コーラ大好きなウイスキー大好きのみなさまお元気ですか。オーツカでございます。
コークハイをはじめ、ラムコークやジンコーク、カリモーチョやマリブコークなど、様々なカクテルに使われる世界的な清涼炭酸飲料「コーラ」。
もちろんウイスキーとのペアリングもこれまでに多く飲まれてきました。
BARRELもウイスキー専門メディアとして、この「コーラ」を避けて通るわけにはいかないでしょう。
今回の記事ではコーラ+ウイスキーの頂上決戦を行いたいと思います。
簡単な話が色んなコーラで色んなウイスキーを割ってみて、何が美味しいか調査するということです。
ジャックダニエルのコーラ割である「ジャックコーク」は有名ですが、本当にジャックダニエルとコーラがベストの選択肢なのでしょうか。
「いちごウイスキーの記事」同様、様々なパターンを試していきたいと思います。
ウイスキーコークとコークハイの違い
そもそもウイスキーコークとコークハイの違いとはなんなのか?
ウイスキーコークはその名の通り、ウイスキーにコーラを足したもの。コークハイは”コークハイボール”の略です。
特に決まりはなくどちらの名称で呼んでも構いませんが、居酒屋などでコークハイを注文した場合「コーラ+チューハイ(焼酎)」と間違われる場合があります。
しっかりお店に確認しましょう。
バーボンを使った場合はバーボンコーク、ジャックダニエルを使った場合はジャックコークとも呼ばれます。
なお、「コーク」はコカ・コーラ社製コーラの愛称ですので、「ウイスキーコーク」を名乗る場合はコカ・コーラを使う必要があります。
割材にペプシコーラやメッツコーラなどを使った場合は「ウイスキーコーラ」という名称になるわけですね。
ウイスキーに合わせる色々なコーラ達をチェック
では、実験に使うコーラ達をチェックしていきます。
「ウイスキーコークを作るなら名称的にコカ・コーラ社のもの一択でしょ」という声が聞こえてきそうですが、この企画のためにたくさんコーラ買ってきたわけですから試させてください。
まずは、普通に飲んでいきます。
コカ・コーラとペプシの違いは?
コーラ界を二分するコカ・コーラとペプシコーラ。ふたつの商品の違いは何か。
コカ・コーラはバニラやカラメルの甘みをより強く感じます。
ペプシは柑橘系のフレーバーが強く、炭酸も気持ち強いですね。
ペプシのストリング5.0Vは炭酸がより強力でカフェインも多く含まれているので爽快感があります。ケミカルな感じがしますね。
色々なフレーバードコーラ(ライムやシトラ、カテキンやベーコンなんてのもありました)もありますが、今回はこのふたつをメインに買い込みました。
ZERO系は人工甘味料の味が強い
コカ・コーラ、ペプシコーラともに、カロリーゼロの商品を出しています。
これらの商品は砂糖不使用なのでシャープでドライな飲み口です。
飲み終わりに歯もギシギシしません。
しかし、アセスルファムカリウムやスクラロースなどの人工甘味料の薬品の味が強く、後味が苦いですね。
ベタベタしない、甘すぎるのが苦手という方にはおすすめですが、オーツカはあまり好きではないです。
コカ・コーラは瓶コーラが一番美味しい?
次に瓶コーラを試飲。
昔から謎だったコカ・コーラの「瓶が一番美味しい」疑惑。
今回もそれにぶつかりました。
ペットボトル・缶・瓶の3種類でどう考えても「瓶コーラが一番美味しい」。
すべてプラスチックのコップに移して飲みましたが、やはり瓶が美味しく感じます。
今回の実験に加わってくれた5人(男性2名、女性3名)も瓶コーラが美味しいとの意見でした。
うーーーーーん。
価格的にも瓶コーラは割高だし、やっぱり物が違うのだろうか。
というわけで、コカ・コーラお客様相談室に聞いてみました。
容器の材質や容量に関わらず、
また、
しかしながら、容器によってお味の違いが感じられるとのこと、ご心配をお掛けいたしまして申し訳ございません。
頂戴いたしましたお声は担当部署へ伝えさせて頂きたく存じます。
もし、製品の品質についてご心配な点がございましたら、地域の担当者より直接製品を拝見に伺わせて頂きたく存じます。
その折は、大変お手数ではございますが、製品をお取り置き頂き、お客様相談室までお電話を頂きますようお願い申し上げます。
お手数をお掛けいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
なんというご丁寧な返信文…!!
つまり容器で口当たりの印象は変わることはあっても、中身は一切変わっていないということです!
