おすすめの飲み方・飲み進め方
ストームの名にふさわしく、吹きすさぶ海風と、ゴツゴツとした岩場に打ち当たる水しぶきを彷彿とさせる味わいを持っています。
おすすめの飲み方はハイボール。
若いアイラモルトが好きな方はストレートもおすすめですが、ちょっと加水には弱い印象です。
料理との相性はよく、ベーコンやミックスナッツを使ったおつまみと合わせると絶品。匂いが強いニンニクオイルなどとの相性も良いので、ぜひ「刻みニンニクとベーコンとミックスナッツ炒め」を作って飲んでみてください。飛びます。
2007年頃に販売されていた「アイラストーム12年」はより甘いピート感でまろやかだったイメージを持っています。いつの間にか販売がなくなってしまったなぁ。
さらに「アイラストーム カスクストレングス」は58度あって飲みごたえがありました。原酒も若すぎない印象でボディの厚さもしっかりあったと記憶しています。
こういった蒸溜所非公開のカスクストレングスものは割と出来がよく手に入れておくことをおすすめします。
フィンラガンやアイリークのカスクストレングスもいつか終売してしまうのかな。
ちなみにアイラストームの大方の見方はラガヴーリンかカリラですが、味わいにパイナップルを感じることから、海外ではボウモアという意見も散見されます。
アイラストームの発祥と歴史
アイラストームを販売しているジェームスアンドサンズ社は2005年、ヴィンテージ・モルト・ウイスキー社の子会社として設立されました。
正確にはヴィンテージ・モルト・ウイスキー社の子会社である、「ハイランズ&アイランズ社」のもとで作られており、ヴィンテージ社からすると孫会社にあたる位置づけです。
親会社となるヴィンテージモルトウイスキー社、そしてハイランズ&アイランズ社からはアイラストームと同じアイラ島のシークレットモルト「フィンラガン」や「アイリーク」、「ピブロック」がリリースされています。
なんとなくわかってきましたね。
そうです。蒸溜所非公開のボトルばかり扱っている会社なのです。
アイラストームは当初アメリカとフランスに向けてリリースされていましたが、現在は日本でも入手は可能で、ネット通販やモルトバーにいけば気軽に楽しむことができます(ちょっと入荷が不安定なこともあります)。
格安で飲めるアイラモルトということで、ファンの間からは今後のラインナップリリースが期待されています。
アイラ島を代表するラフロイグやボウモア、アードベッグの価格が高騰する中、3,000円以内で手に入るアイラストームは、その価格も魅力のひとつといえるでしょう。
アイラストームの正体について
さて、本来であればこの辺りでアイラストームの製法について語りたいところなのですが、なにせ蒸溜所不明ということでしっかりとした製法を語ることができません。
製法に関して公開しているのは、「熟成にホグスヘッド樽を使用している」という情報だけ。
このヒントからもいくつか蒸溜所を辿る道はあるのですが、情報ばかりおいかけてもやはり感覚に勝るものはない!
ということでやはりここは私自身がテイスティングして、個人的な感想を述べていきたいと思います。
香り
まずは香りから。
グラスを近づけるとアイラモルト独特のスモーク、ヨード、磯辺の海風、バニラエッセンスやモルトの甘みと香ばしさなどがおしよせます。
しかしスモーク感はそれほどきつくなく、穏やかで程よく伸びます。
個人的な感想として香りの主体はスモーク&ヨード&バニラといった構成でフルーティな要素は在るのですがそれほど主張しない印象です。
この時点でやや柑橘を感じるアードベッグやドライフルーツ系のボウモアは違うのかな…という見解に。
味わい
次に味わいですが口に含むとずっしりとした酒質でバーベキューのようなピートスモークとヨード、バニラエッセンス、やや木酢、ビスコッティ、後半はスパイシーさが残り余韻へと続く…そんな印象を受けました。
ん〜、これは難しい!笑
パッと頭に浮かんだ蒸溜所の候補はラガヴーリン 、カリラ、ラフロイグ の3つ。
しかしラフロイグのエンジンオイルのようなオイリーさやメディシナルな薬品様の戻り香は感じない…
となるとカリラかラガヴーリンの2択か。
総評
思ったよりピートが穏やかで、カリラやラガヴーリンよりもピートのインパクトは薄い気がします。
一瞬、ラベルのデザインと価格的にブナハーブンのピーテッドという考え方もあるかも!?なんて頭に寄りぎましたが、このスパイシーさはやはりカリラ、ラガでしょうな。
色々考え、迷った結果、最終的な1択は短熟のラガヴーリンという結果となりました。
ま、どれだけ悩んでも蒸溜所は謎のままですが。
皆さまもアイラストームを飲む機会がありましたらグラスを傾けつつ、何処の蒸溜所でつくられたのかを考えてみて下さい。
面白いもので、ここだ!と蒸溜所を決め、イメージしながら飲んでいると、その蒸溜所の味わいになんとなく似てきます。
シークレットモルトあるある、でしょうか。
ちなみにSNSの口コミを見る限り、みなさんはこんな感じで予想しています。
『アイラストーム』
中身はアイラ島のどの蒸溜所か明かされていない秘密のアイラモルト。
熟成年数も不明。
ラフロイグ?カリラ?それともボウモア?
