※価格は2021年8月のものです。時間が経つとボトル自体が終売したり、価格に差異が出ると思いますのでご了承ください。
はじめに!オリジナルセットのご紹介
ブレンデッドウイスキーの基本の「キ」!ジョニーウォーカーセット
ウイスキーを嗜む人であれば一度は飲んだことはあるでしょう。ジョニーウォーカーです。
このページではめちゃめちゃ安い銘柄を紹介していくわけですが、基準となる味わいを知っておいたほうがいいと思ってセットを作りました。
ジョニーウォーカーシリーズのラインナップを少しずつ全部飲んでしまおう!という待望の企画です。
30mlセットと100mlセットから選べるので、少しずつ飲み比べて、ジョニーウォーカーを知りましょう。
高級ブレンデッドウイスキーセット
このページで紹介したウイスキーを一通り飲んだら、ぜひ高級ブレンデッドウイスキーにも挑戦してみてください。
いきなり長期熟成品に手を出して、失敗したら不安だなと思っている方におすすめな30mlから頼める安心セットです。
安ウマ、スコッチブレンデッドウイスキーおすすめ40選
ここからは市販品の紹介です。
今回は2000円までということなので有名どころのシーバスリーガル12年などはギリギリ入りません(時期によって2200円くらいまではあるかも)。
それでも40を超える安ウマ銘柄を紹介できるというのだから、いい時代になったもんだ!
凜とか和名のふざけたウイスキー買うなら、こちらから選んだほうが安いしおいしいです。
個人的なおすすめは「定番から抜け出す安ウマ銘柄」と「穴!うまい」です。
以下のタブをクリック!
[su_tabs active=”1″ mobile=”scroll” anchor_in_url=”yes”] [su_tab title=”ド定番のメジャー銘柄” ]
読み飛ばしていいくらいのド定番ブレンデッドウイスキー
ウイスキーを好んで飲んでいる方はほぼ知っている銘柄かと思います。なので読み飛ばして他のタブを選択していいです。
この辺りで飲んでいないものがある人はまずは制覇しちゃいましょう!
フェイマスグラウス
本場スコットランドでトップシェアを維持し続けるこちらのウイスキー。モルト原酒には『マッカラン』『ハイランドパーク』『グレンロセス』などのメジャースコッチをはじめ、40種類以上ものウイスキーをヴァッティング。
生み出される香りはこれぞスペイサイドと思わせるフルーティーさが特徴的です。
バーボン樽由来のスパイシーさとどっしりとした安定感が後味に感じられ、ウイスキーそのものをしっかりと支えてくれるかのよう。
もちろんストレートでも楽しめますが、ハイボールにして軽く飲んでも味が崩れることなく楽しむことができるでしょう。
バランタイン ファイネスト
スコッチの中でもトップクラスのセールスを誇るバランタイン。ヨーロッパでは絶大な人気を誇り、飲まれているスコッチの3本に1本はこの「バランタイン・ファイネスト」というから驚き。ブレンデッドの中でも安価でありながら複雑な香りを感じさせてくれます。
魔法の7柱となるキーモルトをはじめ、57種類以上にも及ぶモルト原酒・4種類グレーン原酒をブレンドしています(ブレンドされているモルトの数は変動あり)。
バランタインの特徴であるスイート、フルーティ、ラウンド、ソフトという4つの個性を感じさせるスタンダードのラインナップ。
香りはバニラ、カカオ、口に含むとほのかなスモーク、落ち着いた飲み口が特徴的なボトルです。
カティサーク
バカルディジャパンとサッポロビールが日本国内で販売しており、リカーハウスはもちろんのこと、スーパーやコンビニでも見かけるウイスキー。
モルト原酒には『マッカラン』『ハイランドパーク』『グレンロセス』などを使用。
基本的には『フェイマスグラウス』も同じ銘柄を使用してブレンドを行っていますが、異なる印象を抱くのがブレンデッドの不思議なところです。
『フェイマスグラウス』が爽やかさを感じさせてくれるのに対し、『カティサーク』はクリーミー&モルティー。麦芽由来の香ばしさと甘さを感じさせてくれるでしょう。