「瓶コーラが一番美味しい」というのはプラシーボ効果だったようです。
コカ・コーラ社のご担当者様、ご丁寧にありがとうございました。これで僕を含め、BARRELの読者がまたひとつ賢くなったぜ。
最高に美味しいコーラは
というわけで買ってきた色々なコーラを一通り飲みました。
時間かかってすみません。でも、これだけは言わせてください。
「キュリオスティコーラ、マジうまい」
これ、今回の実験用に初めて買いました。
世界一高級で、世界一美味しいと称されてきた謎のコーラ、フェンティマンス社製の「本キュリオスティコーラ」。
比較したものの中でもとにかく味が濃い。色も濃い。
ハーブのような、杏仁豆腐のような香りもあり、とても鼻抜けのよい爽快な味。
子供の頃に駄菓子屋で飲みまくったあの味。美化されてしまった過去。
そう、あの過去に置き忘れてしまったコーラの味です。
他のコーラが[コーラ]くらいに感じるほど【コーラ】の味が主張してきます。
1905年イギリスで創業したフェンティマンス社。人工甘味料を使わない植物由来の素材にこだわった炭酸飲料を取り扱うメーカーです。
「キュリオスティーコーラ」には発酵ショウガ根抽出液やカトゥアバエキス、ガラナエキスなどが入っているようです。
なぜ思い出の味になったのかはわかりませんが、うまいですね。
750mlの大きい瓶もあります。価格はなんと900円を超えます。いやー高い。
成城石井、ドン・キホーテ、サミットなどで扱っているとの情報がありますが、確実なのはヴィレッジヴァンガードです。冷えたものが売ってます。
たくさん飲みたい!という方はAmazonでどうぞ。
ウイスキーと割るとどうか?
この時点で結構お腹が膨れてきたのですが、ここからはウイスキーと総当たり戦です。
自宅にある200本を超えるウイスキーをぶつけるのは流石にコーラが足りないので(オーツカの命も足らない)、ある程度は味の傾向と経験則でカバーします。
まず定番化しているジャックダニエルでジャックコーク(ジャックコーラ)を作って味の様子を見ます。
ふむ。ううーん。
ZERO系はやや飲みやすくなりました。人工甘味料の薬臭さが削がれ、ドクターペッパーに近い味になりました。
しかしながら糖質が入っていない分重みがないですね。充足感がないです。
コカ・コーラ、ペプシコーラは安定の味わいです。やはり砂糖は正義です。
キュリオスティコーラは、、、美味いな。やっぱ美味しい。なんだこれ、反則だわ(笑)
と、このようにジャックコークを飲み比べたところでひとつの確信に至りました。
ウイスキー銘柄を選抜するポイントは”甘味”。
香りは二の次です。
コーラの強い甘みに負けないくらいウイスキーにも甘みがないと、満足度の高いウイスキーコーク(コークハイ)は成立しないです。
ジャックダニエルとコーラが合う理由もわかった気がします。
ジャックダニエルのバニラやメープルシロップを思わせるなめらかで濃厚な甘み。
ジャックならではの甘ったるさがあるからこそ、コーラという飲み物と戦えるわけです。
キャプテンモルガンなど甘めのラム酒でつくるラムコークも同様の理由でしょう。
逆に考えれば、コーラの味をより引き出したいのであれば、あまり主張しない味わいのものを選ぶべきです。
その経験を踏まえ、個性の強いもの、弱いものであれこれ試してみました。
スペイサイド系+コーラ
使用している樽にもよりますが、甘味が弱いので微妙です。
香りは華やかになりますが、飲むと拍子抜けするので別々に飲んだほうがいいですね。
ストラスアイラ、グレンモーレンジ、グレンフィディックは柑橘感のあるペプシとの相性は良かったです。
アイラ系+コーラ
ラフロイグコーラはまぁ、、悪くないです。
ラフロイグのブランドアンバサダー、ロバートヒックス氏も普通におすすめしてますし。
でもラフロイグの個性はかなり削られるのでハイボールのほうが美味しいですね。
アードベッグも燻製コーラ?のような味で飲めないことはないですが、アードベッグの味を知らない人には拷問でしょうね。美味しいとはとても言えません。別々に飲みましょう。
その他のスコッチ
残念ながらハイランド、ローランド、キャンベルタウンで美味しいものを見つけることはできませんでした。
アイランズのタリスカー、ハイランドパーク、あとは1980年代流通のオールドパーなどが善戦しましたが、これは個人の趣味の問題もあるかと思います。
ただ、甘辛い醤油(みたらし)や味噌のようなフレーバーはコーラと合います。
やはりバーボンが至高
