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グレンロセスの味を学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

グレンロセスの味を学ぶ!味や種類、おすすめの飲み方

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オーツカ

ざっくり覚える!

グレンロセスはスコットランドのスペイサイド地方でつくられるシングルモルトウイスキーで、カティサークやフェイマスグラウスのキーモルトとしても有名です。

そのフルーティーでスムースな味わいは昔からブレンダーたちの間で「トップドレッサー」と高く評価されてきました。生産量の95%がブレンデッド用として原酒提供をしており、ひと昔前までシングルモルトを入手するのはかなり難しかった銘柄です。

グレンロセスは味わいだけでなくボトルの立ち姿も魅力的です。
ぷっくりと丸みを帯びたボトルに、何やら手書き文字が走り書きされたようなラベルが貼り付けられた外観。

これはブレンダーがテイスティング用に使用する「サンプル用ラベル」を模したシールなのです。ブレンダーに愛されてますね。

 

おすすめの飲み方・飲み進め方

オーツカ

オレンジやメープルシロップ、はちみつとかすかな硫黄。リッチなアロマが魅力のグレンロセス。上品な和菓子を彷彿とさせる風味を持っています。

繊細なバランスのシェリーモルトといった印象で、そんなに酒質は強くないと思います。
ゆえに樽に染まりやすいといったイメージ。

現行のソレオシリーズは本当に干しブドウ感が強いです。
ヴィンテージリザーブはミルクチョコレートみたいな印象でしたが、ソレオはよりシェリー樽の深み、タンニンの渋みがありました。

おすすめの飲み方ですが、ストレートもしくは少量ずつ加水してご自分のベストな塩梅を見つけるのがよいでしょう。
12年はロックもおいしいです。

グレンロセスは樽感が強いものも多く、ともすると樽に負けてしまっているのでは?と思うものがいくつかあります。

では長熟に向くかといったら経験上そうでもないような印象です。
人間でいうと、勢いに流されやすい、染まりやすい、しかし誰からも好印象といった、良くも悪くも八方美人なイメージがあります。もちろん過去リリースされた多くのボトルの中には、強い骨格を持った神がかったグレンロセスも存在します。

そういった意味では掘り甲斐のあるウイスキーといえます。グレンロセスに強いバーテンダーさんと相談しながら飲んでみてください。

グレンロセスの発祥と歴史

どこで作られているのか?

過去のスコットランドのローゼス

グレンロセス蒸溜所はスコットランドを流れるスペイ川の下流、ローゼスの街に建てられています。

ローゼスは古くからウイスキー産業が栄えている街で今でもグレングラント、グレンスペイ、スペイバーンなど名だたる蒸留所が稼働し続けています。

中でもグレンスペイはニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝氏がウイスキー作りを学んだ蒸溜所として知られており、そういう意味でローゼスの街は日本のウイスキーの原点ともいえる場所です。

蒸溜所名はローゼス川の谷間に蒸溜所が建てられたことからグレン(谷間)、ロセス(ローゼス)と名付けられました。

グレンロセスの歴史

グレンロセス蒸溜所

グレンロセス蒸留所は1878年、当時近くのマッカラン蒸溜所を経営していたジェームズ・スチュワート社によって設立されます。

資金を借りていたグラスゴーのメインバンクが蒸溜所建設中に倒産するという不運が起こり、規模を縮小しての建設となりました。

スピリッツの蒸溜が始められたのは1879年12月28日。

この日はテイ湾に架かるテイ橋の崩落事故が起きた日でもありました。

グレンロセスは創業当初からトラブル続きで、火事や事故にしばしば悩まされ不安定な運営が続きます。

特に火事です。

グレンロセスはよく燃える。

グレンロセスで起きた事故を時系列順に追っていくとその事故の多さに驚かされます。

高いアルコール濃度のウイスキーは燃えやすく、蒸留所はその代償を払わなければなりませんでした。

雪の降るモノクロのグレンロセス蒸溜所

1896年に増築工事が始まり、ポットスチルが2基から4基へと増設された最中、工事が終わる直前の1897年12月に火災が発生。

1903年に爆発事故発生。

1902年に第一倉庫から火災発生。

これにより約 20万ガロン (91万㍑) のウイスキーを損失します。

1962年にも火災発生。などなど。

まさに苦難に彩られた歴史と言えるでしょう。

1962年の事故のあと、拡張工事が行われました。
1982年のさらなる改装工事により、初溜・再溜それぞれ5つずつのポットスチルを備えるようになります。

このようにグレンロセスは事故に見舞われながらも力強く再建を繰り返してきた蒸溜所でした。

幾度となく蒸溜所のオーナーは変わりますが2010年にエドリントン社からベリーブロス&ラッド社に売却され、更に2017年にはエドリントン社が買い戻し、現在はエドリントン社のグループとして生産されています。

