい)、スコットランドではほとんどつくられていません。
ブルックラディはこの新しいリリースで、スコットランドで話題となり、持続可能な農業や、現代の農業方法を今一度考える機会を与えたいと思っています。
ブルックラディの蒸溜責任者、ダグラス・テイラー氏は、
「ウイスキー蒸溜所として、私たちは土壌からの影響を受ける責任がある。
大事な原料がどこから来て、どのように育てられているかを理解することから始めるんだ。
ライ麦は、農薬や肥料に頼らなくても土壌の健康や構造を改善できる、すごく有益な作物だとわかった。
でも、スコットランドではライ麦の市場がないから、農家はなぜ育てるのかって疑問に思うよね。
それで、私たちが買って、美味しいウイスキーを作ることで、大切な農家パートナーをサポートし、環境を助け、土壌の健康を促進できると思ったのさ。
味を追求しながら影響を減らす、リジェネレーション・プロジェクトは、ウイスキーよりもっと大きなことの始まりだよ」と話しました。
限定1,800本のブルイックラディ「リジェネレーション・プロジェクト」は、蒸留所のウェブサイトで、£125.00で販売されています。