株式会社Whisky Student(本社:札幌市)は、北海道石狩郡当別町にある旧弁華別小学校の歴史ある木造校舎をリノベーションし、本格的なモルトウイスキーを造る「当別蒸溜所」を新設する計画を発表しました。
着工は2025年6〜7月を予定し、現在資金調達を進めているとのことです。

歴史的校舎を「ウイスキーの聖地」に

設立から88年の歴史を持つ旧弁華別小学校は、地域の記憶が詰まった貴重な建築物です。
Whisky Studentは、この校舎を活かし、蒸溜所として次世代に残すことを目指しています。
蒸溜所は、1バッチあたり麦芽150kg、年間最大24,000Lの生産を予定。
一般的なクラフト蒸溜所の約1/7という極小規模ながら、スコットランドの伝統製法を踏襲し、単式二回蒸溜による本格モルトウイスキーを製造します。
北海道・当別のテロワールを活かす
当別町は非常に軟らかい上水に恵まれており、泥炭が豊富で麦栽培も盛ん。
ウイスキー製造に理想的な土地です。
Whisky Studentは、地場産の大麦、ミズナラ、泥炭を活用し、当別ならではの風味をもつ唯一無二のウイスキー造りを目指しています。
代表の田中隆志氏は、北海道大学で微生物学を学び、堅展実業・厚岸蒸溜所で8年間勤務。蒸溜所立ち上げから携わった実績と、科学的アプローチを融合させた「学び続ける」姿勢をウイスキー造りに反映させています。
科学と職人技の融合、発酵への挑戦
当別蒸溜所では複数の酵母菌株を併用し、独自酵母の開発や長期発酵を視野に入れた挑戦を計画。
地域名産の切花由来の酵母や、北欧産麦芽などを活用した商品開発も進め、地元企業や飲食店との連携も視野に入れています。
製造情報の詳細公開を掲げ、ウイスキーの「目利き」層を新たな次元へ導くことを目指します。
今後の予定
- 2025年6〜7月:着工予定
- 2026年8月:製造開始予定
※現在、補助金の活用も視野に入れ資金調達中。
代表プロフィール
田中隆志(たなか たかゆき)
1977年生まれ。北海道大学農学部卒(微生物学専攻)。堅展実業・厚岸蒸溜所にて8年間勤務。ウイスキーに関する考察をnote等で発信中。
問い合わせ先
Email:tobetsu-distillery@whisky-student.com
公式サイト:https://www.whisky-student.com/
参考文献:
- 株式会社Whisky Student公式リリース(2025年3月15日)
- Whisky Student note:ウイスキーに関する考察と蒸溜所設立の記録
当別蒸溜所は、クラフトウイスキーの可能性と地域資源の力を結集し、日本のウイスキー文化に新たな一滴を加える存在として注目されています。最初のボトルが市場に登場する日が、今から待ち遠しいですね。