まとめて試飲できる!オリジナルメーカーズマークセット
メーカーズマークの強さと濃厚さの違いがわかるセット
上記でご紹介したメーカーズマークのラインナップ(メーカーズマーク、メーカーズマーク 46、メーカーズマーク カスクストレングス)を3点セットにしてご用意しました。
メーカーズマークが飲みやすくておいしい!
もっと違うタイプのメーカーズマークを飲んでみたい!という方におすすめのセットです。
かなり風味が異なるので、並べて飲むとすごく違いがわかるセットでもあります。
30mlセットと100mlセットから選べるので、少しずつ飲み比べて、あなたの好きなメーカーズマークを見つけてください。
メーカーズマークの発祥と製造場所、歴史の紹介
ケンタッキー州の中でも特に自然に恵まれた町、ロレット。この美しい自然の中にメーカーズマーク蒸溜所はあります。
創業者のビルはバーボンの味わいに徹底的にこだわり、商品のマーケティングを妻が担うという理想の家族経営で発展させてきました。
ちなみに「メーカーズマーク」というネーミングはビルの妻、マージー・サミュエルズが考案したもので、「製造者の印」という意味を持ちます。
インテリジェンスな商品名の他に、ボトルキャップの代わりに封蝋を施すという斬新なアイデアも彼女が考えついたもの。またボトル・ラベルのデザインも彼女が考えました。
通常、資本を追求すると量産型の大型施設がおのずと求められますが、メーカーズマークの蒸溜所は昔ながらの小さな佇まいのまま。これには量産できなくとも可能な限り手作りで、出来る限り「良いもの」を届けようとする精神を感じます。その美しき商い精神の甲斐あってか、メーカーズマークはアメリカの「国定歴史建造物」にも指定されています。
またロレットの地質もケンタッキー州特有の石灰岩で形成されており、これをろ過するようにしてくぐり抜けた上質な水(ライムストーンウォーター)が存在します。
メーカーズマークはこの水を仕込水として使用することにより、豊かな甘味の中にグッと引き立つ旨味を造り出しているのです。
1784年、メーカーズマーク創業者の祖先となるスコットランド(アイルランド)系移民ロバート・サミュエルズがペンシルバニアからケンタッキー州へ移住。
そこで農業を営む傍ら近所の住民のためにつくり始めたウイスキーが後の「メーカーズマーク」となります。
ラベル表記は「WHISKEY」ではなく「WHISKY」で、Eが省略されているのはサミュエルズ家の出自に基づくものだそうです。
1840年になるとロバートの孫テイラー・ウィリアム・サミュエルズが蒸溜所を設立し本格的なウイスキー製造がスタートします。
しかし1920年施行の禁酒法によりメーカーズマークも操業停止に追い込まれます。
1933年の禁酒法撤廃後、5代目となるテイラー・ウィリアム・サミュエルズ・シニアが昔ながらの製法によるバーボン・ウイスキー製造をスタート。
しかしなかなか軌道に乗りません。
メーカーズマークに転機が訪れたのは1951年。
メーカーズマークの実質的な創業者となる6代目ビル・サミュエルズ・シニアが大きく舵を切ります。
ビルはそれまでの素朴な味わいのバーボンではなく、世界で評価される最高品質のプレミアムバーボンを作ろうと決心し、それに向けてレシピを追求します。
彼はまずハッピー・ハローの丘に囲まれた風光明媚なロレット谷一帯にあった農園、スターヒルファームを買い取ります。
そこにはバークス・スプリングという廃屋同然の小さな蒸溜所と良質な水が湧き出る湖がありました。
彼はすぐに蒸溜所を修繕し、ウイスキーづくりに熱を入れます。
ウイスキーづくりを原料から見直そうとしたビルは、なんとパンを焼き始めます。
これはバーボン・ウイスキーに合う原材料(穀類)を見極めるため。来る日も来る日も配合を変え、パンを焼いたそうです。
そして小麦を配合して焼いたパンが一番まろやかで口当たりが良かった為、メーカーズマークの原材料に冬小麦を使用することを決めました。
1954年になると蒸溜所の改修、設備導入が完了し、新たな蒸溜所として稼働。
「機械まかせにせず、できる限り人の手でつくる」という点にこだわりのプレミアムバーボンづくりがはじまりました。
翌年に作られた原酒はわずか19樽の少量生産でした。
1958年になるとビルの妻マージーにはマーケティングに参入。彼女は”製造者の印”という意味を持つ「メーカーズマーク」 をネーミングし、またボトルに封蝋を施すアイディアを提案。
現在も続いている封蝋の文化は、メーカーズマーク史において、彼女の果たした役割は大きいことを示しています。
そして1959年遂に「メーカーズマーク」が誕生。
