インバネスで40年ぶりに新蒸溜所が設立されるというニュースが舞い込んできました。
6百万ポンド(約10億円)を投じた新蒸溜所のオープンは今年11月を予定しており、蒸溜所としてだけでなく販売やそのほかの機能をそろえたひとつの街となる大きな計画です。
オーナーはこのように語ります。
「このプロジェクトの根幹は、スコットランドの神話と伝説から生まれました。
ウィレブヒトは、ゲール語で「怪物」を意味し、何千年にもわたって伝わる民間伝承にインスパイアされて、過去と現在を結びつけるというイメージです。
そして最大のアピールポイントは、我々がひとつの社会を創り出そうとしている点です。
敷地内にはウイスキー蒸溜所だけでなく、ビール醸造所、テイスティング施設やワークショップの体験型施設、さらに宿泊施設も含まれます。
ネス川のほとりに位置し、国内で最も炭素排出量の少ない蒸溜所となる点もポイントですね。
隣接するサステナビリティ・センターに設置されたヒートポンプは、ネス川の水を動力源として暖房と温水を敷地内に供給します。
これはスコットランド初の試みとなり、段階的に拡大していく予定です。
古い歴史と最先端の技術が同居することで、さらに進化した価値観を皆さまに提供できると強く確信しています。」
蒸溜責任者はこう語ります。
「クラフトビールの世界で培った技術を応用した蒸溜器と蒸溜方法を導入することで、稀少かつオリジナルな味わいになります。
年間生産量はわずか200カスク。
地元の酵母と麦芽を使用し、バーボン樽とシェリー樽で熟成します。
蒸溜器は最新ながらも蒸溜方法は伝統に則ったものであり、このバランスがプロジェクトのポイントでもある新旧の融合を体現しています。
あらゆるものが話題性に富んだ設計となっていますが、私たちが一番自信をもっているのはもちろん味わいだということは飲んでみていただければ分かります。
また、オープン初年度に蒸溜されたシングルモルトカスクが購入できるカスクプログラムもあります。
今年は100カスクのみ、先着順で販売予定です。
詳細については、こちらまでご連絡ください。」
サスティナブルなスタイルで雇用を創出しながら観光に力を入れるタイプの蒸溜所が増えています。