千歳といえば、「9148ジン」で知られる北海道自由ウヰスキーが新千歳空港付近に建設中の千歳蒸溜所(2024稼働予定)が発表されています。
今回、それ以外に、米国系のウイスキー会社がウイスキー工場を建設予定というニュースがありました。
すでに新千歳空港に近い千歳臨空工業団地に約16万5000平方メートルの土地を取得しており、早ければ今春、千歳市の工業団地で大規模なウイスキー工場を建設する予定だというのです。
北海道新聞によれば2024年末に操業を開始、国内最大級となる年間2千万リットルの生産を目指すとのこと。
敷地面積としては、ニッカウヰスキーの余市蒸溜所(約13万平方メートル)より広いわけで、キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所(静岡県御殿場市)と同じくらいです。
運営はIJWウイスキー傘下のシダーフィールド合同会社
アメリカのウイスキーカンパニーである「IJWウイスキー」はケンタッキー州ダンビルに、40万平方メートル規模の巨大な倉庫を構えています。
かなりミステリアスな会社で、その実態は謎に包まれています。
2016年にミシガン大学に投資されたとされるこの巨大施設には、バーボンやライウイスキーが数万樽眠っているとされています。
社長は元弁護士のデビッド・モーダコウィッツ氏。
「謎のケンタッキーウイスキープロデューサー」と各メディアでも言われており、独自の蒸溜所は持っておらず、外部蒸溜所から原酒を仕入れ熟成を行っています。
生産チームにはウッドフォードリザーブやミクターズ、エンジェルス・エンヴィといった名だたるブランドで経験を培ったケビン・カーティス氏をマスターディスティラーに起用し、マスターブレンダーにはブラウンフォーマン社で38年の経験を持つ、スティーブ・ヒューズ氏を置いています。
今回北海道に設立されたシダーフィールド合同会社には、このIJWの施設立ち上げに関わった技術者が来日しており、22年から北海道内に居住もしているとのこと。
今後、米国から人材を派遣するほか、日本人技術者も雇用する方針だといいます。
外資系企業の大規模食品工場の建設は北海道内では初めて。全国的に外資系の大規模ウイスキー工場が増えてきそうっすね。
ちなみにIJWウイスキーの公式サイトも今はまだComing soon状態です。
日本に倉庫を持ち熟成させることで「ジャパニーズウイスキー」を名乗ることができるので、海外の富裕層向けの戦略もあると思います。
これだけの巨大資本があるなら原材料高騰についていけなくなった新興蒸溜所の買収もあるかもしれません。
今後、日本のウイスキーが日本人の口に入らなくなるような状況は悲しいですね