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古いウイスキーはどんな味?経年によるウイスキーの変化を楽しもう!

古いウイスキーはどんな味?経年によるウイスキーの変化を楽しもう!

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ウイスキーは腐らない、だけど変化する!

ウイスキーは蒸溜酒なので腐ることはありません。正しい保管状況下であれば開栓後も味わい・香りを長期間楽しめます(保管方法については以前こちらから紹介しました)。

そして未開栓のボトルは何年、何十年先まで楽しめる…ウイスキーはそんな可能性を秘めた魅力的なお酒です。

しかし同じ銘柄のウイスキーでもボトリングしてからすぐに飲むのと、数ヶ月、数年時間をおいてから飲んだのでは味わいが異なります。

そう、ウイスキーは腐らないけど「変化する」お酒なのです。

ウイスキーの『瓶内熟成』について考える

ウイスキーは時間が経つと変化する

ウイスキーがボトリング(瓶に詰められること)されてから時間が経つと何故か角が取れ、まろやかな味わいになります。

ウイスキーは樽で熟成され、ボトリングされた後は熟成は進まないとされています。つまり瓶に詰められた時点で時が止まってしまうということです。

しかしウイスキー好きの中には『瓶内でも熟成する』という意見を持つ方が多いのも事実。

ボトリングされてからの瓶内熟成については賛否両論ありますので、これはあくまで私の個人的意見とご理解下さい。

古いオールドパー

開栓せず機密性を保った状態のウイスキーは時間が経過しても理論上味が変わるということはないとされています。

でも開栓せず数年間寝かせたウイスキーを飲んでみると…「あれ?この銘柄こんな落ち着いた味だったっけ?」と感じること、ありませんか?

ウイスキーだけでなく、ブランデーやコニャック、焼酎にも同じことが言えます。

正しい保管方法で数ヶ月~数年間寝かせたお酒はアルコール特有の角が取れ、まろやかで落ち着いた味わいに変化することがあるのです。

これはウイスキーが栓やパラフィルムの僅かな間から送られてくる微量な空気と接し、ゆっくりと酸化することが原因とされています。

その酸化の速度が非常にゆったりしているため「熟成」という言葉が使われるのです。

高温・多湿など保存状態が悪い状況下ではアルコールが揮発して味が劣化することがありますが、瓶内熟成はあくまでそのウイスキーが持つ個性を壊すことなく味わいが変化します

したがって狙った味わいを出すことは非常に難しく、まさしく時の流れにボトルをまかせ、その個体変化に期待するしかありません。まさに博打的な楽しみ方と言えます。

時の気まぐれな香り付け、ランシオ香とは…?

ランシオ香をかぐ人

熟成されたウイスキーが地下室のカビ臭さや埃っぽさ、ダンボールに似た香りを放つことがあります。

でも決して嫌な匂いではなく、その香りがウイスキーの個性と共存している…そんなボトルが稀に出現します。

この香りは「ランシオ香(こう)」と呼ばれるもので、経年による変化の賜物とも呼べるべき現象です。

このランシオ香が発生するのは

・長期熟成のウイスキーであること
・ポート樽、シェリー樽を使用したウイスキーであること

この2つが主な条件といわれています。

ランシオ香はソトロンという芳香化合物が原因となります。

起因をたどるとポート樽・シェリー樽の内側を焼いた(チャーリング)ときに炙り出た糖やアミノ酸が、長期熟成を経てソトロンを形成していくのではないか、と考えられています。

樽の内側に偶然こびりついたシェリー酒やワインの澱が、何十年後に絶妙な香り付けをしてくれるという訳です。

なんとも素敵な悪戯ですよね。

かなりうんちくっぽくなりましたが、熟成されたウイスキーからカビ臭さやダンボールっぽい独特な香りがしても、向き合って楽しんで欲しい、ということ。

上記しましたが、ウイスキーの経年による風味の変化は狙って出せるものではありません。

時を経る中、途中でアルコールが飛んでしまったり、急激に酸化が進んでしまったりしてお酒ダメになってしまう可哀想なボトルが多くあります。

「ランシオ香」を放つのは極めて珍しい条件をクリアした特別なボトルだけなのです。

経過したウイスキーって実際、美味しいの…?

ビンテージウイスキーのお味は?

これまでの紹介文を読んだ読者の方は

「時間が経ったウイスキーは絶対に美味いんだ!」

「珍しいランシオ香のするウイスキーは是非飲んでみたい」

という印象を持たれる方が多いかもしれません。

確かに、長期熟成したウイスキーや経年によるまろやかさを帯びたウイスキーはうっとりするような美味しさがあります。

しかしここで重要なのはあくまで著者の個人的意見だということ。

なぜなら、ウイスキーを製造しているメーカーの視点としてはボトリングして流通・販売している状態のウイスキーが正規の味わいであり、評価されるべき正しいタイミングはそこだから。

つまり、経年変化を味わうことはウイスキーの楽しみ方として完全に亜流だということ。

経年したウイスキーよりも、ボトリングされたウイスキーの方が好き、という好みもそれはそれでアリなんですよね。

楽器に例えると分かりやすいのですが、ビンテージのギターと新品のギターがあるとします。

年月を経たビンテージのギターは乾いて味のある音がしますが継続して使用するには美品である状態が求められます。

しかし新品は少々カドがあるものの、新品ならではのパキッとしたフレッシュさがありますし、ビンテージに比べると状態による個体差はほぼゼロ。

さあ、貴方はどちらが好み?

私としては新品も時を経たものも「ならでは」の良さがあり、それを場面場面で楽しんで頂くのが一番かな、と言うのが本音です。

より詳しい経年変化や長期熟成ウイスキーのおいしい飲み方はこちらの記事でオーツカさんが特集しています。

ウイスキーの現行品とオールドボトルの味の違いを考える

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2018年9月19日



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