貯蔵庫で6年熟成させたバーボン「メーカーズマーク」赤い封蝋のボトルに入れられて出荷されました。
そしてその味が世界に認められ、世間からはビルが目指したとおり「プレミアムバーボン」と呼ばれるようになり現在に至ります。
メーカーズマークの製法(作り方)
ジムビームやワイルドターキーなどのバーボンとは違い、原料にライ麦ではなく「冬小麦」を使用することがメーカーズマークの特徴です。
冬小麦とは、秋に種を蒔き、越冬させて春または初夏に収穫する小麦のことを言います。
春に種を蒔き秋に収穫される春小麦に比べ、生育期間が長く設けられ越冬させることにより、バーボンの仕上がりに華やかな香りとまろやかで柔らかな口当たりを与えてくれます。
このように原材料にこだわりを持っていること。これがメーカーズマークの特徴の1つといえます。
そして、メーカーズマークのもうひとつのこだわりは特徴的なボトル封蝋です。
これら封蝋は現在でも1つ1つ全て手作業でおこなわれているため、それぞれのビンによって微妙に形が違なります。
また、封蝋の方法に個性がでるため「これは○○さんの封蝋」など、誰の手によって封蝋されたのか見分けることができるそうですよ。
ウイスキー「メーカーズマーク」のラインナップ
ウイスキーの飲み進めの基本は『縦飲み』です。
垂直飲みともいいますが、同じ銘柄で年代の違うものを飲み比べていきます。
同じ銘柄であれば、基本的な味の傾向が共通しているため、失敗が少ないからです。
既に終売してしまった銘柄、原酒不足のため休売してしまった銘柄なども随時更新する予定です。
過去のものでも個性や特徴は引き継いでいるものが多いので、参考になさってください。
メーカーズマーク レッドトップ
こちらがメーカーズマークとしてのレギュラーボトル。
まろやかでスムースな口当たり、小麦由来のふっくらとやわらかな甘みが特徴のプレミアム・バーボンです。
香りはバニラ、エステリー、接着剤、ほんのり柑橘系、酸。ややアルコールのアタックを感じるものの、主張はそこまで強くありません。
味わいはバーボン特有の接着剤や、乳酸菌の味よりも、小麦からくるやわらかで上品な甘みのほうが印象的。
キレがかなり良く、熟成年数は短めかと思います。
このキレの良さは独特のスパイシーさを生んでいて、バーボンが苦手な方でもとっつきやすいボトルです。
飲み方はロック、またはハイボールがお勧め。特にハイボールにすると香りがよく立ち、飲食店でも利用するところが増えています。
メーカーズマーク 46
こちらはメーカーズマークの上位グレードボトルとなります。
熟成した原酒樽の中に「インナーステイブ」と呼ばれるフレンチオークを焦がした板を10枚入れ、数ヵ月間後熟します。
これにより、バニラ、甘いキャラメル、余韻の深い樽香、複雑でリッチな味わいを楽しむことが出来るのです。
深みのある琥珀色、口当たりはスムースですが、その軽い口当たりからは想像できない長い余韻に面食らうボトルです。
個人的にも好きなボトルで、非常にバランスのとれたレベルの高いバーボン。レギュラーボトルとの差はかなりあると思います。
ちなみに商品名の「46」は「インナーステイブ」で使うオーク材の焦がし具合を指定するために、樽メーカーに伝えるオーダー番号が46番にだったことに由来しています。
メーカーズマーク カスクストレングス
メーガーズマークのカスクストレングスタイプです。
カスクストレングスとは樽から取り出した原酒をそのままボトリングした商品で、アルコール度数(proof)は高めの54~58%。
この度数のバラつきは熟成に使用する樽によって度数が異なることが原因となります。
こちらは上記の46と方向性が違い、レギュラーボトルをより濃厚にしたイメージです。
強いアルコールアタックにバニラ、カラメル、焦がした樽の香り。そして口に含むとドロリとした甘みが一気に押し寄せた後、オークの長い余韻を堪能できます。
酸味や甘味はもちろん、渋みも感じるメーカーズマークをダイレクトに感じられる一本。
こういった重々しいメーカーズマークはストレートでいただきたいですね。
メーカーズマーク ゴールドトップ
「ゴールドワックス」とも呼ばれる、レギュラーボトルのレッドトップをアルコール度数50.5度でボトリングしたハイプルーフの1本。
2000年台前半に終売となった為、今ではかなりレアなボトルとしてオークションなどで扱われています。
メーカーズマークといえば円やかなバーボンで有名ですがその最高峰といえるのがこのゴールドトップです。
