エリクサーディスティラリーズ社がペルノ・リカール社からトーモア蒸溜所を買収する契約を締結しました。
ペルノ・リカール社は2005年の買収以来、設備投資などを経て数種類の原酒を蒸溜してきました。
年間500万L弱の生産能力を持ち、今回の買収には熟成庫の在庫も含まれています。
エリクサーディスティラリーズ社の設立者のスキンダー&ラジ・シン兄弟は、今回の買収の背景をこう説明しています。
「皆さんご存知の通り、トーモアはスペイサイドでも極めて美しい蒸溜所です。
そしてその建築的な美しさに見合う素晴らしいウイスキーを造っていることは、最高品質のウイスキーだけをボトリングするという我々の哲学に完璧にフィットしています。
我々は、ペルノ・リカール社のこれまでの功績を基盤に、よりいっそうトーモアが輝くようなウイスキー造りをしていきます。
我々は先日、アイラ島で新たに蒸溜所「ポーティントルーアン」を手がけると発表しましたが、さらに新たにトーモア蒸溜所も迎えられるということはこの上なくやりがいのある素晴らしいプロジェクトです。消費者への知名度アップにもつながると信じています。」
トーモア蒸溜所は、元ロイヤルアカデミー会長のアルバート・リチャードソン卿(1880-1964)が1960年に設計しました。
白壁とモスグリーンに塗られた屋根、アーチ状の装飾、石造りのバルコニーを備えた花崗岩でつくられた外壁というユニークな外観とデザインは、その技術を讃えてイギリスの指定建造物となっているほどです。
「スペイサイドの真珠」とも呼ばれ、クラガンモアやバリンダロッホなどの蒸溜所とも近くに位置しています。
ペルノ・リカール社のCEOは次のように述べています。
「トーモアの売却は、アベラワーとミルトンダフ両蒸溜所への投資に続いて、当社の長期戦略に不可欠な施策といえます。
これにより生産能力は年間1400万Lもの増加が見込めます。
友人でもあり、尊敬する起業家でもあるスキンダー&ラジ・シン兄弟にトーモアを任せられることは全社を上げて嬉しく感じています。
また、将来的には、力を合わせて新たな製品やサービスへ発展できる可能性にも期待しています。」
エリクサーディスティラーズ社は今年初め、アイラ島で新たに手がける蒸溜所「ポーティントルーアン」の発表ですでに大きな話題となっていました。
ペルノ・リカール的には他の蒸溜所に増資したかったのかな。