「二日酔いは迎え酒で治る」という話、あなたも一度や二度耳にしたことがあるのではないでしょうか?
確かに、迎え酒をすると二日酔い特有の頭痛や倦怠感などの症状からは解放されます。
しかし、アルコール成分が抜け切らないうちから新たなアルコール成分を体内に取り入れるというのは、はたして二日酔い対策として正しいのでしょうか?
今回は、迎え酒で二日酔いの症状が緩和される理由や、迎え酒で生じる可能性がある問題点について考えてみることにします。
迎え酒は二日酔い対策に逆効果。酔わないというのは嘘。
迎え酒は「毒をもって毒を制す」の原理に当てはまりそうですが、迎え酒が二日酔いに効くというエビデンスはまったく存在していません。
それどころか、反対に二日酔いを長引かせることになります。
しかし、迎え酒をすると一時的であっても二日酔いが改善されたかのような感覚に陥ります。
ではなぜ、このようなことが起こるのでしょうか?

その答えは、「アルコール成分による脳の麻痺」。
ここで、ご自身が酔い始めたときの感覚を思い出してみてください。
お酒に口を付け始めたころには意識がはっきりとしていて、すべての行動において不自由さを感じることはなかったはずです。
ところが、お酒が進んでしばらくすると、足元がふらつく、目がかすむ、ろれつが回らなくなるなどの状態になりましたよね?
これは、アルコール成分で脳神経が麻痺を起こし、身体のあらゆる機能が低下したことを意味します。
では、二日酔いの状態でお酒を飲んだ場合ではどうなるのでしょうか。
この場合でも脳の神経が麻痺するというところまでは同じです。
しかし、アルコール成分の分解時に生成されたアセトアルデヒドが体内に残っている状態のため、迎え酒で新たなアセトアルデヒドが生成されることになります。
つまり、迎え酒によって二日酔いが改善されることはなく、むしろ二日酔いを長引かせる結果になるということですね。
迎え酒の科学的根拠はない
上記でも少し触れましたが、迎え酒は二日酔いを長引かせることはあっても、改善に役立つことはなく、もちろん医学的・科学的根拠もありません。
さらに、迎え酒をすることでアセトアルデヒドがどんどん体内に蓄積されることになるわけですから、脳や肝臓に与えるダメージも大きくなるでしょう。

それだけでなく、息は酒臭くなるわ、判断力は鈍るわで、日常生活もままならない状態になってしまうことも考えられますので、とにかくいいことがありません。
迎え酒をして気持ちが悪くなるなどの症状が現れれば飲みすぎることはないかもしれませんが、たちが悪いのは、「迎え酒で二日酔いが楽になった」と感じることです。
いうまでもなく脳の麻痺で起こる現象なのですが、二日酔いで辛いと、「どのような手段でもかまわないから早く楽になりたい」という思いから、手っ取り早く迎え酒をしてしまうことがありますよね?
でも、これは絶対にやってはいけません。
二日酔いを早く改善したいのなら、対処の項でご紹介する対策を試してみてください。
迎え酒でアルコール中毒・依存症に
対処の前にもう少しリスクについて解説し置きましょう。
迎え酒で気持ちが悪くなったり吐き気がしたりするだけならまだいいのですが、迎え酒が習慣になるとアルコール中毒や依存症のリスクが高まるのです。
ここでは依存症の過程について触れておくことにしましょう。

アルコール依存症はジワジワくる!
アルコール依存症はある日突然症状が現れるわけではなく、段階を踏みながら症状が現れるといわれています。その段階は初期・中期・後期にわかれていますので、ご自身にその兆候がないかどうか、ひとまずチェックしてみてください。
初期の症状
ほぼ毎日お酒を飲む習慣があり、お酒を飲まないと落ち着かず、飲む量がどんどん増えていきます。この部分が怖いところで、酒量が増えてきたとしても自覚がなく、そのため知らず知らずのうちに1日の酒量が少しずつ増えるのです。
また、この段階ではまだ仕事や日常生活に支障をきたすレベルではありませんが、毎日お酒を飲む時間になるのが待ち遠しい、時間を前倒しして飲み始めるなどの行動が目立ってきたら、初期のアルコール依存症になっている可能性が高いといえるでしょう。
そして症状が進むと、今度はブラックアウトするまで飲み続ける日が増えてきて、お酒を飲むことが優先され、次第に生活自体が乱れてきます。
迎え酒はこのきっかけになる可能性があるのです。
中期の症状
アルコール中毒や依存症が進んでくると、常に体内にアルコール成分がないといられなくなり、アルコール成分が分解されるとイライラしたり、寝汗をかいたりすることが多くなるだけでなく、不眠や悪寒、下痢などが頻繁に起こるようになることがあります。
ご家族がいる方の場合では、このような状態を見るに見かねて酒量を控えるように注意されるでしょう。しかし、ほとんどの場合ではそれを聞き入れず、ますます酒量が増えることが多いといわれています。
また、仕事や日常生活に対する支障が出始めるのもこの頃で、仕事上のミスや事故などを起こすリスクも高まります。
この段階になったとしても、酒量さえ控えられれば悪化を食い止めることができると考えられていますが、ますます酒量が増えた場合では最終段階のアルコール依存症後期に突入します。
後期の症状
酒量のコントロールができなくなって食事よりも飲酒を優先させるようになります。もちろん、この段階になると仕事は行えず、毎日が酒びたりの生活になって、お酒が切れると身体の震えや不安感などに襲われることが多くなります。
この段階になると社会的な信用を失うのはもちろんのこと、肝臓疾患に見舞われることもあり、最悪死に至るケースもあります。
また、人によっては幻覚症状が現れて、他人に危害を加えるケースもあるといいます。
このようにアルコール依存症はジワジワと私たちを蝕む症状で、迎え酒をする習慣があると依存症になる確率が高くなるといわれています。
「たかが迎え酒」という考え方は危険ですので、二日酔いの辛さが続いたとしても、迎え酒だけは絶対にしないように注意しましょう。
迎え酒で吐き気や胃が気持ち悪くなる