グレンロセスの製法

グレンロセス蒸溜所のポットスチル

糖化槽はステンレス製で1回の麦芽の仕込量は5トン。

発酵槽は昔は全てオレゴンパイン製のものを使用していましたが、劣化とともにステンレス製のものに変更。

しかしこれにより風味が変わってしまったため25000Lの木製のものに戻されました。

発酵槽時間は50〜55時間と長め。

ポットスチルはバルジ型で、初溜5基、再溜5基併せて10基が使われています。

蒸溜時間は初溜で6時間(22,990L)、再溜にはなんと11時間(35,400L)。非常に長い時間かけて行います。

仕込みに使われる水は蒸溜所背後の丘の上にあるアードカニー、フェアリーズウェルという2つの泉の水を使用しています。

グレンロセス蒸溜所の樽

丸みを帯びたかわいらしいボトルは、古くから蒸留所で使われてきたサンプル・ボトルを象ったもので、ラベルには、テイスティング・ノート、蒸留年、瓶詰年の他、モルト・マスターのサインが記されており、確かな品質を保証しています。

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グレンロセスのラインナップ/ソレオシリーズ

2018年リリースした新しいグレンロセスのラインナップです。

ソレオとはシェリー酒に使用する「ぶどうの天日干しの工程」を指します。

同シリーズはその名のとおり、シェリー樽のみを熟成に使用して造られました。

ザ・グレンロセス 10年

ソレオシリーズの10年もので、シェリー樽を使って10年以上熟成させた原酒が使われています。

カラメル、バタースコッチ、バニラなどの甘い香りに混ざりうっすらとヨーグルトのような乳酸系の香りも奥に潜みます。

10年にしてはどっしりと厚みのあるボディ、味わいはミルクキャラメル、バタースコッチ、レーズンなど甘味とオレンジピピールの柑橘系。
少々ワクシーな印象もあります。

余韻はうっすらとしたヨーグルトの酸味を帯びたスパイシー感。

スパイシーだけど全体的に丸みがあり飲みやすい仕上がりになっています。

ザ・グレンロセス 12年

ソレオシリーズの12年。こちらもシェリー樽にて12年以上熟成させた原酒が使われています。

香りは非常に甘やかなオロロソ、バニラ、牧草、わずかな土っぽさ、奥に僅かな硫黄。

味わいはブドウやプラムなどのフルーツ、バニラやカラメルの甘み、後半には黒胡椒のスパイス感がきます。

余韻はプラムと、コショウ、ビターチョコ。

甘みとスパイシー、ビターのバランスが取れたボトルで、ロックにするととても美味しいです

ザ・グレンロセス ウイスキー・メーカーズ・カット

こちらは熟成にファーストフィルのシェリーカスクのみを使用して造られたボトル。

アルコール48.8%でグレンロセス本来の濃厚で力強い風味を楽しめるボトルです。

香りは濃厚なドライオロロソ。枝付きのレーズンと砂糖漬けのレモンorオレンジピール。パン、カカオ。

味わいもオロロソの芳醇な甘みがどっと押し寄せ続いて熟れたオレンジ、ウエハース、ラムレーズンなどの甘みが押し寄せます。

まるで加糖しているかのような強い甘みをかんじる1本で、後半に少しナツメグっぽい味わいがあります。

余韻はシェリーを纏った木質感が長く続きます。

あまり国内では見かけませんが、国外ではかなり評価の高いボトル。

ザ・グレンロセス 18年

こちらはグレンロセスの18年もの。

シェリー樽のみを使い、18年以上熟成させた原酒で造られました。

香りはベイクドオレンジ、フィナンシェ、バナナとカスタードクリーム。ネクターのような濃厚な甘みも感じられ、香ばしいアーモンドが続きます。

味わいはラムレーズン、サツマイモチップス、カカオ、ビターチョコ、後からショウガとオークのスパイス。

余韻はミディアムロングで木質感が強くスパイシー。

甘みとビター、そしてスパイシーさが同居したボトル。

他ブランドの18年の完成度がかなり高いためやや見劣りする可能性がありそう。

ザ・グレンロセス 25年

25年の歳月を経たグレンロセスソレオシリーズのプレミアムライン。

熟成にはファーストフィルのシェリー樽のみが使われています。

香りは焼きりんご、薔薇、ブラックベリー、オレンジやパイナップルのフルーティー、僅かにタバコ。

味わいはドライプラム、ラムレーズン、麦芽ウエハースの甘みが強く出ています。木質感とタンニンに潰されそうではありますが、中間からはシトラス、スミレ、薔薇といったフローラルな風味があります。

