「運動で汗をかけば二日酔いが治るかも」という思いから、二日酔いにも関わらず運動をしている方は多いのではないでしょうか?
二日酔いは、アルコール成分が分解される際に生成されたアセトアルデヒドという物質のせいで起こります。
運動で汗を流せば汗とともにアセトアルデヒドが体外へ排出されそうな気がします。
しかし、この理論は果たして正しいのでしょうか?
今回は二日酔いと運動の関係についてご紹介していきましょう。
二日酔いのときの運動はOKかNGか
結論から先にお話ししますが、二日酔いが治るまでは運動を行うべきではありません。
それは、以下の理由によるものです。
汗腺からアセトアルデヒドが排出されることはない
アセトアルデヒドに限らず、体内にある毒素は運動で汗をかけば汗と一緒に体外へ排出されそうな気がしますが、実際には運動で汗をかいてもアセトアルデヒドが体外へ排出されることはありません。
その理由は、アセトアルデヒドの分解・代謝経路にあります。
ご存じの通り、アルコール成分は肝臓で分解・代謝され、その際に生成されるのがアセトアルデヒドです。
アセトアルデヒドがどのように体外へ排出されるのかというと、同じく肝臓で分解・代謝されて酢酸へと変換、尿として体外へ排出されて行きます。
また、その一部は呼気として外部に排出され、これがいわゆる「酒臭さ」をつくりだします。
このように、アセトアルデヒドは尿または呼気として体外に排出されるものであり、汗として排出されることはありません。
つまり、二日酔い改善目的で運動を行うことは無意味だということです。
血管が拡張し動悸の原因にも
お酒を飲むと血管が拡張し、血流が早くなります。
安静に過ごすことで徐々にこの状態が治まる特性があります。
ところが、二日酔いの状態で運動を行うと再び血管が拡張し、アセトアルデヒドが全身をめぐるスピードが速まり、二日酔いの症状を悪化させることがあります。
さらに、運動で心臓に負担がかかると動悸や息切れ、頭痛や吐き気などの症状が現れることもあります。
ウェイトトレーニングなど負荷が大きい運動を無理に行って嘔吐してしまうと、胃酸が逆流し逆流性食道炎などのきっかけになることもあります。
実は、二日酔い時の運動による動悸や息切れは私自身経験があります。
もうずいぶん前の話になりますが、二日酔いの改善に役立てることができれば…という思いから、1時間と決めてランニングに出かけたことがありました。
ところが、30分程度ランニングしたあたりでいきなり心臓がバクバクし始めて、息苦しさを感じました。
この状態、実際に自分に起こるとかなり怖いです。「このまま倒れたらどうしよう」という恐怖が頭をよぎり、あれ以来、二日酔いが起こっているときには軽いランニングでもしないことに決めています。
アルコール成分が筋肉に及ぼす影響
筋肉の生成にはタンパク質が必要ですので、特にウェイトトレーニングなど高負荷の筋トレで筋肉の増加・増強効果を狙っている方は、プロテインをはじめとするタンパク質を意識して摂取しているのではないでしょうか。
しかし、普段から筋トレで筋肉を鍛えている方でも、二日酔いになってしまったらひとまず筋トレは避けましょう。
上記でご紹介した理由によるものですが、もうひとつ、筋トレの効果が薄れる理由があります。
それは、二日酔いでアセトアルデヒドが体内に残っている状態では食品から摂ったタンパク質の吸収率が普段よりも下がり、筋肉が生成されにくい状態になっているからです。
筋トレを頑張って行っている方は、とりあえずアセトアルデヒドが完全に体外へ排出されるまで待ってから筋トレを再開しましょう。
二日酔い時の運動のリスク
上記では、二日酔い時の運動が身体に及ぼす悪影響についてご紹介してきましたが、ここではリスクについてご紹介することにします。
運動機能の麻痺による怪我
アセトアルデヒドは脳神経にも作用するため、体内に成分が残っていると運動機能も麻痺します。
お酒を飲んでいるときには千鳥足や握力の低下などの状態が起こりやすくなりますが、二日酔いの時にもまだこの状態が続いていることがあります。
運動機能が麻痺した状態で運動をすると、身体をうまく動かすことができない、あるいは力が入らないなどの理由から怪我のリスクが高まります。
