イングリッシュバーボンというジャンルが新たに誕生しました。
ネヴァー・セイ・ダイは、アメリカのケンタッキー州で蒸溜され、大西洋を船で輸送、イギリスで熟成された初のバーボン。
ネヴァー・セイ・ダイ(Never Say Die)の由来
「ネヴァー・セイ・ダイ」という名前は、1954年にイギリスのダービーとセントレジャーのクラシック二冠を制した、アメリカ出身の競走馬、種牡馬の名前に由来しています。
1951年、ケンタッキー州レキシントンのハンバーグファームにて、とある仔馬が産まれます。
母馬は小柄な牝馬で、生まれてきた仔馬は体が大きく、かなりの難産でした。
母馬は疲弊してしまって動けず、仔馬はほとんど息をしていない状態。さらに右前脚が曲がって体の下敷きになっていました。
生命の危機に瀕していた仔馬でしたが、ちょうど伝説の騎手、ジョン・A・ベル3世がその場に居合わせており、もがき苦しむ仔馬に一杯のウイスキーを与えます。
するとその夜、仔馬は劇的に回復。
この時のやりとりがもとで、この仔馬は「ネヴァー・セイ・ダイ(Never Say Die、死ぬな!)」と命名されたといいます。
飲ませたとか、鼻の周りにかけて匂いを嗅がせたとか、色々エピソードはあるようですが、かなりぶっ飛んでますねぇ。
その3年後、経験を重ねイギリスのレースでも勝利していたネヴァー・セイ・ダイは、世界最大のレース、エプソムダービーに出走することになりました。
エリザベス2世やウィンストン・チャーチル卿を含む25万人の大観客の前で、ネヴァーセイダイは勝利します。
その際のオッズは34倍。
にもかかわらず他の22頭を馬を破り、70年以上ぶりにアメリカ生まれの馬がレースを制したのです。
アメリカとイギリスを繋ぐ印象的な競走馬だったようですね。
このバーボンも、ケンタッキーからイギリスでボトリングされるまでの道のりは、決して順風満帆ではなかったとのことですから、このネーミングには不撓不屈の精神が宿っているのでしょう。
ネヴァー・セイ・ダイの味や香りは?
バーボンウイスキー
ネヴァー・セイ・ダイの主力商品。
マッシュビルは、トウモロコシ75%、ライ麦21%、大麦麦芽4%。
ライの比率が高く、「ハイ ライ バーボン」とされるボトルですが、ライ麦特有のスパイシーなノートだけでなく、複層的なスイートさがあります。
ロックまたはカクテルのベースとして楽しむことができます。
98プルーフでボトリング。
バレル ストレングス ウイスキー
ネヴァー・セイ・ダイのバレルプルーフ品。
マッシュビルは同じ(トウモロコシ75%、ライ麦21%、大麦麦芽4%。)。
濃厚で強く、大胆な味わい。
繊細であたたかいスパイスとキャラメルのトーン。
そしてアルコール度数を全く感じさせないほど滑らかなフィニッシュを備えています。
110~115プルーフでボトリング。
ライウイスキー
105プルーフでボトリング。
ケンタッキー州で造られたものしかバーボンとは名乗れませんが、バーボンテイストのウイスキーは各地でつくられていますね。
日本でもWhiskey&Co.株式会社が「Japanese”Bourbon Whiskey”Style(ジャパニーズ”バーボンウイスキー”スタイル)」を標榜しています。