上位クラスである『カティサーク プロヒビション』も要チェック。ギリギリ2000円台の場合があります。アルコール度数50%ではあるものの、カティサークのスムースさを見事に表現して飲みやすさを実現しています。
ホワイトホース ファインオールド
カナダにホワイトホース州があるので、カナディアンウイスキーやアメリカンウイスキーと勘違いされることはありますが、れっきとしたスコッチウイスキーです。
創業は1881年と100年以上もの歴史があり、長い間お求めやすい価格帯で多くの人々から愛されていました。
過去、ホワイトホースはブレンデッドには珍しくスモーキーなフレーバーが特徴的でした。
それもそのはずでキーモルトにはアイラモルトの『ラガヴーリン』が使用されており、ピートと塩辛さをふんだんに感じることができたと言われています。
現在のホワイトホースは時代の変遷からか、かなりライトでフルーティ。『オルトモア』『クライゲラヒ』『グレンエルギン』といったスペイサイドモルトのブレンド比率が多くなったかと思います。
食中にはもってこいの味わいで、ハイボールにして焼き鳥などと召し上がってみてください。他にもダシやしょうゆ味の料理と相性が良いです。
ティーチャーズ ハイランドクリーム
150年以上の歴史を持つブレンデッドウイスキー黎明期からあるブランド。
昨今、メジャーブレンデッドの中でも「美味しくなった!」と評判です。スモーキーな『アードモア』をキーモルトとしており、口に含んだ香りには華やかなピート香も。
加水することで非常にマイルドな口当たりとなり、かすかな甘さとクリーム感が楽しめます。トワイスアップでぜひお試しあれ。
余談ですが、創業者のウィリアム・ティーチャーは名ブレンダーとして知られ、『ティーチャーズ ハイランドクリーム』は「先生のスコッチ」と呼ばれ多くの人々からの支持を得てきました。ティーチャー家はウイスキーの歴史に貢献してきた一族で、コルク栓のボトルキャップやジガーキャップボトル、冷却濾過を開発しウイスキーの進歩に大きく影響を与えたとも言われています。
ベル オリジナル
「ハイランドへの玄関口」と呼ばれるパースという町でアーサー・ベルが生み出したウイスキーです。このパースという都市、『ベル』だけではなく『フェイマスグラウス』『デュワーズ』のルーツを持つウイスキー都市です。
キーモルトには『ブレアソール』『ダフタウン』『インチガワー』などといった華やかな香りを持つモルトが使用されています。香り高くスムースなウイスキーで飲みやすいですが、ブレンデッド全体からすると『ベル』はややビター寄りと言えるでしょう。安価にもかかわらずしっかりしたボディを備えています。
内容物は同じですがラベルの異なる『ベル ユニオンジャックラベル』というボトルもあります。なんとも雰囲気のあるラベルで簡単な贈り物にはぴったりです。
デュワーズ ホワイトラベル
世界最大級のラム酒ブランドであるバカルディが激推ししているスコッチが『デュワーズ』です。
アメリカではスコッチ人気NO.1とも言えるほどの人気を誇り、日本でもハイボールとともにその趨勢を広げています。
バーでもハイボールのベースによく使われ、華やかな香りとアーモンドナッツのようなオイリーなスイートフレーバーが魅力。
この香りと甘さはキーモルトの『アバフェルディ』由来で、さらに『オルトモア』『ロイヤルブラックラ』『クライゲラヒ』『マクダフ』などがブレンドの下支えとなっています。
グランツ トリプルウッド
ファーストフィルのバーボンバレル、リフィルのアメリカンオーク樽、バージンアメリカンオーク樽の3種類の樽で熟成された原酒が使われています。
香りは甘みたっぷりの熟した梨、コーヒービーンズ、麦チョコ。味わいはバニラの甘みと洋梨、みかん水、フローラルキャンディ。
余韻はやや長めでうっすらスモーキーさを感じますがピート由来ではなく樽由来かと。わずかにフローラル。
ソーダ割、ロックなどでもおいしい、コストパフォーマンスに優れた一本。晩酌用としても「アリ」です!
