ウイスキーの味と香りのテイスティング表現の記事で出てきた『果物系』ウイスキーの解説です。
果物感がよくわかるおすすめの銘柄とおいしい飲み方も書いていきます。
『果物系』ウイスキーは、甘くみずみずしい果実類の香りを感じられるウイスキーです。
ウイスキーの原料に果物は使われていませんが、熟成時の変化により、洋梨、リンゴ、オレンジ、バナナ、イチゴ、パイナップル、メロン、梅、干しぶどうなどのフレーバーを持つことがあります。
『果物系』ウイスキーは、様々な果物の香りがし、複雑に絡み合います。
ウイスキーを飲む際に、自分で「それはどんな果物に近いのか」考えながら飲むと、より一層楽しめることでしょう。
よく使われる味と香りの表現
『果物系』ウイスキーに使われるフレーバー表現には以下のようなものがあります。
わかりにくいものだけ説明をいれていきます。
◆フルーティー
果物、フルーツを感じた際に全般的に使われる表現方法です。
レモン、ライムのようなフレッシュなものから、マンゴーのような濃厚なもの、イチゴなどのベリー系まで幅広く使われる表現です。
◆柑橘系の
少し範囲が狭まってオレンジやグレープフルーツ、ライム、キウイなどのクエン酸を感じるものを指すことが多いです。
◆トロピカルフルーツ
マンゴー、ココナッツ、パパイヤ、パッションフルーツやマンゴスチンなど、南国の濃厚なフルーツを指します。
◆ライム/レモン/シトラス
どれも酸味の強い柑橘系の香り表現です。ライムやシトラスはレモンよりも爽やかさを感じる際に使います。
◆洋ナシ
上品な甘みがある時に使います。豊かでねっとりとした舌ざわり。とろけるような肉感。
◆桃・白桃
ウイスキーで使われる表現は、缶詰の黄桃に近い甘さを指します。まろやかなフルーツ香ですが、同時に瑞々しいジューシーさも表現しています。
◆パイナップル
酸味と甘みが調和してあたかもフルーツのようなフレーバーをパイナップルと呼びます。とろみは他の果物表現より少なく、さっぱりとした甘さが特徴です。
◆メロン
濃厚な味わいで、苦いという程ではない青みが感じられる甘さを持ちます。メロンジュースなどの人工甘味料ではなく、果物のメロンを思わせる柔らかさが連想されます。
◆マーマレード・ジャム
加熱処理をして、砂糖漬けにした果物の表現はウイスキーには多いです。すっきりした甘味に若干の苦み。奥行きのある味わいを表現しています。
◆ドライフルーツ(レーズン・イチジク)
オレンジピール、レモンピールなどの柑橘系の皮の砂糖漬けもこちらに入ります。
こちらもマーマレードに似て、少しの苦みと酸味を伴った果物の表現です。
『果物系』がわかる!おすすめの銘柄
宮城峡
グレンフィディック 12年
グレンモーレンジィ 18年
『果物系』ウイスキーをよりおいしくする飲み方
クラッシュアイスをグラス一杯に詰め、更にソーダ割りにしてハイボールで飲むとフルーツ香が一段と増します。またトニックウォーターやジンジャーエールで割ると、清涼感が得られますよ。
ただ入れ過ぎは禁物。果物の香りがわからなくなってしまいます。
まずは1:1で試してみましょう。
あと上記に挙げたグレンモーレンジの18年はややお値段が張るので、ジンジャーエールで割るなら別の銘柄にしておきましょう。
ウエハースやクッキーなどといったプレーンなお菓子と合わせてみるのも、フルーツの味がより一層感じられて楽しめることと思います。
この場合は、ウエハースやクッキーをかじった後に、ストレートのウイスキーをほんのすこーしだけ口に含み、転がすように楽しむのが吉です。
『果物系』ウイスキーは、「ウイスキーってクサイ」「薬品みたいな匂いがする」「アルコールの味しかしない」なんて思っている方の入門用にとってもおすすめです。
スタートはトニックウォーターやジンジャーエールで割ったものを飲んでいただき、徐々に割りものを少なくしていくのもいいですね!
他にも色々なテイスティング表現があります。以下の記事を参考にしてみてくださいね。