ウイスキーをより一層楽しむには、飲んでいるウイスキーにフィットした空間が必要不可欠となります。
オーセンティックなバーで革張りのカウンターチェアに腰掛けてストレートで少しずつ味わうマッカランの18年。
新宿の高架下にあるホルモン屋で傾いたテーブルに肘を立てながら勢い良く飲むニッカ・ハイボール。
この2つのロケーションとお酒があべこべになってしまったら…?
オーセンティックなバーにニッカ・ハイボール?
場末のホルモン屋にマッカランの18年…?
もちろんこのシチュエーションが絶対にあり得ないわけではありませんが、やはりフィットしているのは前者と言えますよね。
そうです。
ウイスキーに限らず、お酒にはそれぞれフィットした空間が必ず存在し、飲んでいるお酒の存在感や味をグイッと底上げしてくれるのです。
その空間に、より充足感を与えてくれるのが「音楽」です。
お酒を飲んでいる空間に音楽がプラスされると、雰囲気を纏い始めるのです。
その雰囲気はやがて「ムード」となり、空間を支配します。
いつまでもここにいたいと思わせる魔法のスパイスなのです。
また、飲んでいるお酒によってフィットした音楽がそれぞれ存在するのも面白いところ。
それは昭和のお父さんが大好きだった「ビールに野球中継」という組合せにどこか共通するものかもしれません。
確かにビールを飲んでいると賑やかな音楽が聴きたくなります。
ロックやブルース、ファンク、ヘビー・ロック、なんかが合います。
ワインですとラテンミュージックやフラメンコのようなガットギターの乾いた音が欲しくなりますよね。
泡盛には沖縄音階を使った民謡音楽が馴染みますし、日本酒・焼酎は…やはり演歌や歌謡曲といったところでしょう!
では、気になるウイスキーに合う音楽は…
やはり「ジャズ」でしょう。
空間を彩る音楽、それがJAZZ-ジャズ-
ウイスキーを傾けるバックでジャズが流れている。
それだけで良い雰囲気…いえ、ムードが漂ってくるってものです。
オーセンティックでエレガントなお店でも、場末の安居酒屋でもジャズはその空間にマッチし、浸透していきます。
ジャズの持つ音楽的、文化的側面もあるやもしれませんが、もっと本能的な部分での共鳴がある気がします。
ウイスキーとジャズのリズム、響きの相性は抜群です。
「ウイスキーメディアBARREL」はもっとウイスキーを楽しもうという趣旨のサイトです。
なので、今回はウイスキーに合うジャズの名盤を紹介していきます。
■おすすめのJAZZ名盤10選
前置きが長くなりましたが、ジャズにも色々ありまして、ビッグバンド、ビバップ、ハードバップ、フリージャズ、フュージョン…などというカテゴリが乱立していますが、これらのカテゴリは正直ウイスキーとの相性とは関係ありませんので今回は省略して紹介していきます。
1.Waltz for Debby
ビル・エヴァンス
言わずと知れたピアノジャズの巨匠、ビル・エヴァンスの名盤「ワルツ・フォー・デヴィー」
2曲目アルバムタイトル曲のイントロが流れた瞬間に場の空気がピタリと止まる…そんなハッとする瞬間が散りばめられたアルバムです。
カウンターバーで少し高級なシングルカスクと一緒にどうぞ。
2.KIND OF BLUE
マイルス・デイビス
1959年にリリースされたジャズの一つの金字塔的なアルバムです。
参加ミュージシャンはマイルス・デイヴィス (トランペット)
ジョン・コルトレーン(テナー・サックス)
キャノンボール・アダレイ(アルト・サックス)
ビル・エヴァンス(ピアノ)
ウィントン・ケリー(ピアノ)
ポール・チェンバース(ベース)
ジミー・コブ(ドラム)
と当時のオールスターの勢揃い。
夜の都会の雰囲気が詰め込まれたような洗練された質感のジャズです。
こちらは少しお洒落なバーで、旧ボトルのバランタイン17年のような香り高いウイスキーが合いそうです。
3.We Get Requests Import
オスカー・ピーターソン
黒人ジャズピアニストの巨匠、オスカー・ピーターソンの代表作。
小洒落ているものの、彼のピアノの一音一音から発せられる明るさは聴く人を陽気にさせます。
ハッピーなジャズです。
こちらは居酒屋や立ち飲みバルなんかで飲むニッカや角ハイボールなんかにもフイットします。
大きめの音で流しながら、大きな声で会話する、賑やかな風景が目に浮かびます。
4.Solo Monk
セロニアス・モンク