ジョニーウォーカー レッドラベル(ジョニ赤)
世界中を歩くウイスキー『ジョニーウォーカー』はブレンデッドスコッチの頂点とも言える販売数でウイスキーシーンを席巻し続けています。
日本でもその人気は変わらず、昭和期から登場しスコッチウイスキーの象徴的なボトルとしても知られています。
スーパーやコンビニでも手に入れられるお買い求めやすさは、決して低水準を示すものではなく、その莫大な消費により常に高いクオリティを維持。
美味しさのポイントはキーモルト『タリスカー』が醸し出すスモーキーさでしょう。、クセのない味わいで「ウイスキーを飲んでいる」感じがとみに楽しめる印象です。
ジョニーウォーカーブラックラベル(ジョニ黒)
『ジョニーウォーカー』には「赤」とは別にシェリー&ピートを感じる「黒」が存在します。2000円台の価格帯で手に入るので、全く異なる味わいを確かめることができるでしょう。
他にもハードスモーキーな「黒黒」、みずみずしく若々しい「緑」、『クライヌリッシュ』を使用した「金」、円熟味を帯びた長期熟成の「18年」、複層的で円熟味を帯びたハイクラスの「青」、そしてと数え上げていけばきりがないバラエティ。
[su_tab title=”定番から抜け出す安ウマ銘柄” ]
定番から抜け出す安ウマ銘柄
ド定番品から一歩抜け出したコスパの高いボトルたちをご紹介。
買いやすし、損もしない、そんな魅力的な銘柄たちです。むしろド定番品よりもクオリティが高いものも多いので、ぜひここから選んでみてね。
バランタイン7年
2021年3月23日にリリースされたバーボン樽で「後熟」を行ったバランタイン。
後熟はマリッジとも呼ばれていて、ウイスキー原酒を混ぜあわせ、ブレンデッドウイスキーを作ったあとに、再度樽の中で熟成させて原酒同士をなじませます。後熟に必要な熟成期間は数ヶ月から1年ほど。日本ではニッカウヰスキーのフロム・ザ・バレルなどが後熟を使っています。
バランタインファイネストの正統進化系。12年に行く前にこいつを飲もう。
バット69
上品な香り、ピュアな舌触りが特徴的な『ロイヤルロッホナガー』をキーモルトとしたブレンデッド・スコッチ。
少し酸を感じる口当たり、かすかな煙の香りとケミカルな甘さを味わうことができます。
ラベルのインパクトからは違った印象の飲みやすく甘めなウイスキーです。特徴的な酸味はハイボールにすると映えるでしょう。
ちなみに名前の由来は69番の樽。このウイスキーが造られるとき100種類のうち69番目が高評価だったことから名前が付けられたと言われています。
キーモルトとなっているロイヤルロッホナガーは上質なスコッチにしては安く手に入れられるので、『バット69』を気に入った方におすすめしたいシングルモルトです。
グランツトリプルウッドスモーキー
「トリプルウッド」と同じ樽構成ですが、ピーテッド原酒の使用比率を高めスモーキーフレーバーを前に出したボトル。通常のトリプルウッドよりも「通向け」に作られています。
香りはバニラ、麦芽オート麦、焼いたトースト、燻製ナッツやアーモンドのスモーキーなフレーバー。
味わいは最初はスモーク香が鼻腔を抜けますが、後からオレンジなどの柑橘系のフルーティさが訪れ、複雑な味わいを楽しめます。
J&B レア
芥子色のラベルに大きな「J&B」の文字。Jはジャステリーニ、Bはブルックスと2人の創業者の名前が由来となっています。
ロングセラー商品として世界中でも評価が高く、特にアメリカで絶大な人気を誇るこのウイスキーは、禁酒法が廃止された1933年にリリースされた時代を象徴するブレンデッドスコッチとしても有名です。
味わいは淡麗でドライ。スペイサイドモルトを中心に36のモルト原酒と6種類のグレーン原酒をブレンドしており、飽きのこない飲み心地を実現してます。
日本ではキリンが扱っており、コーラ、ジンジャーエール、ソーダなどの割材と合わせる楽しみ方もおすすめしています。
かの有名な小説家、トルーマン・カポーティも愛したウイスキーをじっくり楽しんでみましょう。
ホワイト&マッカイ トリプルマチュア―ド(旧:スペシャル)
2007年までは「ブルーラベル」、つい先日までは「スペシャル」の名前だった本品。
原酒をブレンドした後、プレーンオーク(カスク)という樽でさらに寝かせて瓶詰めする工程をマリッジと呼びますが、そのマリッジを2回行うダブルマリッジが特徴的だった『ホワイト&マッカイ』。
今作はダブルマリッジならぬ3段階の熟成が施されています。
- ①既に熟成されたモルトウイスキー数種をヴァッティング→シェリー樽にて熟成
- ②既に熟成されたグレーンウイスキー数種をブレンド→シェリー樽にて熟成
- ①+②をブレンドして更にシェリー樽で後熟成
という製法。
香りはノンエイジとは思えないコクのある糖蜜の甘み、マジパンの香ばしさ、ミルクキャラメル、ブラウンシュガー、レーズン入りのビターチョコ。味わいはベリー系のドライフルーツ、焼いたオレンジ、ブリュレ、マーマレード、白桃。
それほど深みはありませんが、モルト香、シェリー香のバランスがよくスムースに飲めるコスパ抜群のウイスキーです。
IWSC 2011,2013,2014,2015 金賞受賞という輝かしい成績を残した極めてコストパフォーマンスの高いボトルとなります。
ハイランドクイーン
少し大きめの酒屋さんなどで2千円程度で販売しているコストパフォーマンスの高いボトル。
ブランド名の悲劇の女王と呼ばれたスコットランドの女王「メアリーステュアート」がモデルとなっています。
香りはバニラやカカオ、そして何処か人工的でエステリックな香り、炙ったプラスチックのような癖も少々あります。
口に含むとトロみのある液質で、初めはハニートースト、ミルクチョコの甘味とポン菓子の香ばしさ、すっきりとしたウッドスパイス、後半に干し草の風味も感じられます。恐らくキーモルトであるタリバーディン由来のものかな。
加水すると香りが開きフレッシュな一面も感じられるため、水やソーダ等で割りながらじっくり楽しむことをおすすめします。
ディンプル12年
三角形のボトルには例のえくぼの凹みがあり、鉄線もしっかりと巻き付けられています。写真だとやや派手に見えますが、実物はスタイリッシュ。あまり古さを感じさせないパッケージです。
香りはビターチョコの甘苦さ、あまり酸のない、焼いたオレンジの甘味とフルーツ感、蜂蜜、シナモンスパイス。
口に含むと、麦汁の甘さが広まり、とてもモルティ。後からシナモン、クローブなどのスパイス感、ドライフルーツの濃厚な甘味。やや土っぽいピーティーな印象があり、カラメルとオーク材のビターなフィニッシュに続きます。
加水してもよく伸び、ハイボールにするとソフトで、爽やか、スイスイ飲めてしまいます。かなりおすすめ!
