写真出典©Purdue University photo/John Underwood
偽造ウイスキーの歴史が終わるかもしれません。
アメリカ・インディアナ州のパデュー大学と韓国の国立農業科学院の研究チームが、ウイスキーや液状医薬品に入れられるQRコードタグを開発しました。
このタグは特殊な絹で作られていて、飲み込んでしまっても問題はなく、ウイスキーの味わいを損ねることもないそうです。
消費者はスマートフォンのアプリを使ってコードを読み込むことで、ウイスキーや医薬品が偽物でないことや安全であることを確認できます。
このタグは特別な蚕が作る繭から採取した、蛍光製のバイオポリマーでできています。作られたタグは一般的なバーコードやQRコードと同じように、デジタル情報をパターン化して、肉眼では読み取れないように情報を表現・保存しているのです。
しかもこのコードは、ウイスキーや高濃度のアルコールを含む医薬品の中でも、長期間にわたって形を維持できるそうです。
もともとこの特殊なタグは医薬品向けに開発されたものでしたが、高いアルコール度数を持っていて長期保管されるものということで、ウイスキーで実験されました。
流通しているウイスキーの中には偽造品も多く、実際にイギリスでは成人の18%が偽造のアルコールを購入した経験がある、という調査結果も出ています。
近頃、悪質な偽物高級スピリッツが増えていますので、撲滅にも一役買いそうですね。
医薬品に関しては、インターネットを経由して処方箋なしで薬を購入できるサイトも多数存在しています。
こうして流通する医薬品の中にはやはり偽造されたものが紛れており、使用によって死を招く場合もあります。
今後の研究で、このQRタグの技術をスピリッツ類や液状医薬品だけでなく、錠剤にも取り入れる計画もあるということでした。
近い将来、希少価値の高いウイスキーには認証タグがなければ本物と認められない、ということが起きるのでしょうか?