黒人ジャズピアニストのセロニアス・モンク。
彼の代表作がこちらのソロ・モンク。
明るい曲も彼が奏でると何処か寂しげな「影」を感じてしまいます。
たまにぶっきらぼうな表現も耳を引きつけられる…そんな人の心を揺さぶるプレイヤー。
そんな彼にはアードベッグのようなピートのキツいウイスキーで対抗したいものです。
5.シングス(SINGS)
チェット・ベイカー
粋なジャズトランペッター、チェット・ベイカーの名作、シングス。
こちらは本来トランペッターだった彼がボーカルにも積極的になり始めた時代、1954年にリリースのジャズの名盤です。
スタンダード・ナンバーを中心とした曲目ですが、彼なりのアレンジが光っていますし、なにより少し青臭い鼻にかかった声は女性の心をギュッと鷲掴みにしてしまいます。
一癖あるけど甘みが追いかける、ボウモアのロックが合う…そんな一枚です。
6.Full House
ウェス・モンゴメリー
ジャズギターの大巨匠。
力強く素早いフレージング、都会的かつどこか異国の雰囲気が漂う楽曲の数々…
一曲目のイントロを聴いた瞬間からラフロイグのようなスモーキーなウイスキーを贅沢にハイボールで飲みたくなります。
高級感と多国籍感の溢れる1枚です。
7.ベター・デイズ(BETTER DAYS)
ジョー・パス
こちらもジャズギターの名手、ジョー・パスがソウル系にサウンドを寄せた珍しい1枚。
ジャズはちょっと…という方もこのベター・デイズでしたらサラッと聴けるはずです。
楽曲もバラエティー豊かですので、シャッフルしながら聴いても良いかもしれませんね。
ウイスキーの登竜門、白州のような高級感と誰からも愛されるポップさを持ち合わせた一枚です。
8.この素晴らしき世界
ルイ・アームストロング
誰もが一度は聴いたことがあるサッチモことルイ・アームストロングの代表作。
しゃがれた歌声に合わせてテネシーウイスキーのジャック・ダニエルをロックで如何でしょうか。
力強くて香り高い…ジャズボーカルの王様的な存在感に合うのはやはり存在感と親近感の溢れるジャック・ダニエルかと存じます。
9.アンダーカレント(UNDERCURRENT)
ビル・エヴァンス
名義はビル・エヴァンスですがこちらはギタリストのジム・ホールとのデュオ。
2人の息の合ったプレイ。
呼応するフレーズやリズム…
とてつもない高級感と重厚感。
今は亡きポートエレンの様な、そんな存在感を感じます。
閉鎖された蒸溜所の貴重な1本を空け、加水せずストレートで緊張感をもって味わう…
そんな背景にピッタリの音楽です。
10.ポエマ・オン・ギター (POEMA ON GUITAR)
バーデン・パウエル
バーデン・パウエルといえばラテン・ブラジル音楽のイメージが強いのですが、こちらはジャズミュージシャンとのスタンダードナンバーのセッションを収めた一枚なので十分ジャズとして聞き入れることが出来ます。
とは言いつつもラテンミュージックの軽快なリズムがにじみ出ており、それがお洒落なテンションコードと絡むことによりボサノバジャズの様な捉え方も出来るかもしれません。
そんなポップな音楽には少し口当たりが軽めのカナディアンウイスキーやジェイムソンあたりのアイリッシュウイスキーが合いそうです。
少し強めの炭酸でハイボールにして、音量大きめで楽しんでください。
ジャズとウイスキーのハーモニーを楽しむ
如何でしたでしょうか。
今回紹介したのはウイスキーに合うジャズ10選、ということでしたが、本当でしたら10選どころか100選、200選くらいは欲しいところ…。
つまり、それだけウイスキーに合うジャズは存在するということですね。
お祝いごとに新しいボトルの封を開ける。
そんな記念すべき瞬間にはそのウイスキーに合ったジャズをかければ、より一層美味しく頂けること間違いありませんよ。
お家で、旅先で、超気軽にジャズの名盤を楽しむ
圧倒的におすすめは、Amazon Music Unlimited
今はWifiやBluetoothでワンタッチでスピーカー再生できますからね。
ちょっと良いスピーカーを買って、自宅でウイスキーを飲みながら気軽にジャズが楽しめるのは最高です。
旅先でお気に入りのジャズが聞けるのも良いですね。
新曲から名盤までなんと4,000万曲が月980円程度で楽しめます。
プライム会員だともっと安いみたいですね。
30日間は無料で試せますし、いつやめてもいいので、登録して使いごこちを試すのはアリですね。