2017/11/26にベルサール高田馬場で行われたウイスキー文化研究所主催、「Whisky Festival 2017 in TOKYO」に行ってきましたので簡単にレポートします。
2016年度のウイスキーフェスとは打って変わり、とても角がとれたビギナーにも取っつきやすいイベントだと感じました。
今回は記念すべき10回目のウイスキーフェスティバル!
出展ブースは総勢77ブース。来場者は昨年の4,000名を上回る4,900名の方が来場しました。
会場も広かったですが、少し窮屈なくらいの盛況ぶりでした。
出展者、来場者ともみなさま相変わらず陽気で柔和でした。昨年よりも酔いつぶれている人も少なかった印象です。
ウイスキーフェスティバルとは
概要
2016年度にも書いていますが、主催はウイスキー愛好家団体の「ウイスキー文化研究所」。
国内最大のウイスキーイベントで、二十歳以上であれば誰でも参加が可能です。
料金は、前売券 4,500円/当日券 5,000円。ウイスキー文化研究所の会員であれば4,000円で入場できます。
開催時間は11:00~18:00の7時間。お水は飲み放題で、再入場もし放題です。
なので早い時間から参加して、少し酔ったと思ったら一旦外に出て、休憩して再入場がおすすめです。
何ができるの?
なんといっても世界中で販売されているウイスキーを試飲でき、購入することも可能です。
各社の主力商品から、レアな年代物まで数百に及ぶウイスキーが所狭しと陳列されています。
出展しているボトルの8割を占めるであろうスタンダート商品は無料で試飲可能、残り2割は200円~5,000円程度の価格帯で試飲が可能です。(一杯5,000円!?と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、これでもかなりリーズナブルなのです。BARなどで飲むと10,000円を優に超えるような商品も陳列されています)
ウイスキー蒸溜所や酒販メーカーはもちろん、輸入業者(インポーター)や加工食品店などが参加します。
2016年の50ブースから今回は77ブース。本当に年々増えていきますね。素晴らしい。
どんな人が来るの?
- 蒸溜所勤務の方々
- 飲料メーカーの方々(広報)
- BAR、飲食店関係者(仕入れ目的)
- BAR、飲食店関係者(飲酒目的)
- ウイスキーファン、
ウイスキーラバーと呼ばれるプロ以外の愛好家の方々 - 上記5番に誘われた初心者の方
- 転売ヤー(仕入れ目的)
3番以降は入場料を払って参加している人々です。正確な割合は不明ですが、愛好家に次いで、飲食店関係者は多いように思います。
今年度の注目点!
今回のウイスキーフェスティバルは前年と比べ一味も二味も違いました。
来年への期待も大きくなること間違いなしなので、順番に解説してまいります。
床の材質。そしてブースと壁との距離。
いきなりマニアックな部分ではありますが、ココは非常に重要なポイント!
前回(2016年度)会場がとても冷たい印象に感じたのですが、今回は入場時の雰囲気からして違いました。
まず、床です。
前回ウイスキーフェスティバルが行われたサンシャインシティをディスるわけではありませんが、床は白のタイル張りでした。
今回の会場ベルサール高田馬場は絨毯型のカーペットだったのですが、これが色合いも暖色系で、とても温かみがありました。酔っぱらってお酒をこぼしてしまう方もいるのでお掃除は手間かなと思いますが、床が違うだけでも印象が大きく変わる良いケースだと思いました。
もうひとつは各ブースと壁の距離感。壁との設置面積がかなり広くとられていた前回ですが、今回は密集感があり、あまり無駄な空間を感じませんでした。出展数が増えたことも要因だと思いますがこれは功を奏したと言えるのではないでしょうか。密集度が高いので余計なホワイトスペースが減少し、冷たいイメージが和らいだのだと思います。「濃く美味しい」といったウイスキーの凝縮感ともよくマッチした空間でした。
若年層の増加
前回よりも低年齢層(20代前半~30代)の参加が目立ちました。しかも可愛い娘が多い!(笑)
BARRELでも、「ウイスキーを飲んだら可愛い子ちゃんにモテるかも!」といった記事を書ける未来が待っているかもしれないと思わせるほどでした。