迎え酒で吐き気や胃が気持ち悪くなるという方の場合は、まだアルコール依存症の入り口に立っていない可能性が考えられます。しかし、それで安心してしまってはいけません。
それは、吐き気や気が気持ち悪くなる原因は胃酸過多と胃酸の逆流で、注意していないと「逆流性食道炎」を発症するリスクが高まるからです。
別の記事でも書いているのですが、私はかつて、食道裂肛(しょくどうれっこう)という部分が開いて吐き気が止まらなくなる、「食道裂肛ヘルニア」という病気を発症したことがありました。
そのときの原因は迎え酒ではありませんでしたが、酒量が多かったことは確かで、医者には散々叱られました。そして、発症から数カ月間は症状が続いて、とても苦しい思いをしました。
もちろん、症状が現れている最中には大好きなお酒も飲めず、まさにダブルバンチ。
その後は症状が良くなってお酒を飲めるようになりましたが、飲酒や迎え酒が発症原因になることを知って愕然とし、今ではセーブしながら飲むように気を付けています。
「逆流性食道炎」も「食道裂肛ヘルニア」も、症状を発症すると吐き気や胃が気持ち悪いだけでなく、めちゃくちゃ胃が痛くてどうにもならなくなりますよ~。
そうならないためには飲みすぎに注意して、迎え酒は絶対にしないことです。
迎え酒以外で二日酔いを対処する
お待たせしました。
リスクを学んだあとは迎え酒以外の二日酔い対処法をご紹介します。まずはお手軽に実践できる以下の方法で対処しましょう。
水分補給

当然ですがこれです。
BARRELの二日酔い記事では永遠に言ってきてますが、みなさん忘れがちです。
目が覚めて頭がガンガン痛い、気持ちが悪いなどの症状が現れたら、すぐにお酒に手を伸ばすのではなく、水道水やミネラルウォーターを飲みましょう。
上記でも述べていますが、アルコール成分の分解や代謝作業で手いっぱいになっている肝臓は、他の成分が次々に送り込まれてきても、それらの処理にまで手が回りません。
その結果として起こるのが、低血糖症や脱水症状といった症状です。
これらの症状を改善するためにはひとまず大量の水が必要になります。二日酔いになったら、何はともあれ水をたくさん飲んで次の対処のための準備をしましょう。
栄養補給

アセトアルデヒドの分解促進効果を期待できる、ビタミンC、低血糖を緩和するブドウ糖を摂取してみましょう。
ビタミンCはフルーツ全般に多く含まれていますが、フルーツをそのまま食べるのが辛いときには、リンゴジュースやオレンジジュース、グレープフルーツジュースなどを飲んでみましょう。
糖も入っていておすすめです。
また、私個人的には二日酔いの時にトマトジュースをよく飲むのでこちらもおすすめです。
シャワー

二日酔いの際に熱い湯船に浸かると、アセトアルデヒドが全身を巡って気分が悪くなることがあるので、湯船につかるのは避けましょう。
しかし、熱いシャワーなら別です。
適度な血行促進作用があるため、二日酔い改善に役立ちます。
ただし、ひどい二日酔いのときにはいきなりシャワーを浴びるのではなく、水分を補給したあとにゆっくりシャワーを浴びてみると良いでしょう。
迎え酒で二日酔いがよくなることはあり得ません。
アルコールを摂取するのではなく、水分補給、栄養補給をしながらアセトアルデヒドの分解を優先しましょう。予防にはサプリもおすすめです。
迎え酒を海外ではなんという?迎え酒外国語例
そういえば、海外にも迎え酒の習慣ってあるのか、ちょっと気になります。
迎え酒なんて外国語あるの?と思ったのですが、とりあえず調べてみたところ、以下の情報が見つかりました。
・英語…another drink in the morning
ちなみに英語では、「hair of the dog(that bit you)」つまり「(あなたをかんだ)犬の毛」とも言います。
犬にかまれた時に、その犬の毛を傷につけると治るという迷信から来た言葉だそうです。
「迎え酒をする」は「have a hair of the dog」です。
・韓国語…해장술(haejangsul)
・フランス語…Liqueur marine
・中国語…腌制的酒(Yān zhì de jiǔ)
・ロシア語…Маринованныйликер(Marinovannyy liker)
・ベトナム語…Rượu ngâm
読めません(笑)
でも、実際に調べて言葉が見つかったということは、世界各国に二日酔いに悩まされる人がいて、迎え酒をする人がいるということを示しているにほかありません。
この記事をお読みの方の多くは日本人だと思いますが、日本語を読める外国人ユーザーさんがいたら、迎え酒は絶対にしないように注意してください。日本の「迎え酒」は迷信ですよ。
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