メーカー的には度数違いで中身は同じもの、とおっしゃってますが、アルコールの棘の無さは驚きの一言。経年変化では片付けられない円熟味を持っています。これが当時の冬小麦なのか…?。
香りはカカオ、木樽、優しい接着剤、バニラビーンズ。
口に含むと優しい口当たりでアルコールの刺激はほぼ感じません。
ダークチョコレート、濃厚なカラメルプリン、オークの余韻…まさにプレミアムバーボンという名に相応しいボトルです。
メーカーズマーク VIP レッドトップ&ゴールドトップ
こちらは贈答用のボトルで元々メーカーズ・マーククラブの会員のみが購入できた限定ボトルでした。
その為本来ラベルがあるべきボトル全面のスペースは、メールオーダーで作ってもらうオリジナルのラベルを貼る場所になっています。箱に同封されているハガキでオリジナルのラベルが作れるという、まさにVIPへの贈答品に相応しいボトルです。
スマートな形状のデキャンタで、細ぎ口もシャープでかっこいいですね。
アルコール度数違いで中身は同じとのことですが、熟成感がやや強い印象を受けるので、6年以上の原酒を使用していると思われます。原料比はとうもろこし70%、大麦麦芽16%、冬小麦14%。ライ麦のかわりに冬小麦を使用し、口あたりがまろやかで、心地よい風味を醸しだしています。やわらかな甘みが口に広がります。
また現在メーカーズマークVIPは赤い封蝋ですが、一昔前(80年代)はゴールドの封蝋が為されてしました。現在かなり希少品となっています。
メーカーズマーク・ミントジュレップ
こちらは、メーカーズマークを贅沢に使用したミント風味のリキュール。
2016年に数量限定で発売されましたが、現在は休売中っぽいですね。結構おいしかったのに。
アルコール度数が40度未満のためウイスキーではありませんが、メーカーズマークをふんだんに使用しているので、リキュール感覚でメーカーズマークを試したいという方にはおすすめのボトル。
フレッシュなスペアミントで香りづけしており、やや人口的な印象はありますが、ご自宅で簡単にカクテルも作れちゃいます。
ケンタッキーダービーが開催される5月初旬に合わせて年に一度仕込まれる、特別なボトルです。
ちなみにミントジュレップはケンタッキーダービーの公式ドリンクとしても振る舞われる、アメリカの初夏を代表する国民的カクテル名です。
メーカーズマークのおすすめの飲み方
ライ麦の代わりに冬小麦を使用した、柔らかく繊細な味わいが特徴のメーカーズマーク。
スーパーやコンビニには当たり前のように置いてありますし、人気俳優がCMしていたりしてお茶の間にも馴染みの深いバーボンウイスキーでもあります。
飲み方は基本的にロックが良いでしょう。レッドトップはソーダ割で。バーボンハイボール入門用にも最適です。
カスクストレングスはより深いウッディさが味わえますが、ロックにすると植物っぽさや渋みが強く出過ぎる恐れも。背の低いショットグラスでのストレートなどがおすすめ。
ラインナップの中ではメーカーズマーク46のバランスが頭一つ抜けていると思います。
レッドトップで「メーカーズマークはこんな感じか…」とならず、ぜひ46も飲んでみてください。
そのうえで気に入っていただけたら次のおすすめは「メーカーズマーク プライベートセレクト」です。
より強く濃厚、粘性もありメロー。
現行ハイクオリティバーボンのお手本のような出来栄えです。
過去の限定品にはゴールドトップやブラックトップをはじめ、キーンランドボトルやヘリテージボトルなどが存在します。
ワックスの色やラベルデザインでバリエーションをつくり、コレクター心を巧みにくすぐるのもメーカーズマークは上手ですね。
ざっくり覚える!
日本ではどこのスーパーでも見かけるレッドトップ(赤い封蝋)のバーボンウイスキー。
【プレミアム・クラフトバーボン】の先駆けとも呼ぶべき存在で、「なるべく手作業で丁寧なウイスキー作りをする」という点にこだわり、極力機械に頼らず職人の手によって作ることをアピールした最初のブランドと言っても良いでしょう。
今やバーボン業界に限らず、『クラフト=手作りで高品質なもの』といったイメージが横行していますが、1958年からしっかりと戦略の指針を持ち、先進的なビジュアルと共に業界をリードしてきたメーカーズマークは流石と言えるでしょう。
味わいも原材料もライ麦の代わりに冬小麦を使用することで、まろやかな甘み、ライトでスムーズな飲み口が身上のバーボンウイスキーに仕上げています。これもまた当時には先進的であったと言えるでしょう。
スタンダード品であるレッドトップは女性にも人気のバーボンですが、確実に飲んでほしいのは「46」です。バーボンってこんなに旨かったのか、と再認識させられるボトルです。