冗談はさておき僕もこのBARRELを運営した一年間で、かなり若年層が増えた手ごたえを感じています。訪れていただいている読者も20代~30代が顕著に増加しています。
もちろん老若男女問わず多くの方にウイスキーを好きになってもらえることを願っているのですが、若い層の突き上げは業界にとっても非常にプラスに働くと思っております。
若い世代は歯に衣着せぬ発言も多く、フェスを回っていると結構辛辣な声が耳に届くこともありました。
BARや飲食店関係者に高評価されているブランドに関しても
「そこまで持ち上げられるほどの味ではない」
「そもそもパッケージが可愛くない」
と率直な感想を述べます。
なんとなくですが、わかりやすい味のほうが好まれることは確かでしょう。ウイスキーの奥に潜むフレーバーを探求したり、余韻を堪能したりではなく爆発的な香料、そして飲み口もライトなもののほうが受けていた印象です。
こういった若い世代を取り込み、愛飲家に育てていく、その流れを作ることがカギになるやもしれません。
このような多種多様な意見がウイスキー業界のイノベーションのキッカケになることを切に願います。
各メーカー及び蒸溜所の最新マーケティング戦略
MHDモエヘネシーディアジオ(株)はアードベッグ蒸溜所、サントリースピリッツ(株)はボウモア蒸溜所のVR体験を行っていました。蒸溜所内部を上下左右360度見渡せるのはなかなかできない体験ですね。こういった取り組みは愛好家、初心者も非常にとっつきやすく、その蒸溜所のウイスキーを是非飲んでみたいと思わせる仕掛けです。
サントリーとmeijiチョコレートのコラボレーション「シングルモルト×チョコレート マリアージュ体験」やアサヒビール(株)の「香りに出会うグラス体験コーナー」、「香りを感じるシングルモルトハイボールの飲み比べ」などがとても好印象でした。
これこれ、これなんですよ、求めていたのは!
前回より圧倒的に初心者に優しい。ウイスキーフェスティバルに行けば、まったく知らない初心者がレベルアップして帰って来られる。
この「成長する感覚」というのは初心者や若い世代に非常に重要なキーワードだと思っています。
ウイスキーのエキスパートもウイスキーのビギナーも楽しめる、素敵なイベントになっていくなと思わさせられる演出でした。
来年度も期待しています!
11年目となる来年度の「Whisky Festival 2018 in TOKYO」は なんと2018/11/24(土曜日)11/25(日曜日)の2日間開催!
今年度と同じ会場なのできっと良い雰囲気の中楽しめるのではないでしょうか。
個人的には「成長」と「結束」がキーワードになってくると思っています。
上記にも書きましたが、初心者への「成功体験」、そしてウイスキーを通じた「コミュニティの形成」。なので、参加型の体験プログラムはもっと充実させてもいいと思いました。というのもこういった試飲を主としているフェスは参加者それぞれが思い思いに楽しむイベントのため、単独行動が多くなりがちです。参加者同士の一体感を感じられるブースやプログラムがあると、「仲間意識」が生まれ、大きく強固なコミュニティが生まれるような予感がします。
ちょっとスペースは必要ですが、宮城峡蒸溜所が行っている「マイブレンド教室」やジョニーウォーカーの「ハイボールスタジオ」みたいなブースもあってもいいかもしれません。(もちろん、単独でひっそりと楽しみたい愛好家の方もいるので、その世界観は絶対的に大切にしたいですが)
飲食店関係者が多い強みを活かして、「●●BARの人が来てる」とか「●●蒸溜所の人が来てる」とかがわかる仕組みを導入するのはどうでしょう。有名なバーテンダーさんや蒸溜所オーナーさんとは話してみたいし、繋がりたい。名札というのも芸がないので、同ネットワーク内にいる人を表示できるスマホアプリとかですかね。情報を開示したい店舗やバーテンダーさんはLINEアドレスなんかも載せられて、新規客を囲い込む効果もあり、後日の購買促進にも結び付けられそうです。
これからもBARRELはウイスキーフェスティバルを応援します。
では今年のウイスキーフェスティバルの模様を写真でどうぞ。