後半にはナツメグやカルダモンなどのハーブ、そしてショウガのスパイスも効いています。

余韻は長めでナッツの皮やベリーの皮のような苦みが少しあります。

濃厚なのでデザートモルトとして最後に飲むのが良いでしょう。

グレンロセスのこれまでのラインナップ

ザ・グレンロセスはこれまで、特定の年に蒸留された「Vintage(ヴィンテージ)」シリーズや、様々な熟成を重ねた原酒をブレンドした「Reserve(リザーヴ)」シリーズという形で展開していました。

一部をご紹介。

ザ・グレンロセス ヴィンテージ・リザーヴ

2015年、ベリーブロス&ラッド社がオーナーだった時代にラインナップ入りしたボトル。

1989年から2007年までに熟成した10種類の原酒をヴァッティングして造られています。

香りは主に柑橘系の果物、続いて柔らかなバニラ、ハチミツの甘み。ダークベリーのアロマとうっすら浅煎りのコーヒー。

味わいはクリーミーで優しい甘さ、ミルクをたっぷりと使ったバニラアイスクリーム、糖蜜を越えると、オレンジなどの柑橘類、ラズベリーの酸味。

余韻に近づくにつれスパイシーさが現れカカオのビターとともに程よい長さで消えます。

ノンエイジですが熟成年数の長い原酒も使われている(であろう)ことから、深みのある風味を手頃に楽しめボトルといえます。

ザ・グレンロセス セレクトリザーヴ

こちらは熟成年数の異なるバーボン樽をメインに、少量のシェリー樽原酒とともにヴァッティングして造られたボトル。

香りは上のベリーやアプリコットなどの果物、バニラビーンズの優しい甘い香り。

味わいはマーマレード、ベイクドオレンジ、カスタードクリーム、蜂蜜などの甘みとトーストしたシリアルの香ばしさ、後半につれてショウガや胡椒のスパイシーさが現れます。

ノンエイジですが、グレンロセスの複雑な風味をしっかりと味わえる内容のボトルとなっています。

ザ・グレンロセス ピーテッド・カスク・リザーヴ

1992年ヴィンテージを含む複数の卓越したヴィンテージ・ウイスキーをブレンドし、アイラモルトの熟成に使用した樽でマリッジ(追加熟成)させています。

樽を通じてピートスモークに触れていますが、ザグレンロセス本来の華やかな個性を失わないためにも、マリッジの期間は長過ぎないよう、バランスのとれた最良のタイミングを見極めてボトリングされています。

オレンジとはちみつとリンゴ、そして少し焦げたキャラメルの香り・

味わいはシャープで、はっきりとピートがあります。バニラと少しのレモン。

余韻はドライでビターで長い。

具体的にはラフロイグの樽だそうですね。最初カリラっぽいかなと思いましたが、バニラとレモンの味わいはラフロイグっぽいです。

ザ・グレンロセス ワイン マーチャント ヴィンテージ1992年 ポート フィニッシュ

こちらは1992年に蒸留し、2014年までアメリカンオーク樽で熟成した後、イギリスで最も古いポートブランドWARRE’S(ワレ)のポートカスクに約2年間フィニッシュさせた逸品。
360本限定リリースのボトルです。

香りは華やかで完熟リンゴ、ハチミツ、グリーンレーズン。

味わいは甘みがメインで焼きリンゴ、ハニートースト、ダークチョコ、木酢のようなウッディネス。長い余韻を楽しめる贅沢な味わいの1本です。

ザ・グレンロセス ワイン マーチャント ヴィンテージ1992年 ワイン フィニッシュ

こちらは1992〜2014年までアメリカンオークの大樽で熟成後、コート・デュ・ローヌ地方のシャトー・ド・ボーカステルのワイン樽でフィニッシュ。

2016年にボトリングした、手間と時間をかけて造られたボトルです。

全世界297本限定でリリースされました。

香りは洗練されたワインの香り、蜂蜜レモンを思わせる夏っぽいジュース、プラム、カカオ。

味わいはエレガントで蜂蜜に漬けたレーズン、フィナンシェ、バニラクリーム、後半にパウンドケーキの優しい香ばしさ、シナモンスパイス。

溢れ出んばかりのジューシーな甘みと僅かなスパイシー感が絶妙なバランスで同居しているボトルです。

 

オーツカ

最近はボトラーズからもよく登場するようになったグレンロセス。シークレットスペイサイド表記で中身がロセスだったというもよくありますね。

流石にトップドレッシングというだけあって、ちょっと個性が捉えにくいかもしれません。
うちの出してるAROMA GLASS BASICだとチョコレート感や黒糖感がだいぶ強くなります。

 




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