想像を膨らませて楽しんでみてください。
Barアンバール pic.twitter.com/IqQhR5L5IR— masumi (@karinn72) February 4, 2019
なぜか今まで飲んでこなかったアイラストーム。どこの蒸溜所のモルトかは分カリラませんが、この感じは…。
※個人の意見です#TWLC pic.twitter.com/mAvLEgdiT2— Y's@BAR Kaguya (@zkncl_787) March 28, 2020
蒸溜所不明という謎のウイスキー、アイラストーム。
凄いヨード香!グラスに注いだだけで懐かしい保健室の香りがw
ナッツと合わせたらさらに強烈に…
お前ラフロイグだろ!? pic.twitter.com/rnFJy5b1w0— かけうどん (@hiyakakeudonman) April 18, 2019
過去にも出てますがアイラストーム
を、ハイボールにしてみる。
アイラの中では蒸留所不明と言うけど個人的にはボウモアが正体なんじゃないかと飲む度に思う(カンですけど) pic.twitter.com/7ScUsVs3yR
— S15@心も車もドス黒い人 (@Scarface_S15) December 8, 2019
アイラストームのラインナップ
アイラストーム
こちらはアイラストームのフラッグシップボトル。
ストームというネーミングとは裏腹にスモーキーさは穏やかで、バニラの濃厚な甘みと後半にかけてのスパイシーさを楽しめるボトルとなります。
スモーク感は穏やかなものの、ヨード感とブリニーさがアイラモルトを物語っています。
香りはスモーク&ヨード&バニラといった構成で、フルーティな要素は在るのですがそれほど主張しない印象。
口に含むとずっしりとした厚めのボディで味わいはバーベキューのようなピートスモークとヨード、バニラエッセンス、やや木酢、ビスコッティ、後半はスパイシーさが残り程よい長さの余韻へと続きます。
2017年の「IWSCインターナショナルワイン&スピリッツコンペティション」で銀賞を受賞しています。
現在はこちらの商品しか販売していませんが、アコール度数58度の「アイラストーム カスクストレングス」や、「アイラストーム12年」などがラインナップとして存在していました。
アイラストームのおすすめの飲み方
安くて旨いスモーキーモルトの非公開アイラモルト第三弾、今回はアイラストームです。
「タリスカー」や「カティサーク」なども、名称に「ストーム」と付くラインナップを販売していますね。
ちょっと輸入が不安定なところがあるので、気に入ったら常備しておきましょう。
ざっくり覚える!
アイラストームはスコットランドのグラスゴーにあるジェームス・アンド・サンズ社が販売しているシングルモルトウイスキーです。
製造場所は「アイラ島産」としているだけで、蒸溜所についての情報は一切公開されていません。
しかしアイラ島には数少ない老舗の蒸溜所しかありませんので、候補はかなり絞られています。
正真正銘アイラモルトなので、味わいは保証されていると思っていただいてよいでしょう。
グラスを傾けながら蒸溜所を予想する…そんなクイズのような楽しみ方ができるボトルです。
フィンラガンやアイリークなど蒸溜所不明のアイラモルトはいくつか存在し、それぞれ人気を博しています。