以前、Twitterにてこんなアンケートとってみました。
ウイスキー好きのみなさんに質問です!
コーヒーの飲み方は?— オーツカ/ウイスキーライター (@BARREL365) June 1, 2018
もちろんこの結果は極々一部のウイスキー好きユーザーに行ったアンケートですが、ウイスキー好きな方の7割はコーヒーをブラックで飲むという結果が出ました。
知り合いのウイスキー好き複数名に聞いてみても、みなさんコーヒーはブラックで楽しみます。
「そもそも甘ったるいのが苦手だからコーヒーはブラック派」とか
「コーヒーを飲みながらスイーツも一緒に食べることが多いから砂糖は入れないかな」とか
「俺は豆の味を愉しめる人間だからな(ドヤァ)」とか
理由は様々ですが、ほとんどの人が好んで『ブラックコーヒーを飲む』わけです。
つまりウイスキーをまだ飲んだことがない方でも、コーヒーをブラックで飲める人は、ウイスキーをおいしく飲める人が多いのではないだろうか?という仮説を立てました。
今回はウイスキーとコーヒーの共通点について書いていければと思います。
ちなみにコーヒー×ウイスキーの可能性を感じてフェスに参加した記事はこちら。
コーヒーとウイスキーは似ている
コーヒーとウイスキーには多くの共通点があります。
その共通点を列挙してみましょう。
共通点①後天的味覚に属する
先ほどの仮説の大部分を占める点がこちら。
ウイスキー、コーヒーどちらとも「後天的味覚(アクワイヤード・テイスト)」に属すると言われていること。
「アクワイアード・テイスト」とは、初めて食べた時は美味しいとは思わないけれど、食べる回数を重ね、経験を積むと少しずつおいしいと感じるようになる、いわば味覚の臨界点のようなもの。
代表的な例としては、キムチやワサビなどの「辛味」。コーヒーやビール、魚の肝などの「苦味」。お酢やブルーチーズなどの「酸味」。燻製やたばこの「煙さ」などです。
人間はケーキの甘み、ポテトチップスの塩味などは、無意識に「おいしい!」と感じます。
しかし、苦みは「毒」、酸味は「腐敗」など、本能的に「危険」と感知してしまうのです。
けれども高頻度で食べたり、たくさんの種類の食べ物を食べて味覚情報の経験を増やすと、これらを「脳が美味しい」と判断するようになるのです。
いわゆる【大人の味】というわけですね。
共通点②地域と種類による個性がある
ウイスキーはスコットランドをはじめ、アイルランド、アメリカ、カナダ、インド、台湾、日本など多くの地域で造られており、その味も様々です。
コーヒー豆も同じくたくさんの地域でつくられており、その産地によって味が異なります。
- コロンビアのコーヒー豆は甘く柔らかい味わい。「トロピカルフルーツ」のようなフレーバーを感じます。
- グアテマラのコーヒー豆は程よい酸味と軽い苦みで飲みやすいのが特徴的。
- エチオピアのコーヒー豆は「モカ」を代表する桃やマスカットのようなフレッシュなフルーツの香味があります。
- インドネシアのコーヒー豆は重厚感のあるどっしりとした苦みが特徴で、深い焙煎で楽しむものが多いです。
- ケニアのコーヒー豆はラズベリー、ブルーベリー、カシスなどの爽快感のある酸味を感じさせます。
他にもベトナムやペルー、ドミニカやホンジュラス、ブラジルにタンザニアなど、様々なコーヒー豆の産地が存在し、生産処理方法や等級、焙煎の仕方などに特徴があります。
共通点③ブレンドの技術
ブレンデッドウイスキーには個性の強いモルトウイスキーと穏やかなグレーンウイスキーを混ぜ合わせる「ブレンド」という作業工程が存在します。
これは互いの長所をうまく引き出し、豊かな香りを放つウイスキーを仕上げることと、常に安定した品質を保つことを目的としています。
コーヒーもウイスキーと同じく複数の品種や品質の違う豆を混ぜ合わせる「ブレンド」という工程があります。豆の個性を生かしつつ、マイルドな口当たりに仕上げたり、風味を高めたりとバランスをとるために行います。
単価が抑えられるという目的もありますが、本来は常に一定の品質を提供するという意味合いが高いです。
単一銘柄の足りない点を補うために行っていた側面もあるブレンド技術ですが、現在はより高品質で、新たなフレーバーを生み出す「創作技術」へと進化しています。
コーヒーを使ったカクテル
コーヒーとお酒は一緒に飲んでも非常に相性がよく、カクテルでもよく飲まれています。
ウイスキーをはじめ、ブランデー、シェリー酒、赤ワインなど、木樽で熟成したお酒を使うのが多いのが特徴ですね。
BARRELはウイスキーメディアなので「ウイスキー」を使ったカクテルを紹介したいと思います。
アイリッシュコーヒー
ウイスキー×コーヒーといえば、こちら。
酒質の軽いアイリッシュウイスキーと、やや深煎りのコーヒーを使った「アイリッシュコーヒー」ですね。
材料
・アイリッシュウイスキー:30cc
・ブラウンシュガー:小さじ1杯
・ホットコーヒー:150cc程度(グラスに合った量)
・ホイップクリーム:適量
・耐熱グラス(アイリッシュコーヒー専用のグラスが望ましい)
アイルランド発祥のコーヒーカクテルで、ウイスキーの種類をスコッチに変えるとゲーリックコーヒー、バーボンに変えるとケンタッキーコーヒーと名称が変わります。