[su_tab title=”ウイスキー通はおさえておきたい” ]
ウイスキー好きならおさえておきたいスコッチブレンデッド
「だいたいブレンデッドウイスキーはわかった」という人でも、未飲がチラホラありそうなものを集めました。ここまで飲んだらだいたい安価なスコッチブレンデッドウイスキーの味はわかってくると思います。
ヘッジス&バトラー
1,000円台でありながら王室御用達という名実ともにROYALなウイスキー。イギリス王室、スペイン王室、ポルトガル王室、そして明治天皇にも献上されたという豪奢な歴史があります。
重めの色ですが、口当たりはライト。シェリーのドライ、カラメルのふんわりとした味わいに煙の香りが漂い、杯が進むボトルです。
熟成感はあまりありませんが、フレッシュな後味があり、ハーフロックくらいで飲むとスッキリと味わうことができます。
気軽にロイヤルな気分を味わいたい方にはおすすめの一本。
ブラック&ホワイト
レアものとはちょっと違うかもしれませんが、個人的にリカーハウスで見ることが少なくなったためこちらにピックアップしました。
ラベルの犬はその名の通り『ブラック&ホワイト』。黒い犬はスコティッシュテリア、白い犬はウエストハイランドホワイトテリアと描かれた2匹のテリアが印象的です。
ウイスキー男爵(実際に爵位を持っていた)である創業者のジェームズ・ブキャナンの代表作ですが、現在は多数のアルコール飲料ブランドを保有しているディアジオが扱っています。
『ダルウィニー』『グレンダラン』『クライヌリッシュ』『アバフェルディ』などハイランドとスペイサイドのモルトを使用。
スーッと入る洋ナシの爽やかさ、ほのかに土気のあるスモーキーが表れます。香りがひとつひとつ粒だっていますが、ブレンドの妙なのかするりと楽しめてしまう印象です。
個人的にはストレートで飲んでも酔いにくい、長くゆったりと味わいたい夜にはぴったりのお酒です。
BIG T(ビッグティー)
トマーティンをキーモルトに、4~6年熟成させた原酒を使ってブレンドされています。海外では以下で紹介するエンシェントクランの上位モデルに位置するのかな。
シングルモルトを出すまでは圧倒的にブレンデッドスコッチのBig Tが有名だったトマーティン。
ややアルコールの刺激は強いものの、バニラメロンアイス、真新しい蛍光ペンのような香り。酸味と辛みのバランスが良く、ドライな口当たり。結構腰が強くて、水割りでも美味しいです。なんかスナックとかで飲めたら最高だな。
ビッグTは過去のものも含めると、ノンエイジ、5年、12年とラインナップがあります。
ハイランドクイーンシェリー
2018年の暮に刷新されたハイランドクイーンの1角。前の項で紹介したハイランドクイーンをシェリー樽で後熟したボトルです。
香りは麦菓子やマジパンの香ばしさと甘み、ナッティ、カシス、オレンジピール、奥に微かなスモーキーさも感じます。
口に含むとシルクのように滑らかな舌触りで、枝付きレーズンやデーツの甘み、カシスの艶やかなフルーツ感とシェリー樽由来であろうスパイシーさが同居して実に複雑な風味を楽しめます。
ウッドスパイスの効いた長めの余韻も◎。
タリバーディンの苦手とされる部分をうまくシェリーで覆い隠したような、ノンエイジのブレンデッドウイスキーとは思えない実によく出来たバランスのボトルです。
クレイモア
スペイサイド地方の代表ともいえる味わいを持つ『クラガンモア』がキーモルトとなったブレンデッドウイスキー。
生まれは1977年と他ブレンデッドウイスキーに比べれば歴史は浅いですが、毎日の晩酌にはもってこいの家飲みウイスキー。ラベルかわいいっすよねー。「クレイモア」を表す剣がラベルにあしらわれている印象的なボトルが目を惹きます。
キーモルトの『クラガンモア』のモルティーな香りを引き継ぎつつ、若干のスモーキーさと酸味を感じさせる豪華な味わいが感じられます。加水は若干辛みが立つかな。
中間的な味・香りに加え独自のブレンドで個性的かつ、完成度のウイスキーを造り上げています。
ブレンデッドとは異なりますが、キーモルトであるクラガンモアと飲み比べてみるのも大変勉強になります。
ロングジョン
名前の由来は創始者であるジョン・マクドナルドの身長が193cmであり、「のっぽのジョン」(ロングジョン)と呼ばれていたのが元となっているこちらのウイスキー。
