写真出典©木内酒造
茨城県那珂市の木内酒造株式会社が、6月にクラフトウイスキー「日の丸」の出荷を開始します。まずは飲食店向けに2000本〜5000本を出荷予定です。
出荷されるウイスキーは木内酒造の額田醸造所で初期に生産された原酒を、石岡市の旧公民館を大規模改修して作った「八郷蒸溜所」で貯蔵されたもの。
ウイスキーの生産は2016年から開始しており、今回3〜5年熟成された「日の丸」がお披露目されます。
新しいウイスキーには大麦のみを使ったシングルモルトと、いくつかの材料を使ったグレーンウイスキーの両方を生産する予定。
特にグレーンウイスキーには米ぬかが使用されていて、酒造ならではのアイデアに期待が高まります。
クラフトウイスキーの発酵過程で使用する酵母はほとんどの場合1種類ですが、日の丸ウイスキーでは自然由来の乳酸菌、そして自社製の酵母もあわせて使っていることにも注目したいですね。
社長の木内敏之氏も「ウイスキーの肝は発酵過程。酒造の得意な領域だ」とコメントしています。
木内酒造はこれまでクラフトビールの「常陸野ネストビール」を主力商品としてきましたが、若者のビール離れなどの影響でビール市場がやや停滞。
海外でも人気のあるジャパニーズウイスキーへの参入を決めました。
「日の丸」の名前も海外販売を視野に入れ決定されました。クラフトビール事業で開拓した流通網を活用し、愛好家の多いアメリカや台湾はもちろん、東南アジア地域への販売にも期待しているそうです。
日の丸ウイスキーは700ml換算で年間30万本製造可能で、2023年にはさらに増えて40万本を生産する予定。
価格は5,000円〜20,000円で、5年後にはビール事業を超える15億円規模の売り上げを目指します。
現在は海外産の大麦を使用していますが、今後は石岡市で大麦を生産して純国産ウイスキーを作っていく予定です。
なお、木内酒造では醸造所を観光地化する計画もあり、ハムとソーセージの工房とレストランを備えた、家族連れも楽しめるビジターセンターを開設予定です。
八郷蒸溜所はすでに地域からの応援も熱く、関鉄グリーンバスでは最寄りのバス停を「八郷蒸溜所」に変更。
やさと温泉ゆりの郷、いばらきフラワーパークとの周遊バスも運行されていて、地元の活性化にも大きな期待が寄せられています。