全体的な印象としてスコッチやジャパニーズよりも甘みの強いアメリカンウイスキー(バーボン・テネシーウイスキー)がベストと感じました。
美味しいウイスキーコークを飲みたい方はアメリカンウイスキーから選択するようにしましょう。
気を付ける点はタンニン分が強いバーボンを選ぶと、苦みが増して渋い味になってしまいます。
オールドグランダッドやノブクリーク、エライジャクレイグのようなバーボンには少しエグみを感じました。
もちろん好みはありますが、オーツカが選んだのはこの3品です。
ジェントルマンジャック
ジャックダニエルの上位互換。
テネシーウイスキーに代表されるチャコールメローイング製法を2度行ったプレミアムな商品です。
とにかくジャックよりもデリケートで棘が少なく、飲みやすいです。コーラの良さを殺さない紳士的な「ジャックコーク」。
ウッドフォードリザーブ
BARRELでも結構取り上げてますね、この商品。
カクテルのベースとしてバーテンダーにも重宝されるリッチなボディとスムーズな飲み口が魅力です。
ウイスキーコーラにすると複雑な味のレイヤーを感じることができます。コーラのフレーバーの層を厚くし、奥行きが増すイメージです。
ブレットバーボン
米国では食中酒としても飲まれている商品で、ライ麦の比率が28%と一般的なバーボンよりも高い。
味はスパイシーなんですが、後味が驚くほどすっきりなんですね。
ただでさえ甘味が強いウイスキーコークは後味が重いと飲み疲れてしまうので、このすっきりさはちょうど良いと思いました。
上記以外にもやや渋みは出たもののバーベキューソースのような濃い味わいで満足感を得ることができた「ノブクリーク」、ベリー系チョコレートのような酸を感じさせてくれた「I.W.ハーパー ゴールドメダル」は美味でした。
メーカーズマーク系(カスクや46)は意外にもバランスが崩れた印象でした。
より辛口でスパイシーなものを好む方は「オールドオーバーホルト」のようなライウイスキーも良いでしょう。
甘めが好きな方は「プラットヴァレー」のようなコーンウイスキーも飲みやすいかなと思いました。
飲み方とシュチュエーション
美味しい銘柄が決まったので、最後にウイスキーコーク(コークハイボール)の美味しい作り方と、飲むタイミングについて書いておきましょう。
自宅での作り方は書くまでもなく超簡単です。
ロングタイプのグラスを用意し、氷を入れてクルクル回して冷やしましょう。
面倒ならレモンを切る間だけでも氷を詰めて放置しましょう。
レモンやライムはお好みで。あらかじめエックス型にスライスしておくのがおすすめです。
グラスを冷やしていた氷を捨てて、大き目の氷を3~4個入れましょう。(氷から溶け出た水を切るだけでもいいです)
あとはコーラを注いでマドラーでかる~く混ぜるだけ。あんまり勢いよくコーラを入れると炭酸が溢れるので気を付けて。
最後にレモン(ライム)を軽く絞って飲みましょう。
ウイスキーとコーラの分量の割合ですが、基本的にはウイスキー:コーラ「1:4」がいいです。ただこれは基本。
シュチュエーションによっては薄め、濃い目に作ります。
コーラは糖質が高くカフェインが多く含まれています。
血糖値が下がっている食前に飲むのであればコーラの割合を多く「1:6」程度、ウイスキーはライ麦の比率が高い、スパイシーな味わいのものを選択すると、満足度が高いでしょう。
食後に飲む場合はウイスキー:コーラ「1:3」程度の割合で、小麦の割合が高い口当たりがなめらかなウイスキーを選択すべきです。
ゆっくりと時間をかけ楽しみましょう。
居酒屋やBARで頼む際も食事との兼ね合いで割合と銘柄を考えましょう。
まとめ
だいぶ酩酊しながら3日に分けて探ってきたこの企画。ずいぶんとカロリーを摂取しました(笑)
今回の実験でウイスキーコーク(コークハイ)になぜ長年ジャックダニエルが選ばれてきたのか、そして、必ずしもジャックダニエルで作るジャックコークがベストではないことがわかりました。
美味しいウイスキーコークを作るポイントは、
「甘みの強いウイスキーであるバーボン(もしくはテネシー)を選択すること」。
「なるべく滑らかな口当たりを売りにしている銘柄を選択すること」。
「グラスをしっかり冷やすこと」。
「シュチュエーションによって割り方を変えること」。
を覚えておいてください。
お酒の飲み方に正解はありませんが、失敗はありますからね。
オーツカ個人的にはキュリオスティコーラが飲めたのが良かったです。
キュリオスティコーラ+ウッドフォードリザーブで一杯2,000円くらいのバーボンコーラを出すBARがあっても面白いと思いました。