「のっぽのジョン」はその人格から後に「巨人のジョン」と親しまれ、彼が造るウイスキーはかのヴィクトリア女王も深く感銘を受けたという逸話が残っています。
スペイサイドの『トーモア』がキーモルトとなっており、華やかで綺麗な味わいがウイスキー全体をしっかりとまとめあげています。
低価格帯の割りに「比較的濃ゆい」フレーバーを持っているので、最初はストレートで試して、じわじわと加水しながら味の広がりを確かめていくと十分に楽しめるでしょう。
エンシェントクラン
ハイランド地方のトマーティン蒸溜所が製造しているブレンデッドウイスキーです。日本では「缶つま」などで有名な国分グループが輸入代理店として、キーモルトとなる『トマーティン』と並べて販売。上記で紹介したビッグティーよりはよく見かけます。
香りは軽いですが、乾燥レーズンやプラム、ハーバルで土気を伴うスモーキーさとドライフルーツの甘いアロマがあります。
オイリーな口当たりで、味わいはまずカラメルの甘みが先にきてラムレーズン、カフェオレ、アーモンド、ウエハースの後、スモーク香、カカオのビターへと続きます。
余韻は短いですが樽香をしっかり感じられるもの。ロックもなかなかいけます。
これが1000円程度で売られているのであれば間違いなく「買い」でしょう。
アイル・オブ・スカイ8年
現在は12年ものしか見当たらなくなりましたが、たまーに残ってます。8年もののアイル・オブ・スカイ。
力強いピート香を持ったスカイ島のタリスカー蒸溜所のモルトをベースに、ハイランドモルトをいくつかブレンドして作っているようです。
この価格帯では珍しくスモーキーでいてスパイシー。マイルドなタリスカーといった感じで非常にコストパフォーマンスが高いボトル。
少量加水すると、潮の香りに甘じょっぱい海鮮煎餅のような味わいが楽しめます。あんまり見当たらないので、2000円以内で見つけたら確保してもいいんじゃないでしょうか。
[su_tab title=”日々の晩酌一工夫” ]
マニアック銘柄、日々の晩酌に一工夫
この辺りからはかなりマニアック。これらを飲む前にシングルモルトにのめり込んでしまう層が多い中、しつこくブレンデッドを追って、美味しくて安いボトルを探す旅に出る方もいます。そんな途方も無い旅に協力させてください(笑)
ラベル5 クラシックブラック
マニアック一発目はラベル5です。フランスでは結構なじみ深いブレンデッドウイスキーで、世界的なスコッチ売り上げも9位とか10位を行ったり来たりしています。
親会社のラ・マルティニケーズ社。最近はグレンマレイ蒸溜所を買収、プロデュースしておいしくなった評判のあそこです。
キーモルトはやっぱりグレンマレイ。その他、バーボン樽で3~7年間熟成させたハイランドモルトがブレンドされているようです。
若干アルコールの辛みはあれど、グレンマレイらしいオイリーな潮っぽさは顕在です。飲み口はドライ、そしてビターな後味。
マッキンレー
意外と知られていないマッキンレー。歴史は1815年と古く、6世代にわたりその味を守り続けている老舗です。
使われているキーモルトもかなりマニアックで、アイル・オブ・ジュラやタムナヴーリンなど。
洗練された綺麗で飲みやすい味わいで、原酒の若さはほとんど感じません。この価格帯にしては厚みがあって、少しだけピーティ。香りはかなり上品でおいしい。
ワクシーでスパイシー。ベースはスイートでしっとりしているのですが、茶葉のような、草のような、噛み応えのあるボディが特徴。
ラングス シュープリーム
こちらはだいぶマニアックです。ラング・ブラザーズ社が製造しているウイスキーでアサヒビールから販売されています。
ホテル向けということで、あまり一般には出回らない商品ですが、普通に楽天などでは2000円を切る価格で売られています。
オーク樽で7年以上熟成させたグレンゴインを主体とするハイランドモルトと、5年以上熟成させたグレーンがブレンドされています。ピートはあまり感じられません。まろやかで熟成感のある味わいと香りが特徴です。
ハイランドバード
こちらは2017年くらいから見かけるようになった新しいブレンデッドウイスキー。
スペイサイドとハイランド産のモルトウイスキーとローランド産のグレーンウイスキーがブレンドされています。
香りはレーズン、若いプラム、バニラビーンズ、シェリー樽の味付け。かなりドライな飲み口で、ウエハースとマジパン、そしてピリピリとした唐辛子のような後味がある。野性的。余韻も短めですっきりとしています。
