ウイスキーを飲む人だったら一度は行っておきたい「バー(以下BAR)」。
しかし、行ったことのない人からすれば、まずBARに入るのは勇気が必要でしょう。
そんなBAR初心者に向け、順を追ったチャート形式でBARを楽しむためのマニュアルをご用意しました。
多くの人がBARに行った時に感じる疑問点や、実際に筆者が行った時の感想を「3つの時間」に区切って解説します。
このチャートには、BARによく行く方の意見やバーテンダー、お店側の言葉もしっかり反映してます。
筆者がウイスキー飲み始めの頃に知っていればなあ、と思ったことを詰め込んでますのでこのチャートに沿って行動すれば、BAR初心者も一発でBARマスターです。今では私もBARマスター、、、、、、かどうかはわかりませんが、バーテンダーの方と仲良くなって一緒に飲みに行く、なんてこともあります。
バーテンダーもベテランも、多くの人が認めるこのチャートをBAR初心者は、ぜひ試してみて下さい!
第一のチャート【BARに行く前】
BARを決める
お店を選ぶ際に理想的なのは、BARに行ったことがあるor知っている人に連れて行ってもらうことですが、周りにそのような方がいない場合は、自分で探すしかありません。インターネット検索や雑誌、紹介本などから探してみましょう。
決める際に重要なポイントは、価格帯・定休日・営業時間です。
価格帯は、載っているウイスキーの価格や、またはレビューした人の声で判断しましょう。特にレビュー数が多かったり、「初めての来店だったけど楽しめました」という感想があれば、ある程度の参考にはなります。レビュー数が多いのは多くの人が訪れているからでもありますね。
営業時間に関しては、「20時~5時」というように遅い時間に開店するところもあります。行ってみたけれど開いてなかった、行ったけどすぐ閉店になった、ということがないように時間だけはインターネットなどで調べておきましょう。
リアルタイム状況の把握にはtwitterなども有効です。是非活用して下さい。
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予算を決める
お店によりますが、私は3,000円もあれば3杯は飲めると思っています。
むしろそれ以上となると、個人の趣味の世界でしょう。高価なウイスキーを頼んだり、おつまみを注文したりしてもこれ以上の金額がかかってきます。
チャージ料が発生するところがあります。これは席料と考えて下さい。おつまみが出てくるところもあり、500円程度がだいたの相場です。最近ではこのチャージ料が発生しないBARも多くあります。
個人的なケースですが、私は初めて行くBARだったら一人3,000円位を目処に考えます。最初から値段を考えない頼み方をしていると、お店の方に値段設定を気にしない人だと思われてしまうことがあるからです。3,000円あれば十分楽しめますしね。
注意すべき点に、支払いは現金のみのお店があることです。あまりBARに行き慣れていない初心者の方はカードが使えるか事前に確認した方が無難でしょう。
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服装をキめる
オーセンティックなBARでも最近はフォーマル以外のお客さんを多く見かけます。これは本当にお好みで構いません。気取りたければ気取ってもいいですし、ラフな格好でも構いません。ただし他のお客さんに迷惑がかかるような恰好はやめましょう。
これで準備は整いました。さあBARへ向かいましょう。
第二のチャート【BARに入る~注文】
入口を探す
初心者がつまづく意外なポイントは実はここだったりします。
というのも、大抵のBARは入口がわかりにくいからです。地下にあったり、壁かと勘違いしたりと、BARの入口は様々な趣向が凝らしてあります。やっと入口を見つけて扉を開こうと思ったら、押しても引いても開かない横引きのドアだったなんて苦い経験が筆者にあります。
見つからなくても諦めずに根気よく探して、発見したら恥ずかしがらずに入りましょう。
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入って席に着く
バーテンダーもしくは店員の方に迎えられ席に案内される、というのが基本の流れですが、稀にあいさつも案内もない時があります。そんな時、慌てたり怒ったりと動じてはいけません。BARは現実世界とやや隔離された場でもあるのです。その雰囲気を楽しみましょう。
まずはゆっくりと店内を見渡し、空いている席を確かめましょう。もし「ここは空席なのだろうか?」と思ったら、店員の方に聞けばいいのです。
BARの店内は暗いので足元には十分気を付けましょう。
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1杯目のウイスキーを考える
腰を落ち着けると、バーテンダーがコースターやおしぼりを出してくれるでしょう。
ここでも慌ててはいけません。別に注文を催促されているわけではないのです。
もう一度ゆっくり店内を見渡し、BARの雰囲気を感じ取ってみて下さい。その雰囲気に合わせて、まずはウイスキーの飲み方を考えてみるのもいいでしょう。
喉が渇いたなと思えば、ハイボールや水割りがおすすめです。じっくりウイスキーを味わいたい方は、1杯目からロックやストレートで飲んでもいいですね。
店内の照明で選んでいただいても構いません。
店内にいる人の顔がはっきり確認できる程度の明るさで、内装も暖色のインテリアを使っているのであれば、人との距離が近いお店です。まずは軽めにとハイボール・水割りで喉を潤し会話を楽しむ、というのもいいと思います。逆に見渡せないほど暗く、どっしりした木材を使った古典的なBARならば、己をゆっくりと客観視できる貴重な時間と思い、最初からウイスキーをロックやストレートで頼んでみても良いでしょう一人でBARにいる、それはその世界観に自らを溶け込ますことでもあります。
