写真出典©:https://www.sothebys.com/
ディアジオ社とサザビーズ社が共同してオークションを開催しています。
目玉は、現存するシングルモルト・スコッチウイスキーの中でも最も希少で価値が高いと言われる、2大閉鎖蒸溜所、「ポートエレン」と「ブローラ」。
各カスクは、国際的に高い評価を得ているアーティストともコラボレーションします。
これらの樽は、ディアジオ社の名誉あるVIPプログラム「カスクス・オブ・ディスティンクション」から選ばれました。ディアジオ社の唯一無二のストックから、超希少なシングルモルト・スコッチウイスキーの樽を購入することができます。
スコットランドにある何百万もの樽の中から、毎年ごくわずかの完熟樽だけが選抜されるようですね。
レジェンド的な立ち位置にあるブローラやポートエレンのリリースは少なく、今回の目玉商品となりました。
サザビーズ社のウイスキー部門責任者であるジョニー・ファウル氏は、
「サザビーズとディアジオは共同で、オークションで希少なウイスキー樽を提供するという、他に類を見ない試みを行います。
1982年のブローラを試飲したとき、その品質の高さに驚かされました。
煮込まれたフルーツのような豊かな風味が、その特徴であるライトピーテッドの特徴をより高めています。
ポートエレンの方は、カスクの影響を大きく受けた1970年代のアイラスモークのマスタークラスで、特に閉鎖された蒸留所のものは、まさに世界のトップウイスキーコレクターが求めるスタイルです」
とコメント。
ポートエレン1979
アイラ島の西端に位置するポートエレン蒸溜所は「ヘブリディーズの女王」と呼ばれ、その輝きはディアジオ社の王冠を彩る宝石のような存在とされています。
蒸溜所の閉鎖期間中に伝説的な評価を得た1979のカスクは、ポートエレンの現存するストックの中で最も貴重なもの。
蒸溜所は1983年に閉鎖されていますが、現在の計画では2023年に再びウイスキー造りを開始する予定しています。
今回の「ポートエレン1979」は、デザイナー兼アーティストのイニ・アーキボン氏とのコラボレーションにより、販売後に製作される一点物の芸術作品とともにオークションに出品されます。
作品は、ポートエレンの光と精神を色ガラスで表現したユニークな彫刻となる予定です。
この一点ものの彫刻は、このポートエレンそのものの貴重さと、蒸溜所の中で最も貴重な資源であることの両方を、物理的に表現するもの。ムラーノグラスを使用し、アイラ島をイメージした色で仕上げられ、蒸溜所の再開後、カスクオーナーに贈呈される予定です。
同氏は、この樽から抽出されるボトルのラベルのデザインに使用される特注のカラーグラデーションの開発・制作も行います。
この作品について、アーキボン氏は次のように語っています。
「このアートピースは、樽の中のウイスキーがとても貴重であることを表現しています。アイラ島の最も貴重な資源である水と一体化し、並置することで、アイラ島とその人々の心や魂も表現しています。この作品は、限りある資源を危うげに保持する貴重な魔法の宝石のように、樽の中に含まれているアイラ島とその心や精神を持ち主に想起させるものなのです。これは唯一無二の作品です。たった一つしかありません。」
ポートエレン1979 カスク・オブ・ディスティンクション詳細
- 蒸溜所:ポートエレン
- カスク番号:1145
- 充填日:1979年2月15日
- 推定アルコール度数:52.9%
- 推定ボトル数: 102本
- 推定価格: £700,000〜£1,200,000
ブローラ1982
スコットランド北東部沿岸のハイランド地方に位置するブローラ蒸溜所。
閉鎖蒸溜所ではありますが、その卓越した品質と個性は世界的に評価されています。
蒸溜所は創業202年を迎え、3年にわたる入念な修復を経て、2021年5月に再稼働しました。
閉鎖前に作られていたウイスキーは限られており、このカスクは現存する中で最も古いものです。
「ブローラ 1982」カスクは、ニュージーランド在住の写真家トレイ・ラトクリフ氏による素晴らしい写真と一緒に提供されます。
ラトクリフ氏は落札したカスクのオーナーに同行し、スコットランドを訪問します。
そしてブローラが誕生した土地の風景を、写真に収めるとのこと。撮影ツアーってことですね。
その後カスクオーナーが写真を選抜。大判のプリントになるだけでなく、カスクから抽出されるボトルに貼る、特注ラベルにも使用されます。
このコラボレーションについて、ラトクリフ氏は次のようにコメントしています。
「私の写真は、時間の中の瞬間をとらえ、見る人に世界の別の場所に思いを馳せる機会を与えてくれます。私は、世界の果てに存在する美しさ、空と海が出会う場所を捉えることに人生を捧げてきました、ブローラはそのような場所のひとつです。スコットランドを訪れ、その美しい風景を堪能することを切望していましたが、今回初めて、このような特別なウイスキーを評価してくれる人と一緒に行くことは、きっと壮大な冒険となるでしょう。」
ブローラ1982 カスク・オブ・ディスティンクション詳細
- 蒸溜所:ブローラ
- カスク番号:480
- 充填日:1982年3月25日
- 推定アルコール度数:52.8%
- 推定ボトル数: 145本
- 推定価格: £700,000〜£1,200,000
ディアジオ社のレア・エクセプショナル・スピリッツ部門責任者であるジェームズ・マッケイ氏は、次のように語っています。
「非常に才能のある2人の現代美術家の協力を得て、これらの樽を真の芸術作品として出品できることを嬉しく思います。」
これらの超レアな樽を落札された方は、ディアジオ社の専門家と一緒に、なんと最大5年間、スコッチをさらに熟成させる権利を得ます。
つまり管理費も入ってるってことか。すごいな。
カスクは2022年6月14日(火)に英国・ロンドンで開催されるオークションに出品される予定です。
オークションはプラチナジュビリー記念(英国女王在位70周年を祝うもの)事業の一環として開催されます。
ディアジオ社は、両カスクの落札価格の5%を、ウクライナでの活動を支援するため、ケア・インターナショナル社に寄付する予定です。
より詳しい情報はこちらでご確認ください。
ケア・インターナショナルについて
ケア・インターナショナルは、ディアジオ社の長期的なチャリティパートナーであり、2022年で7年目を迎えます。1945年、戦争で生き残った人々に「ケア・パッケージ」を送るために設立されたケアは、世界の貧困と戦い、緊急時に命を救う援助を提供する、人道的・開発的な主要組織です。ウクライナ危機は、特にウクライナ国内および近隣諸国へ避難を余儀なくされた女性や子どもたちにとって、多大な保護リスクをもたらしています。ケアはポーランド、ルーマニア、グルジア、ウクライナにて既存のパートナーを通じて支援活動を行い、モルドバとスロバキアでも、これらの地域の状況とニーズを知り、理解しているNGOを通じ支援を拡大しています。