フォートウィリアム
スコットランドは最高峰ベン・ネヴィス山のふもとにあるベン・ネヴィス蒸溜所のモルトを使用して造られた『フォートウィリアム』。
現在蒸溜所はアサヒグループのニッカウヰスキーが所有しており、昔ながらの丁寧な造りは変わりなくウイスキーに表れていることがわかります。
樽の香りがはっきりと感じられるドライ&ビター。とろりとした舌触りはどことなく官能的です。
エステリーであり甘い香りには青林檎の果実様も。なかなかイケる汎用的なブレンデッド。加水を行うことで香りが膨らむのでぜひここは水割りでポテンシャルを確かめていただきたい。
[su_tab title=”1500円以下の激安品” ]
1500円以下の激安品
以前まで1000円以下!としていたタブです。
ちょっぴり物価が上がりましたね。。。。それでもめちゃ安いですが。
まだまだ1000円以下で売られているものもありますし、意外や意外、かなりおいしい掘り出しボトルも存在しています。
ウィリアムピール
日本では馴染みが薄いですが、フランス、EU諸国では愛飲されているウィリアムピール。マニアックですね。ロンドンとグラスゴーに拠点を置く、ウィリアムピール社が作っています。
香りはオレンジピール、茹でた野菜、レモンシャーベット。ボディはライトですが、マスカットのようなフルーティーさがあります。後半にジンジャーの辛み。
普通にイケます。凜とかよりは全然いいと思います。
スコティッシュロイヤル
アンガスダンディーが作っているブレンデッドウイスキーです。熟成は3年以上とされていますが、意外とまろやかで上品。
香りは柑橘系が強く、ボディはライト~ミディアム。うまくまとめたハイボール用のウイスキーと言ったところ。
1000円切っているところを多く見るので、お金のない時は本当にありがたい。
ジェームズキング レッドラベル
香りはグレーンの割合が多めで、樽香とバニラの甘さが主張します。ちょっとハチミツのような、リプトン紅茶のような甘みが香りからも感じられ、フィニッシュも長めです。はっきりとしたフレーバーなので割って飲んでもそう簡単には崩れません。
ハイボールにすると甘さと爽やかさが同時に感じられ心地よく飲むことができます。
『ジェームズキング レッドラベル』は通称「ジェム赤」と呼ばれており、ハイクラスの「ジェム黒」と分けて呼ばれています。
ちなみにジェム黒のほうはIWCでも入賞しており、「ジェム赤」とは違ったフレーバーが楽しめます。
サー エドワーズ
お手頃な価格のブレンデッドスコッチです。
1891年創業のブランドで、長く愛されているからこその飲みやすさが特徴的。
ふくよかな香りはあるものの、奥深い複雑さには欠けるので、レモンやライムを絞ったソーダなどでお召し上がりになるのがよいでしょう。
2ℓ容器もあるということで、味が気に入った方は買っておいて長く楽しむこともできます。
タリスマン
『ウイスキー好きならおさえておきたいスコッチブレンデッド』で紹介した、エンシェントエイジ、BIG Tに続き、こちらもトマーティン蒸溜所のブレンデッドウイスキーですね。もうちょい上のレンジで、アンティクァリーというのもあります。
5年以上貯蔵した24種類のスコットランド産モルトウイスキーおよびグレーンウイスキーをブレンド、そしてもう一度樽に戻して6ヶ月間熟成させたウイスキーとのことなので、後熟を使っていますね。原酒は若いですが、味わいはうまくまとまっています。エンシェントエイジが気に入ったならこちらも好きかと。
ちなみに、「タリスマン」とは、元来スコットランドでは“お守り”や“魔除け”を意味しており、ラベルには11世紀の宗教戦争でトルコ軍と戦った十字軍の騎士をイメージした版画をデザインしているのだとか。
クランスマン
ロッホローモンド蒸溜所で作られているブレンデッドウイスキーです。ちょっとニッカっぽいスモーキーさがあります。
香りは洋ナシ、バタースコッチ、ブレンデッドらしい薄いシェリー香。そして少しの灰っぽいピート。
味わいはまろやかでフルーティー。バニラ、ブラウンシュガー、キャラメル。蒸した野菜、後半にホワイトペッパーのスパイシーさ。
腰は弱いので加水は微妙。ストレートでいただきましょう。ってかこの価格帯でストレートで飲めるブランドがあるのが驚きです!おすすめ!