発祥や飲み方、アイリッシュコーヒーにおすすめのウイスキー銘柄、さらにはアイリッシュコーヒーが飲める店舗などは以下の記事で書いています。
カフェ・コレット
カフェコレットはイタリア発祥のコーヒーカクテル。
イタリア以外ではエスプレッソ・コレットとも呼ばれます。ウイスキーだけでなくグラッパやサンブーカ(エルダーを利用した混成酒)、ブランデーなどが入れられることもあります。
- コーヒー(エスプレッソ):100cc
- ウイスキー:20cc
- ホイップクリーム:20cc
ウイスキーを入れたカップにエスプレッソコーヒーを注ぎます。
その上にホイップクリームを浮かせれば完成。アイリッシュコーヒーよりも濃い味のコーヒーカクテルです。
ちなみにアイスの場合はアイスコーヒーとウイスキーをシェーカーに入れ、シェークしてつくります。
カフェ・サンフランシスコ
こちらはアイリッシュウイスキーと、ウイスキーリキュールを使った、アルコール度数が少々高めのカクテル。
- コーヒー(深煎り):150cc
- アイリッシュウイスキー:10cc
- アイリッシュミスト:10cc
- ザラメ:10g
- ホイップクリーム:20cc
温めたグラスにザラメを入れ、アイリッシュウイスキーとアイリッシュミストを入れます。
温かい深入りコーヒーを注ぎます。ホイップクリームを浮かせたら完成。
アイリッシュミストはアイリッシュウイスキーベースのリキュールです。アイルランドのヒースやクローバーから集めた上質なハチミツを配合しており、ハニーの香りが特徴的。
ストレートやロックはもちろん、ジンジャー割りなども美味しいです。
コーヒーカクテルの魅力はホットでもアイスでも両方楽しめるところですね。
お酒の後(飲酒後)にコーヒー
「お酒を飲んだ後にはコーヒーを飲みたくなる」という方は多くいらっしゃいますね。
僕もお店や自宅で飲んだ後にはコーヒーを淹れることが多いです。
最近ではBARやワインスタンドでもコーヒーを置いている店舗も増えてます。
さらにはコーヒーには肝臓保護機能も認められており、飲酒量が多い人ほどコーヒーを飲むことで「ALT」「AST」「γ-GTP」の値が下がるエビデンスもあるようです(九州大学福岡コホート研究・基礎調査2004-2007年、Scand J Chin Lab Inv)。
つまりお酒飲みにコーヒーはうってつけというわけですね。
僕もウイスキーを飲んだ後にブラックコーヒーをよく飲みます。酔い覚ましにも良い気がしています。
コーヒー豆をウイスキー樽で寝かせる!?
昔から、砂糖やチョコレート、ソースなどをウイスキー樽で保管して風味付けを行う方法は行われてきました。
そしてついにアメリカの大手コーヒーメーカー「スターバックス」の研究開発部門でコーヒーの生豆をウイスキー樽で寝かしてから提供する方法を開発し、既に実施されています。
その名も「Starbucks Reserve® Whiskey Barrel Aged Sulawesi」。
インドネシアのスラウェシ産のコーヒー豆を、アメリカワシントン州のウッディンビルウイスキーカンパニー社製のウイスキー樽に入れ寝かし、ウイスキーの風味を吸収させます。
すべての生豆に満遍なくウイスキーフレーバーを行きわたらすため、定期的にかき混ぜているそうです。
他にもアメリカ東部ロードアイランドの企業「クーパーズ・カスク」も、ウイスキー樽貯蔵のコーヒー豆を販売しています。
ジャックダニエルも「Jack Daniel’s Tennessee Whisky Coffee」を販売してますし、やはり相性は良さそうですね。
ジェムソンもクラフトコーヒーとコラボ
ジェムソンも「Jameson Cold Brew」というコーヒーリキュールを販売しています。
日本ではまだ未発売ですが、コロンビアとブラジルのフェアトレード・アラビカ種100%のコーヒー抽出物を、アイリッシュウイスキージェムソンにIN。
こんなのもうアイリッシュコーヒー要らずじゃないですか。。。。
アイリッシュウイスキーの筆頭、ジェムソンが今度はクラフトコーヒーとコラボです。
その名も「Jameson Cold Brew」。
コールド・ブリューはまさにコーヒー愛好家のためのウイスキーであり、ウイスキーラバーズのためのコーヒーですな。
ジェムソンのナッツとバニラのフレーバーとは合いそうですね。 pic.twitter.com/VvpnLbAvu8— オーツカ/ウイスキーライター (@BARREL365) September 10, 2018
コーヒーと同じくチョコレートもウイスキーとは共通点が多いですね。
地域によって味が大きく異なるところ、カカオ豆を発酵させることにより香りや味の成分を生成するところなどが共通しています。
こう考えると味噌とかも近そうですよね。発酵してるし、合わせてるし。
ううーん、次回は味噌とチョコレートとウイスキーの共通点でも書いてみますか~!
ちなみにオーツカの常飲コーヒーは、リーズナブルで美味しい「加藤珈琲」の「ヨーロピアンクラシックブレンド」。
僕は酸味が強いコーヒーはニガテなので、苦いやつが好きなのです。豆のまま注文します。
そうです、アフィリエイトです。