写真出典© Charley Bicknell
イアン・マクロード・ディスティラーズ社は、新生『ローズバンク蒸溜所』に3つの特注スチルを導入したと発表しました。
2017年から進んでいるローズバンク蒸溜所復興ですが、これは大きな前進と言えますね。
長い歴史と輝かしい経歴を持つローズバンク蒸溜所は不況のあおりを受け、一度は廃業にまで追い込まれましたが、2017年よりイアン・マクロード・ディスティラーズ社が復興に向けて乗り出していました。
その復興計画のキーとなるプロジェクトの一つが、かつてのローズバンクの味わいを再現することでした。
ローズバンクの味わいは、3回蒸溜と蛇管式コンデンサーから造られます。
3回蒸溜することで軽やかなボディのスピリッツが出来上がり、蛇管式コンデンサーがウイスキーに重厚感を与えることで、完璧なバランスの味わいが生まれるのです。
このスタイルを再現するためには、30年前に実際に稼働していた蒸溜器を蘇らせる必要がありました。
イアン・マクロード・ディスティラーズ社は当時の蒸溜器の設計書を手に入れ、有名なスチルメーカーであるフォーサイス社に同じ寸法で完成させるよう制作を依頼しました。
ローズバンクのスチルは一般的なものとは大きく異なる特徴があるため、その制作は難航したものの、最終的にはオリジナルと同じくらい、またはそれ以上の素晴らしい出来上がりとなったようです。
新たに蒸溜所長に就任したマルコム・レニー氏はこう語ります。
「この新たな蒸溜器は往年のローズバンクの銘酒を間違いなく再現してくれるでしょう。」
蒸溜所は建物の改装も進めており、2022年夏に完成予定です。
マルコム氏は次のように締めくくりました。
「ローズバンク蒸溜所はガラス張りのモダンな外観をしています。現代的な建物の中で伝統的なスタイルのウイスキーを造ることが復興への最大のアプローチになると信じています。」
きれいでモダンな蒸溜所で古き良き味わいが楽しめる、新生ローズバンク蒸溜所が誕生します。