和食に合うウイスキーは焼き魚にもピッタリ!
ウイスキーは食後酒というイメージが強いお酒ですが、以前からBARRELでは特集しているように銘柄を間違えなければ食中酒としてもお楽しみいただけます。
そこで今回ご紹介するのは焼き魚とウイスキーについて。
秋が深まるにつれ魚が美味しくなります。
脂を蓄えたジューシーな身、淡白だけど深い味わいをもった魚…様々な個性を持つ、上質な魚が市場に溢れる季節。
この記事では焼き魚に合うウイスキー、またウイスキーに合わせやすい魚のペアリングを紹介していきます。
ウイスキーと焼き魚のペアリングについて考える
私は以前サーモンとウイスキーのマリアージュについて紹介したことがあります。
この時は飲み方をハイボールに限定して紹介しましたが、今回は趣向を少し変えて焼き魚に対して合うウイスキーの銘柄を紹介していくことにします。
ハイボールに限定してしまうと大抵の焼き魚はマッチしてしまうので…。
秋に旬を迎える魚に合うウイスキーのペアは意外に多くあります。
この記事を読めばいつもの晩酌がより一層楽しくなるはずですよ。
焼き魚にはジャパニーズウイスキーが手堅い
焼き魚は日本食なのか…?どうなんでしょう。
焼き魚が和食だというはっきりとした定義はありませんが、日本国民に最も親しみのある料理であることは間違いありません。
海外でも魚は焼いて食べることはありますが、日本のようにシンプルな塩焼きにすることは少なく、ソースをかけたり、煮込んだり、ムニエルにしたり、蒸し焼きにしたりと一手間加えて食べることが多いようです。
つまり焼き魚は和食という呼ばれ方はしないものの、立派な日本の国民食として成立していると言えます。
そんな焼き魚に合わすのは我が国が誇る「ジャパニーズウイスキー」です。
これにはアメリカで親しまれるステーキにアメリカンウイスキーが合うのと同様の理由があります。
日本酒、ワインなどもそうですが、同じ風土で作られた食材とお酒の相性は抜群に良いのです。
焼き魚を美味しく召し上がるには、まずジャパニーズウイスキーを選んでください。
ブレンデッドでもシングルモルトでも結構です。
以下では焼き魚に合う日本のウイスキーの銘柄を紹介していきます。
白州
甲斐は駒ヶ岳の麓にある白州蒸溜所。
こちらで作られた白州、すだちやミントのようなすっきりとした香りを持つ中で微かなスモーキーフレーバーが漂う、淡麗ながらも複雑で深い味わいを持つボトル。
脂ののった秋刀魚などにはハイボールはもちろん、水割りやロックで合わせても美味しく召し上がれます。
一夜干しや乾物に対しての相性も良いので、悩まず合わせられる優秀なウイスキーです。
ホワイトオーク あかし
兵庫県明石市にある江井ヶ嶋酒造の「あかし」。
かの有名な明石海峡の潮風で育まれた端麗辛口のブレンデッドウイスキーです。明石海峡は日本有数の海苔の産地で、海の幸が豊富。タイ、タコ、アナゴ、イカナゴ、サバなどがよくとれます。アナゴやカニなどの淡白な焼き魚にぴったりとはまるホワイトオークあかし。是非ご賞味あれ。
ちなみに江井ヶ嶋酒造はもともと「神鷹」という日本酒を作っており、夏に蔵人がウイスキーを製造しています。清酒の伝統製法を生かした酒母造りは大正8年(1919年)から続く伝統のある製法です。
サントリー角
もはや説明不要。
ハイボールの広告でおなじみのサントリー角は日本を代表するブレンデッドウイスキーと言っても過言ではありません。
こちらも白州蒸溜所と山崎蒸溜所で作られた原酒をブレンドし、日本人の口に合うボトルに仕上げてあります。
何度か値上がりしましたが今でも1,300〜1,400円で購入でき、晩酌にも耐え得る国民的ウイスキーと言えます。
こちらと国民的料理「焼き魚」の相性が悪いはずがありません。
脂の乗ったジューシーな焼き魚に角ハイボール、または水割りで合わせるとクドくならず、幾らでも食べられる気がします。
角の持つドライな味わいが口の中の脂分をサッと流し込んでくれる…そんなイメージです。
竹鶴
こちらもジャパニーズウイスキーの雄、竹鶴です。
ピュアモルトの「モルト」は大麦麦芽を意味します。
ブレンデッドウイスキーは通常グレーンウイスキーを混合させますが、竹鶴はモルトウイスキーのみを混合します。よってこの上質なモルトだけを使ったウイスキーの事をピュアモルトウイスキーと呼んでいるのです。
余市と宮城峡で作られたものを原酒としてブレンドしたこちらの豪華なボトル。
シェリー樽由来の華やかな香りが特徴的な香りで焼き魚に合わせるならハイボール、ロック、がオススメ。
秋刀魚のように少し臭みがある魚との相性も、バッチリOK。
定価が3,000円と晩酌には少しお高いボトルですが、ご自身へのご褒美だと思ってお楽しみください。
シシャモやハタハタのような白身魚との相性も良いので魚全般に合うウイスキーと言っても過言ではありません。
知多
サントリーから販売されているグレーンウイスキー、知多。
こちらはドライで爽やかな味わいがあるボトルです。
タラやきんきなどの淡白な白身魚と相性が良いです。ハイボールはもちろんですが、ロック、水割りにしてもいけるウイスキーです。
乾物や燻製のようなスモーキーな魚との相性も良いのですし、万能なイメージですね。
4,000円程度するので購入するには少し思い切りが必要ですが、食中酒としてかなりオススメのボトルです。
注意点
焼き魚とウイスキーを合わせるコツは、あまりスモーキーなウイスキーを選ばないこと。
ピート香が強すぎるものはあまりオススメできません。
スモーキーかつピートが効いたラフロイグやアードベッグなどは焼き魚の持つ脂の甘味、ふっくらと香ばしい香りを殺します。
なるべくドライな味わいで、モルトの香り豊かなものを選ぶことをお勧めします。
※生魚(青魚)や生の貝類などにはカリラなどのスモーキーで辛口なウイスキーは合います。
焼き魚には飲み口の柔らかな国産モルトを
焼き魚にはジャパニーズウイスキーがマッチするということ、覚えておいてください。
我が国が生んだ素晴らしきウイスキーと合わせて秋の味覚をご堪能頂ければ幸いです。
秋の魚は秋刀魚に始まり鯵、鮎、カンパチ、カマス、カレイなどがあります。
ぎゅっと海の旨味が詰まった旬の魚を、じっくりと焼き上げ、ジャパニーズウイスキーで楽しみましょう!
では皆様、秋の夜長も素敵なウイスキーライフを…。