写真出典©三宅本店
広島県呉市の日本酒メーカー・三宅本店が新たな蒸溜所を完成させました。
蒸溜所は『セトウチディスティラリー』と名付けられ、3月30日に竣工式を開催。
式には呉市長や小会議所の役員らも出席し、地元の期待を背負いながらウイスキーの製造をスタートさせました。
株式会社三宅本店は使用されていなかった建屋を活用し、樽や蒸溜器などの設備に約1億円を投資。
新しい蒸溜所は年間約16,000リットル(およそ樽70本分)のウイスキーを製造可能で、スペインから取り寄せたシェリー樽を使って熟成されます。
セトウチディスティラリーで作られるウイスキーの特徴は、なんといっても呉市の自然豊かな風土を生かした製造。
呉市を見守る灰が峰の伏流水をそのまま使用し、空調をほとんど使用しない貯蔵で四季の移ろいに熟成を委ねます。
三宅本店は1856年に創業した、メインのラインナップ『千福』が中国全域で広く愛されている老舗日本酒メーカー。海外の顧客からのウイスキー販売を望む声や、コロナ禍での日本酒市場の縮小を受け、ウイスキーの製造に踏み出しました。
三宅本店は2021に「クラフトジン 瀬戸内 檸檬」をリリースして高評価を受けており、ウイスキー事業にも期待が高まっています。
販売は三宅本店のオンラインショップのみで行われる予定で、すでにニューポット(熟成前の原酒)を300本限定で売り出しています。
オンラインショップには他にも目玉の『千福』をはじめ、地元の名産であるレモンとゆずを使った『ゆずれもんサワーの素』やレモン酒・梅酒といった果実種まで、呉と広島の魅力満載の逸品が多数。
溢れる地域愛から生まれる新しいウイスキーも、地元だけでなくウイスキー業界全体を盛り上げてくれることでしょう。
セトウチディスティラリーは廿日市市の桜尾ディスティラリーに続き、広島県内で2つめの蒸溜所となります。
すでに製造が始まっていて、早ければ3年後には熟成されたウイスキーが販売される見通しです。