アベラダワー パイパー
アベラワーやエドラダワーといったシングルモルトスコッチがありますが、こちらはアベラダワー。
「ABERDOUR(アベラダワー/アバーダー)」とはスコットランドの地名です。「PIPER(パイパー)」とは笛を吹く人の意。
ちなみに『スコティッシュパイパー』『100パイパーズ』など笛を吹く人はしばしばウイスキーの名前に使われています。
アルコールアタックは強く、熟成感は少ないですが、フルーツ様・樽の香りが心地よく感じられます。特に特筆することもない、無難なライト&フルーティーな印象のブレンデッド。飲んだ後のフィニッシュは中くらいで、冷やすことで溶剤やヨードといった薬品のような香りも出てきます。飲み方によってかなり味わいが変化します。
マッカーサー
こちらも激安スコッチですね。成城石井やOKストアなどでたまに扱っております。
公式情報には1877年にジェイ・マッカーサー社よりリリースされて商品で、現在はインヴァーハウス社がブランドを持っているようです。かなり老舗ですね。
原酒はかなり若いと思うのですが、上手くブレンドでごまかしていて、甘さとドライさが際立ちます。
恐らくインヴァーハウスが管理するノックドゥー、スペインバーン、オールド・プルトニー、バルブレア、バルメナックあたりがブレンドされていると思われますが、どれも麦の甘みが強い比較的穏やかなハウススタイルを持つ蒸溜所ですね。
バニラやトフィー、ラムレーズンといったブレンデッドスコッチらしい王道なスイートさと少しオレンジやシトラスのような果実感。ピート香はほとんど感じられない。
飲み方としては濃い目の水割りが適しているように思います。スモーキーさが増し、穀物の甘さがより前面に出てきます。
[su_tab title=”穴!うまい” ]
穴!うまい
ブレンデッドウイスキーにも「マイルドでデリケート」、「ささやかだけどピートを感じる」、「潮っぽくて甘じょっぱい」、「レーズンやベリーっぽい」、「リッチでスイート」のように特徴があります。シングルモルトよりは全然控えめですが、使っている原酒の量によって結構印象が変わるものです。
『穴!うまい』のタブでは個人的に特徴がわかりやすかったものを紹介してみます。
ハディントンハウス
この『ハディントンハウス』、毎年1000種類以上ものテイスティングを行っている名テイスター、ジム・マーレイ氏が低価格帯でありながら高得点をつけたウイスキーとして有名です。曰く「みずみずしく、繊細なウイスキー」とのこと。
どんな著名な方でもテイスティングレポートは参考までに考えていただくのが良いのですが、少しだけ意識して飲むのも面白いでしょう。
味・香り共にクセの強いところは感じられなく、スムースな甘みが優しく訪れます。初心者やハイアルコールが苦手な方でもとっつきやすい味わいです。
こういった飲みやすいウイスキーほどトワイスアップで実力を測りたいところ。
マリーボーン
シンプルなラベルデザインはワインボトルを思わせるかのよう。
製造元のホッダー社は1892年創業。現在ではザ・ピーター・J・ラッセル・グループの傘下としてブレンドを続けています。
キーモルトにはなんと『タリスカー』の5年物を使用しているとのこと。
口当たりはブレンデッドらしくやわらかいですが、味わうごとに潮の香り、黒コショウの香りと爽やかなスパイシーさを感じることができるでしょう。
5年物と言えばスコッチではだいぶ若い印象を受けますが、ブレンドすることにより若さゆえの刺激を和らぎ、円熟した味わいに加えて『タリスカー』由来のスパイシーな個性を引き出しています。
インバーハウス
『インバーハウス』の出自は珍しく米国ペンシルバニア州のパブリカー・インダストリーズ社によって造られたアメリカンなブレンデッドスコッチです。
使用モルトには、『ノックドゥー』『スペイバーン』『バルブレア』『プルトニー』とハイランド・スペイサイドの軽やかな特徴を有しています。
非常にライトな口当たり。スムースな舌触りで飲みやすさは抜群。
飲みなれている方には物足りないかと思いますが、そこまで頻繁に飲まないという方には価格帯と併せておすすめのウイスキーです。
加水すると潮の香りも感じられるとのことで、冷えた水で割ったトワイスアップがGOOD。
ストラスアラン
グラスゴーにあるグラスゴー蒸溜所がリリースしている安ウマ面白ウイスキー。
アイラ、スカイ、オークニーなどの島モノモルトを使って仕上げたスパイシーなブレンデッドで、しっかり磯の香りがします。