どのウイスキーを飲めばいいかわからない方は、飲み方だけでも考えておくと、バーテンダーがあなたに合ったウイスキーを選びやすいです。
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注文する
バーテンダーはさり気なく気を配っているので、呼びかけなくとも目線を合わせたり、軽く手を上げるだけでも応じてくれます。
さて、注文です。お店によって、メニューがあれば、ないところもあります。
飲むウイスキーが決まっていれば、「ウイスキーの名前+飲み方」を。
決まっていなければ、「飲み方だけ」でも伝えて選んでもらうのがいいでしょう。
どれを飲んでいいかさっぱりという人は、ウイスキーを飲みたい旨だけを伝え、あとはバーテンダーにおまかせしましょう。
また参考までに↓もどうぞ。
1杯目におすすめのウイスキー
ハイボールでさっぱり。お手頃価格の『ジェムソン』
軽い飲み口でするりと喉を抜けていきます。ハイボールにすると爽やかさがさらにアップ! ナッツのような穀物系の味わいがあり、気持ちの良い香ばしさを感じることができます。価格帯は1杯500~700円程度。初心者やウイスキービギナーでも安心の価格ですので、はじめの一歩にはちょうどいいでしょう。
華やかな香りでウイスキーの幕開き。初心者におすすめしたい『グレンモーレンジィ10年』
飲みやすい滑らかな舌触りを持ち、フルーツを思わせる甘い香りが漂うスコッチウイスキー。後味のキレがよく、すっきり飲めることからも1杯目に適しています。おすすめの飲み方はストレートですが、水割りにしても十分味わえます。価格帯は1杯700~900円程度。
アクセントのきいたクセの残る味わい。海の風薫る力強さ『タリスカー10年』
ピリリと舌の上に残る微かな刺激は、アルコールによるものではありません。『タリスカー』に秘められたスパイシーさコショウに似た味がそう感じさせてくれるのです。「今日はクセの強いウイスキーを楽しむぞ」という方は、1杯目にぜひお試しください。価格帯は1杯600円から800円程度。
※ウイスキー選びのBAR初心者ワンポイントアドバイス!
「価格帯」を伝える
まず初心者であることを言いましょう。そうすることで最初から高いウイスキーは薦められないはずです。値段を聞くのはBARの世界でもごく一般的です。おすすめされたウイスキーの値段が気になったら、「一杯いくらですか」と聞いてみましょう。
「飲みやすさ」を伝える
飲みやすい or クセのある の二択がわかりやすいです。
「気分」を伝える
「めでたい」や「悲しい」、「寂しい」などその時の気持ちをバーテンダーに思い切って言いましょう。初心者だって恥ずかしがることはありません、こういう言葉をきっかけにバーテンダーと仲良くなることはよくあります。。
バーテンダーは笑顔であなたの注文を聞き入れました。後はウイスキーが来るのを待つのみです。
第三のチャート【注文後~退店】
ウイスキーを飲む
「乾杯っ!」と威勢よく飲むのも悪くはありませんが、折角のBARです。ここは大人の雰囲気で飲んでみませんか。
ウイスキーを口にする前に、お水を飲んで口をクリアにしてから飲むのもいいでしょう。ちなみにお水を頼む時は「チェイサーでお水を下さい」と言うとカッコいいです。(チェイサー:chaser:追いかける者、転じて強いお酒の後に追いかけて飲むお水や炭酸水)
グラスを手に取り、ライトに照らして光を透かせ目で楽しむ。
縁に鼻を近づけ、グラスを回し、香りを楽しむ。
そうしてやっと口に含み、鼻から一つ空気を吸って飲みこむ。鼻から抜ける香りと後味を楽しむ。
ウイスキーは急いで飲んでもいいことはありません。一杯のウイスキーを一時間かけてちびちび飲んでも、「ケチだ」とか「貧乏くさい」ということは全くありません。私は一杯に30~40分かけて飲むことが多いです。チェイサーもたくさん飲みます。すぐにお水のおかわりももらいます。
しかし、それでいいのです。お店の雰囲気と一緒にゆっくりのんびり楽しみましょう。
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(おつまみ・食事と一緒に)2杯目~を頼む
BARのフードメニューですが、これはお店によって違ってきます。レストラン並みのフードメニューを置いてあるところから、ナッツだけしかないところもあります。意外に隠していたりもするので、フードが欲しければ聞いてみましょう。
2杯目からは1杯目よりも飲み応えがあるものがおすすめです。1杯目のものがしっくりこなければ、違う系統に手を出してみましょう。新たな好みが開けるかもしれませんよ。
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お会計を頼む
お会計はお席で行います。「お会計」や「チェック」をお店の人にお願いしましょう。
日本のバーであれば、指や腕でバツ印を作って見せても伝わりますが、普通に「お会計お願いします」と言ったほうがスマートでしょう。
お会計が済んだら、落ち着いて身支度を整え、慎重に帰りましょう。座っている時こそわかりませんが、立った瞬間足にくるのがウイスキーです。とりわけ、ロックやストレートで飲んでいるとボディーブローのように後から効いてきますので初心者の方は十分お気を付け下さい。
最後に
BARの雰囲気には独特なものがあります。一見すると、とても入りにくそうで初心者の方はその点がハードルとなって足を止めてしまうこともあるでしょう。
しかし、バーテンダーやお店の人たちはプロです。最初は戸惑われる方も、心のこもったプロの手にかかれば、すぐに楽しむことができるでしょう。