酔って転んでどこかを擦りむいた程度であれば笑い話で済みますが、器具を使ったスポーツによる怪我は洒落になりません。
特にバスケットボールやラグビー、格闘技などのスポーツでは体が激しくぶつかり合います。
ご自分の体はもちろん、相手もある話なので二日酔い時には激しい運動は避けましょう。
判断能力低下による事故
怪我と関連しますが、高重量のバーベルやダンベルを使用したベンチプレスやスクワット、デッドリフトなどの高負荷ウェイトトレーニングは大きな危険が付きまといます。
誤って落としたり、ひねったりすると、神経断裂など取り返しのつかない怪我を負ってしまう可能性も考えられます。
運動機能が麻痺した状態で万が一手元が狂ったら、器具に挟まれる、器具の落下や転倒などによる事故が起こるリスクが高まるでしょう。
モータースポーツの場合では飲酒運転になるリスク
法律的な話になりますが、アセトアルデヒドが体内に残っている状態で自動車やバイクなどを運転すると、場合によっては酒気帯び運転となって法律に触れることになります。
また、モータースポーツであれば公道で運転することはないかもしれませんが、酒気帯び運転では周囲のドライバーを巻き込む事故を起こす可能性があります。
こちらも自分だけでなく、相手もあるスポーツなので、絶対に避けましょう。
二日酔いの朝、頭痛やだるさがある中でのランニング
マラソンやランニングをはじめ、ジョギングやウォーキングは一人で手軽に行えるスポーツであるため、二日酔い時に行ったとしても事故などに合わない限り他人に迷惑をかけることはないかもしれません。
では、これらを二日酔いの朝、頭痛が起こっているときに行っても大丈夫なのでしょうか?
ジョギングやウォーキングの軽い運動は?
ひどい二日酔いの状態でなければ、軽いジョギングやウォーキングは行ってもかまわないでしょう。
自分のペースで行える軽い運動であれば、代謝アップに役立ち、二日酔いの改善に役立つといわれているからです。
しかし、朝起きて頭痛でフラフラしているようなら、ジョギングやウォーキングでも行わないことがベストです。
また、ウォーキングやジョギングよりもややハードなランニングも絶対に行ってはいけないということではありませんが、フラフラしている状態で行ってしまっては危険です。
運動は毎日の積み重ねで効果を実感できるものですが、それはあくまでも健康な状態で行ったときの話で、二日酔いの状態では話は別です。
それよりも、ひとまず安静にしてアセトアルデヒドが体外へ排出されるのを待ってから運動を行うほうが、はるかに効率的だといえるでしょう。
二日酔いと筋トレ
日常的に筋トレをしている方は、二日酔いだろうがどうだろうが、トレーニングルーティンがずれると気分が悪いと思います。
しかし、アルコール成分がまだ体内に残っていると筋トレの効果は半減します。
それは、筋トレで影響を受けやすい速筋線維が反応しにくく、脂肪燃焼率も低下するといわれているからです。
内臓の疲れがあるとオールアウトまで追い込むことも難しいでしょう。
二日酔い当日にどうしても筋トレをしたいのなら、やはりアセトアルデヒドが体外に排出されるまで待つことが賢明です。
運動するなら二日酔いが治ってから行うこと
二日酔いで運動をするメリットは何ひとつありません。
普段から運動をしていようがいまいが、二日酔いという状態がそもそも健康な状態ではないわけですから、まずは健康な状態に戻るまで待つというのが正しい対処方法です。
運動がルーティンワークのようになっている方の場合では、1日でも運動をしない日があると落ち着かないかもしれません。
ですが、二日酔いの運動で万が一の怪我や事故に遭ってしまったら、その先運動を行えなくなる可能性が高まります。
二日酔い時には運動をせずにおとなしく過ごすこと、何をおいてもまずは回復が先決です。
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肝臓が常に健康であればお酒の代謝もスピーディーに行うことができ、さらには二日酔いの頭痛や吐き気も予防できます。
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