ストレートで口をつけてみればわかるのですが、かなりしょっぱいアクセントがあって、ピリッとします。ボディはこの価格帯にしてはかなり重め。
ハイボールにすると最高で、唐揚げや餃子にぴったりです。
ネヴィス・デュー
10位で紹介した『フォートウィリアム』と同じくベン・ネヴィス蒸溜所のブレンデッドウイスキー。
ちなみにネヴィス・デューと名乗っているのは、シングルモルト以外では蒸溜所の名前を冠することはできないためとのこと。
口に含むと、まろやかで風味の豊かさを感じることができるでしょう。
強いルビーの色合いの通りレーズンやベリーの果実様、ビスケットのような甘味を感じることができ非常にマイルドです。
複雑でボリュームのある味わいとは見合わない安さも評価点です。
編集部でも人気。おいしくいただいています。
飲み方は自由。割っても良し、そのまま飲んでも良しとご自身で楽しみ方を模索してみましょう。
バランタイン バレルスムース
2019年1月に発売されたラインナップで、ハードファイヤードに代わって登場したモデル。
バレルスムースは、ファイネストとボトル形状は一緒ですが全く別のウイスキーです。これはハードファイヤードも一緒ですね。独立したカテゴリです。
最大の特徴は、ブレンドを終えた原酒を、丁寧に焼き上げたアメリカンオークの樽で、さらに後熟を施している所です。
2度目の熟成をすることで、バーボンウイスキーのようなフルーティーでリッチなバニラ香と、まろやかな舌触りな中に、力強さも兼ね備えたボディのある味わいに仕上がっています。
バランタイン7より甘めが好きな人はこちら。
ブレンデッドウイスキーとは?
モルトウイスキー=大麦麦芽(モルト)だけを原料にしたウイスキー。味や香りの個性が強い。
グレーンウイスキー=トウモロコシや小麦、ライ麦など、大麦以外の穀物類(グレーン)を主な原料にしたウイスキー。個性はなくて飲みやすい。
これをブレンドしたのが「ブレンデッドウイスキー」です。
香味豊かで飲みやすく、万人受けします。
数種類の個性異なるモルトウイスキーを混ぜ合わせ(これをヴァッティングといいます)、更にそれを引き立てるグレーンウイスキーとブレンド。
互いの長所をうまく引き出し、香味の豊かなウイスキーへ仕上がります。
「ブレンディング」と「ヴァッティング」の違い
「ブレンディング」は上記のブレンデッドウイスキーを作る工程です。
つまり、モルトウイスキーとグレーンウイスキーのような異なるウイスキー同士を混ぜ合わせる作業を指します。
「ヴァッティング」というのは、色々な樽で寝かされた同じモルトウイスキー同士(もしくはグレーンウイスキー同士)を混ぜ合わせることを指します。
たとえばシングルモルト山崎の原酒も、ひとつの樽で熟成されているわけでなく、たくさんの樽を使用しています。熟成庫で長期にわたって保管されるなかで、すべての山崎が同じ味わいになるわけではなく、香りも味わいも樽ごとに微妙に異なってきます。
この複数樽に入っている山崎を上手にヴァッティングして、味の均一化、品質を一定に保つのです。
ヴァッティングによって生まれたウイスキーは、ヴァッティドモルトウイスキーと呼ばれています。
まとめ:終わりなきブレンデッドの旅
ブレンデッドスコッチはウイスキーの中でも特に需要が高く、価格帯も種類も豊富。値段が張らないことから手が出しやすいのですが、なかなか好みど真ん中のウイスキーを探し当てるのは困難です。
豊富だけれど、それゆえ攻めにくいブレンデッドスコッチ。
しかし裏を返せば長く長くその旅を楽しめるということ。
当記事では同価格帯のブレンデッドに絞って網羅しているので、格安でそこそこおいしいウイスキーを探したいというときに参考にしてもらえればと思います。
シングルモルトもよくたしなまれるという方は、キーモルトも意識しながら楽しむとブレンドの不思議を味わえ、より一層ウイスキーが楽しめるようになるでしょう。
ウイスキーは価格が変動しやすいので半年前後で記事を見直していこうと思っております。
なお、シングルモルトの記事なども他にない切り口で書いています。こちらもぜひどうぞ!
ここから始める!スコッチシングルモルトモルトウイスキーの記事が好評だったので、今回は安くておいしいスコッチブレンデッドウイスキー編を書いていきたいと思います。
ブレンデッドは本当に千差万別でハズレも多いですが、1000円を切るもの~2000円くらいまでで、比較的まともなものを紹介していきましょう。入門用にはちょうどいいかなと思います。